エピデュオゲルは顔ニキビの使用が原則だけど胸や背中にきびにも使える

エピデュオゲルはディフェリンゲルとベピオゲルの合剤

2016年11月より、保険適応のニキビ治療薬としてエピデュオゲルの販売が始まりました。

エピデュオゲルは、「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」の2種類の有効成分を配合した合剤であり、それぞれを単独で使うよりも相乗効果を得られるメリットがあります。

このエピデュオゲルというお薬はすでに海外ではスタンダードな治療薬であり、現在ではニキビ治療において世界で最も使用される薬だといわれています。

白ニキビや炎症性の赤ニキビなどに対して即効性があるお薬なのですが、基本的に顔のにきびだけの使用が原則だとされています。背中や胸などの顔以外のニキビへの使用はすすめられていません。

今回は、エピデュオゲルが顔だけの使用が基本だとされる理由や、背中ニキビや胸にきびなどには使ってはいけないのか?などを詳しく解説していきます。

エピデュオゲルは顔ニキビの使用が基本である理由

薬を塗る女性の画像 エピデュオゲルの販売会社であるマルホによれば、エピデュオゲルは顔ニキビのみの使用が原則とされています。それは他の部位、例えば背中にきびや胸にきびなどへの有効性や安全性が確認されていないためとされています。

これはエピデュオゲルの成分やその配合量が顔のニキビを治す目的で作られているためです。

まず、このお薬は「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」という成分を含んでいますが、そのうちアダパレンは皮膚の部分によって反応に違いがあります。

アダパレンは、表皮細胞の増殖を抑制し、表皮が厚くなって毛穴がふさがってしまう現象を抑え、ニキビの発生や悪化を予防することができる成分ですが、その薬理作用はアダパレンが皮膚内に存在するレチノイン酸受容体(RARγ)に作用することによってもたらされます。

そのアダパレンの作用は皮膚の部位によって違いがあり、特に顔への反応は良い傾向がありますが、背中や胸などへの反応は弱い特徴があります。筆者の印象では腕や脚などはもっと反応が悪いです。

ステロイド外用薬などでも同じことがいえるのですが、基本的に顔は角質層が薄いことなどの特徴により、薬剤の反応が良いのです。顔の角質層は身体の中でも薄く、約8~10層といわれています。なお、背中や腕などの角質層は15層くらいで塗り薬の反応が悪い傾向があります。

エピデュオゲルにはアダパレンが0.1%濃度配合されていますが、そのレベルでは顔には効果があっても、背中や胸などには効きづらい傾向があります。また、アダパレンは身体の部位によっては反応が予想以上に強く現われてしまうケースもあります。

つまり、この薬のアダパレン濃度は顔ニキビに安定的に効くレベルの配合量であるため、基本的に「顔のみへの使用が原則」とされているのです。

これは、アダパレンだけを主成分とした「ディフェリンゲル0.1%」という塗り薬においても同じことがいえます。ディフェリンゲルも顔ニキビだけの使用が原則とされています。

顔以外のニキビにも使っていいけど避けないといけない部分もある

背中ニキビの跡の画像 エピデュオゲルの2種類の主成分やその配合量は顔にきびへの使用を目的としたものですが、特にアダパレンの作用を期待しなければ背中や胸、腕、肩、脚などのニキビへ使ってもいいと思います。

アダパレンが効かなくても、もう一つの有効成分である過酸化ベンゾイルだけでも十分な効能があり、背中や胸などにおいても顔と同じ皮膚なので、成分の作用を理解して上手に使えば別に顔だけに限定する必要はないです。

ただし、アダパレンという成分は身体の部位にって反応が違うので、顔以外への使用にはいくつのかの点を守る必要があります。

エピデュオゲルを塗ってはいけない身体の部分

エピデュオゲルの2種類の有効成分のうち、アダパレンという成分は皮膚の部位によっては反応がとても強く現れることがあります。基本的に顔以外の部分では反応が悪い傾向があるのですが、反対に突出して反応が強く出る部分があるのです。

アダパレンの反応が強く現れる部位 アダパレンの反応が強い部分は、ワキ、乳輪、乳首、おへそ周辺、陰部、肛門周囲などです。それらの部分にアダパレンを塗ると、我慢できないくらいの痛みやヒリヒリ感、強い赤みなどが発生することがあります。

