ホクロとシミは姿や形は似ていますが、実際には異なる性質をもっています。
■しみはメラニン色素が沈着した状態
メラニン色素は、表皮内の基底層という場所にあるメラノサイトで作られます。シミは、紫外線などによって活性化したチロシナーゼ酵素によってメラニン生成が活発になり、その過剰に生成されたメラニン色素がターンオーバーによって排出されずに残ってしまう状態がシミです。治療にはレーザーや光治療の他、ビタミンCやハイドロキノンなどの美白剤などが有効です。
■ホクロは母斑細胞が増殖した状態
ホクロはシミと同じようにメラニン色素によって黒っぽく見える状態ですが、ホクロの場合は単にメラニンの沈着だけではなく、メラニン色素とメラニンを産生するメラノサイトが一部分に増殖した状態です。そのため、しみよりも色が濃く、盛り上がりがある場合もあります。盛り上がったホクロを色素性母斑、または母斑細胞性母斑といい、深い層で増殖した場合はホクロは青っぽく見えることもあります。ホクロは乳幼児期にはほとんどなく、成長にともなって発現するようになり、特に思春期ごろから急に増える場合があります。ただし、中年以降になるとホクロの数は増えなくなります。
■ホクロにはメラノーマ(悪性黒色腫)という皮膚ガンもある
ホクロは悪性腫瘍ではないため、通常は治療(切除)を行う必要はありませんが、メラノーマ(悪性黒色腫)という悪性のホクロである場合には治療が必要になります。一般的なホクロと悪性のホクロの違いは、悪性のホクロは進行性があり、ホクロが大きくなることです。また、悪性のホクロの場合は見た目もひどくなります。メラノーマは特に足の裏に出来やすいことで知られており、足の裏に大きなホクロが出来た場合には早めに切除した方が安心です。
ホクロを除去する方法
■CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)は、皮膚を削ることが出来るアブレーションレーザーです。この方法は、ほくろをレーザー光によってホクロの原因となる母斑細胞を除去します。一般に面積が5mm〜10mm程度のほくろの治療が可能で、それ以上の大きさではメスで切開する方法が適しています。CO2レーザーでホクロを除去した後の残ったメラニンには、QスイッチYAGレーザーが使われることがあります。
■メスで切除する方法
ホクロ切除法は、ホクロを含む周りの皮膚を切除して縫い合わせる治療法です。抜糸を行うまではガーゼでの保護や洗顔が出来ないことなどのダウンタイムが長くなります。ただし、確実でホクロが再発することが少ない方法と言えます。
■Qスイッチヤグレーザー
盛り上がりがなく平面なホクロにはQスイッチYAGレーザーで除去することが可能です。QスイッチタイプのYAGレーザーは、わずかな時間でターゲットに作用できるため、皮膚表面のダメージが軽減されています。ただし、ホクロを作り出す細胞そのものを除去する方法ではないため、再発する可能性があります。