下着の跡(黒ずみ・色素沈着)の治し方とは? 原因と治療方法

下着跡の画像 「ブラジャーの跡が消えない」

「いつの間にか下着の跡が濃くなってる・・・」

女性の場合、下着が原因で肌が黒ずんでくることがよくあります。

下着による圧力が慢性的に続くことでメラニンが定着し、自然に消えるまでかなりの期間がかかることが多いです。

また、自然には消えないこともあり、レーザー治療を受けないと薄くならないケースもあります。

今回は、下着跡が治りにくい理由と薄くする方法、レーザー治療などについて。

下着跡ができる原因はどんなものがある?

サイズが合ってない下着の着用

サイズが合っていないブラジャーで皮膚を圧迫していると、その部分が黒ずんでくるようになります。

これはどんな人にも起こる可能性があり、特に胸の谷間を作るようなブラジャーは跡がつきやすいようです。

目安としては、下着を外した後に皮膚が赤くなっていたら、その下着は合っていません。お風呂に入る前に鏡で確認してみましょう。

なお、皮膚が赤くなるということは、肌が刺激を受けているということで、同時にメラニン色素の生成も通常よりも活発になっているということです。

補正下着・矯正下着の着用は皮膚を圧迫する

バストアップのための矯正下着や、ボディラインをキレイに見せるためにきついガードルを着用していると跡が残る可能性が高くなります。

色素沈着を起こしやすい人は、たった1日補強下着を付けただけで治りにくい黒ずみが残ってしまうこともあります。

補正下着を着用するにしても、自分の体形と肌質にあった無理のないレベルのものを使用しましょう。

胸が大きい人は下着跡がつきやすい

胸が大きい人は、いろいろとブラジャーを選ぶことができないといいます。

サイズが大きいブラジャーを作るメーカーが少ないためです。

なので、必然的にバストに合わないブラジャーを付けていることが多いようですが、それによって下着跡を残してしまうことがよくあるようです。

体質的にメラニンが多い

肌質的にメラニン色素が多い人ほど下着が皮膚に擦れることで色素沈着を起こしやすい傾向があります。

地肌が浅黒い人は要注意です。

なお、日本人は見た目では白い肌に見えてもメラニンを作り出す能力が高いため、物理的な刺激によって色素沈着ができやすいといえます。

冷え症の人ほど色素沈着を起こしやすい

冷え症の人ほど色素沈着を起こしやすく、そして治りにくいです。これは代謝が低下しているためです。

血行が悪いと少しきつい下着を着用するだけで軽い内出血をする人もいます。そして内出血がそのままシミになることも。

なお、内出血しやすい人は毛細血管の老化が始まっている可能性もあります。

日ごろから運動を心がけ、筋力をつけることで血行不良は改善されます。そして運動を続けることで血管の若返りをもたらすことができます。

下着跡は治る?

結論から言えば、下着による肌の黒ずみは治りにくいです。薄くなるまで1年、2年、3年というような年単位の期間に及びます。

理由は、通常は表皮層に存在するメラニン色素が真皮層に入り込んでいるためです。

下着による圧力が慢性的に続いているので、メラニンが皮膚の深いところに入り込んでしまっているのです。

下着跡が濃いものや、加齢が進んでいる場合は自然には治らないこともあります。

真皮層のメラニンが消えにくいのはなぜ?

メラニン色素は表皮の基底層という場所で作られます。

そこで作られたメラニン色素は、表皮細胞の分化によってじょじょに表面へと押し上げられ、古い角質と一緒に剥がれていきます。

これをターンオーバーといい、若い時期は28~42日くらいで表皮は生まれ変わっているといいます。

皮膚の構造と真皮に入り込んだシミの画像 下着跡は表皮層のさらに深い層にメラニンが入り込んでしまった状態。なので表皮のターンオーバーで剥がれていくということにはなりません。

そして真皮層は表皮のようなターンオーバーは行われていません。活発な新陳代謝が行われていないので下着跡のような真皮に落ち込んだメラニンは消失しにくいのです。

真皮のメラニンはメラノファージが食べる

メラノファージがメラニンを食べる画像 下着跡のような皮膚の深い部分に入り込んだメラニンは、メラノファージという細胞が処理します。

ところが、下着跡のような炎症が起こってない部分には、メラノファージの数が少なく、さらに活動性も低いので、メラニンが処理されるまで年単位の期間が必要になります。

レーザートーニングが一番効く

レーザートーニングの写真 下着跡の黒ずみをどうしても消したい場合、レーザートーニングという治療が最も効果があります。

レーザートーニングとは、優しいレーザー光線を何度も繰り返し照射して、ゆっくりと効果をもたらす治療です。

肌に対するダメージがほとんどないので、レーザーによる色素沈着を起こすことなくじょじょにメラニンを取っていくことができます。

違いはトップハット型

レーザートーニングは、トップハット型という照射を実現します。(イメージ図を参考)