特に陰部や粘膜部分、肛門やその周囲は非常に強い反応がでることがありますので、絶対にそういった部分への使用はしないで下さい。

例えば、陰部(アンダーヘア)のムダ毛処理後にニキビのようなできものが発生することがありますが、その場合はエピデュオゲルは塗ってはいけません。気づかないうちに付着しているケースもあるためです。

また、お尻ニキビなども肛門に近いので避けて下さい。そもそも副作用が現れやすいお薬なので、何かと刺激を受けやすいお尻ニキビに使用するのはおすすめできません。

なお、重症ニキビ治療に使用されるトレチノインという塗り薬も、アダパレンと同じように皮膚内のレチノイン酸受容体に作用するお薬なので、乳首やワキ、陰部、肛門などに使うと強烈な反応が現れます。

身体のニキビにはベピオゲルが理想

ベピオゲルの画像 アダパレンは顔以外の皮膚には安定的に作用しないケースが多いので、背中ニキビなどにはアダパレンが配合されていない過酸化ベンゾイルだけの塗り薬が理想です。

過酸化ベンゾイルを主剤とした塗り薬は「ベピオゲル2.5%」というお薬が有名です。その薬は皮膚科で処方される薬であり、一般的な市販薬としては購入できません。

エピデュオゲルの副作用を考えて使用するのが基本

ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)でかぶれた画像 エピデュオゲルの2つの主成分である「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」は、どちらも副作用が現れる可能性が高いという欠点があります。

国内臨床試験によると全体の10.8%(648例中70例)になんらかの副作用が現われたと報告されています。副作用の多くは2週間以内に起こります。

その副作用は、ヒリヒリした刺激が8.0%(648例中52例)、皮膚の痛みが0.9%(648中6例)、アレルギー性接触皮膚炎が0.6%(648中4例)、皮膚の赤みが0.3%(648中2例)、皮膚のかゆみが0.3%(648例中2例)と報告されています。

アダパレンで副作用が起こるのは薬が効いている証拠だともいえるのである程度はしかたないのですが、一方の過酸化ベンゾイルも人によっては強い副作用が起こる可能性を秘めているので慎重に使う必要があります。

皮膚刺激などの副作用は2週間に多い

エピデュオゲルの副作用は主に皮膚刺激などがありますが、そういった副作用は使用後から2週間までに現われやすいです。その後はニキビの減少と共に、ヒリヒリ感やかゆみなども少なくなっていきます。

エピデュオゲルの副作用の期間の画像

ただし、3か月使って効果がみられない場合は使用中止するのが原則だとされます。

下着や衣服でこすれる部分は使用しない

薬を塗る画像 エピデュオゲルは、赤みや乾燥などの副作用がでやすいので、下着や衣類などで強く刺激を受けるような部分に使用するのは避けたほうがいいです。

赤みや乾燥、ヒリヒリ感などに加えて物理的な刺激が加わると副作用がひどくなったり、ニキビそのものが悪化して治りにくくなってしまうことも予想できます。背中ニキビに使う場合は、刺激に注意して下さい。

目元へ使ってはいけない

眼瞼炎(がんけんえん)の画像 エピデュオゲルを目元に使うと眼瞼炎(がんけんえん)という症状を起こすことがあると報告されています。眼瞼炎とは、その名の通り、瞼(まぶた)が炎症を起こす症状です。そのため、目元に付着しないように塗って下さい。そして、この副作用が起こったら眼科を受診して下さい。

口元への使用は避ける

エピデュオゲルを口周り、唇に使用した場合に口角炎を起こすことがあります。口元はできるだけ避けて塗って下さい。

異常が現われたら必ず使用を中止する

女性看護師の画像 エピデュオゲルを使って起こりえる副作用以上に、強い反応が現れたら必ず使用を中止して下さい。特に腫れたような強い赤みやかゆみが現われたときはアレルギー性接触皮膚炎を起こしている可能性があるので、絶対に使い続けるようなことはしないで下さい。

背中ニキビなどに使う場合は、鏡などを使って症状が安定的に治っているか確認しながら使って下さい。