一般的なレーザーでは、ガウシアン型といわれるもので、中央部へのエネルギーが強くなる欠点がありました。それによってかえって色素沈着が悪化する問題があります。

レーザートーニングでは、トップハット型といわれるもので、レーザーのエネルギーが肌に対して均一的に照射することができます。

これにより、下着跡のようなデリケートな色素性病変にも余計なダメージを与えることなく対応します。

安全性が高い一方で治療を繰り返す必要がある

レーザートーニングは、安全な治療で、ほとんど肌に対するダメージがありません。けれど一方で作用が弱いともいえます。

一度の治療で効果がないので基本的に何度も繰り返す必要があります。下着跡を消したい場合は、濃さにもよりますが目安として5回くらいの治療が必要です。

Qスイッチとピコレーザーがある

レーザートーニングには、ピコレーザーを使った治療と、Qスイッチ・ヤグレーザーを使った治療の2タイプあります。

ピコレーザートーニング

ピコレーザーの写真 ピコレーザートーニングは、レーザーの照射時間(パルス幅)がピコ秒(1兆分の1秒)を実現するレーザー機器。

レーザー光線が肌に当たる時間がほんの一瞬であるため、それだけ皮膚へのダメージが少ないのが特徴。

そして、ピコレーザーは下着跡のような皮膚の深いところにあるメラニンに吸収されやすい波長を照射することができます。

最新のレーザーであり、これを使えば下着跡は確実に薄くなっていくと思います。

Qスイッチヤグレーザータイプのレーザートーニング

レーザートーニングの写真 Qスイッチ・ヤグレーザーとは、照射時間がナノ秒(10億分の1秒)単位で照射できるヤグレーザーをいいます。

ナノ秒においても照射時間は一瞬ですが、ピコ秒単位で照射できるピコレーザーよりは肌に及ぼす時間が長いので、同じ出力で行えば若干ダメージが強くなるといえます。

そして、ヤグレーザーの波長は1064nm(ナノメートル)。真皮層のメラニンに反応する波長です。

ピコレーザーと比べると古いタイプであり、より多くの治療回数が必要になるとされます。(けれど実際にやってみないとわかりません)。

導入する病院も増えている

レーザートーニングは、安全な治療であることから導入する病院が増えています。

なお、ピコレーザーという最新の機器が登場して以来、古くなってしまったQスイッチタイプのレーザートーニングの治療価格が安くなっています。

施術費用が1回1万円を切るところも多いです。

下着跡に美白剤は基本的に効かない

下着跡は、ほとんどは表皮の色素沈着ではなく、真皮層の色素沈着によるものです。

なので、基本的にビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの美白化粧品などを使っても効果はないです。

ただし、下着跡といってもすべてのメラニンが真皮層に入り込んでいるとは限らず、表皮に留まっているメラニンもあると思います。

そういった表皮性の色素沈着にはハイドロキノンという美白成分で薄くできる可能性があります。

ハイドロキノンクリームの画像 ハイドロキノンとは、強力な美白作用をもつ成分で、即効性があることから「肌の漂白剤」といわれるもの。

ハイドロキノンには主に以下のような美白作用があります。

  • メラニン色素を合成するチロシナーゼ酸化酵素の阻害作用
  • すでにあるシミを淡色化する還元作用
  • メラニン色素を作り出すメラノサイトの活動抑制作用

ハイドロキノンの美白効果は、他の成分にはないレベルのものであり、皮膚の色素そのものを薄くしていく作用があるため、下着跡の色素沈着を薄くしていくことができる可能性があるのです。

欠点としては、強力な還元作用がある反面、酸化しやすい性質があり、酸化して劣化したものは肌への刺激性が強くなることです。

そのため、できるだけ新鮮なものを早期に使い切るようにしましょう。

また、成分そのものが肌に合わない人もいるので、本格的に使う場合は必ずパッチテストを行ってから使うようにしましょう。

異常が現れたら、必ず使用中止して下さい。特に強い赤みとかゆみがでたら、アレルギー性接触皮膚炎という最悪な副作用を起こしている可能性があります。