皮膚の表皮・真皮・角質層の厚さは何ミリ?各部位の厚みと層数まとめ

皮膚の表皮の構造の画像 皮膚は人間の身体のすべての表面をおおっている大事な存在です。

「最も大きな臓器」といわれることがあるくらい大切な存在で、皮膚が身体を保護しなければ細菌やカビ、ウイルスなどに侵されることになり、また単純に様々な刺激にも耐えることができなくなってしまいます。

皮膚の面積は成人男性の平均で約1.6平方メートルという畳一枚分の広さがあり、体重の約8%を占め、体重60kgの人は4.8kgが皮膚だということになります。

その皮膚は、大きく分けて表皮、真皮、皮下組織の3層構造をしていますが、では、そられは何ミリくらいの厚さで作られているのでしょうか。

今回は身体の部分別に、表皮や真皮の厚さ、さらに最も表面にある角質層の厚さと層の数を詳しく解説していきます。

皮膚の構造

皮膚は表皮(ひょうひ)、真皮(しんぴ)、皮下組織(ひかそしき)の3層構造をしています。また、皮下組織を除いた「表皮と真皮」だけを皮膚といったりします。それぞれの役割や厚みを詳しくみていきます。

表皮の役割

皮膚の仕組みと構造の画像 皮膚の最も表面側にある表皮は保湿機能や防御としてのバリア機能があります。血管は通っていません。表皮は角質層を含めてほとんどがケラチノサイト(表皮角化細胞)という細胞によって構成されています。

その表皮の厚みは、平均で0.1~0.3mmで、身体の部位によっては0.04~1.5mmほどの幅があります。目の周りは薄く、反対に手のひらや足の裏などは厚いです。

そして、表皮は複数の構造によって成り立ち、表面側から角質層(かくしつそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)の4つの層で構成されています。

それぞれの層の数でいえば、顔の場合では、基底層は1層、有棘層は5~6層、顆粒層は2~3層、角質層が約8~10層くらいだといわれています。

表皮のほとんどは表皮角化細胞によるものですが、その表皮細胞は、表皮内の最も深い部分に存在する基底層で作られます。

基底層で誕生した表皮細胞は細胞分裂を起こして増殖し、表面に向かうにしたがって分化して基底層→有棘層→顆粒層と押し上げられ、最後は角質となります。そして一定の期間を過ぎると角質は垢(あか)となって自然に剥がれて行きます。

この現象をターンオーバーといいますが、若い時期であれば28日~42日周期で表皮は入れ替わっているとされます。年齢を重ねるほどその周期は遅くなっていきます。

そして、表皮内にはメラニン色素を作り出すメラノサイト(メラニン細胞)が存在し、必要に応じてメラニンを作り出して肌を保護しています。

メラノサイトは表皮内の基底層に存在し、皮膚1平方mmあたり約1000~1500個のメラノサイトがあるとされます。

真皮の役割

眉間のしわの画像 真皮は、主にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが多く存在する層です。血管も通っています。

真皮の水分を除くと約70%はコラーゲン、約5%がエラスチンで構成されていて、肌のハリや弾力をもたらしたり、皮膚が簡単にちぎれたりしないように強固につなぎ合わせる役割を担っています。

その真皮の厚みは平均で約1~3ミリくらいだとされます。

そして、真皮には線維芽細胞、マクロファージ、肥満細胞(マスト細胞)、形質細胞などの細胞が存在しています。そのうち、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す細胞は線維芽細胞です。また、線維芽細胞はコラーゲンなどの合成だけではなく分解も担っています。

真皮のコラーゲンなどはゆっくりと入れ替わっているのですが、表皮のような「角質となって剥がれていく」といったようなターンオーバーは行われていません。線維芽細胞がゆっくりと合成と分解を行っているため、入れ替わるには数年単位の長い時間がかかります。

皮下組織の役割

皮下組織は主に皮下脂肪がある層です。弾力性をもたらし人体への刺激を緩和するクッションとしての役割があります。


なお、皮膚の付属器官として、脂腺(皮脂腺)、汗腺、毛、爪などがあります。

身体の部位別の皮膚と角質層の厚さ

顔の皮膚と角質層の厚み

皮膚の表皮の構造の画像 顔の皮膚(表皮+真皮)の厚みは1.5ミリ~2ミリほど。そのうち、表皮だけの厚みは0.2~0.3ミリ程度です。

さらに表皮内の角質層だけの厚みは平均で約0.02ミリで、角質細胞の層の数は約8~10層くらいだとされています。

そして、顔の中でも皮膚の厚みにはわずかな違いがあり、例えば、皮膚が最も薄い目の周りの皮膚の厚みは平均0.6ミリで、表皮の厚さは0.1ミリほどしかありません。

さらに目元の角質層だけの厚みは約0.01ミリで、角質層の層数は5層程度だとされています。身体の中で最も皮膚が薄い部分の一つです。

また、額(ひたい)や頬(ほほ)なども皮膚の厚みがやや薄いとされます。

顔は身体の中でも特に角質層が薄い部分なので、ちょっとした刺激によって出血したり、またスキンケア不足や紫外線などの肌トラブルによって水分が失われやすいといえます。

過剰な洗顔やクレンジング、ピーリングなどを続けていると水分を蓄える能力が著しく低下してしまいます。

一方で、顔は他の部位よりも急激に表皮細胞を作り出すことができる性質があります。ターンオーバーが活発なのです。

例えば、すり傷や切り傷を腕や脚などに負った場合と顔に負った場合を比べると、圧倒的に顔の傷のほうが早く修復されます。

顔は角質層が薄くてもターンオーバーが活発なため高い肌水分量を維持することができたり、紫外線ダメージから早く回復できることができるのです。

また、顔は角質層が薄いことから化粧品の有効成分や塗り薬の浸透が良い特徴があります。例えば、顔にできたモヤモヤとしたシミであれば、美白化粧品で薄くできることも多いです。

ただし、それが副作用のない成分であれば良いのですが、副作用がある成分であれば問題があります。例えば、ステロイド外用薬などは顔に塗る場合は効果がすぐ現れる反面、副作用が現われやすいので注意しないといけません。

腕や脚の皮膚と角質の厚さ

腕や脚の画像 腕や脚の表皮と真皮をあわせた皮膚の厚みは平均で2ミリほどです。表皮だけの厚みは0.2~0.3ミリ、そのうち角質層の厚みは0.03ミリ、角質の層数は10~15層程度だとされています。

顔の約8~10層と比べると、腕や脚の角質層はやや厚みがあります。基本的に顔以外の部分は刺激を受けやすいので、進化の過程で角質層は厚めにできているとされます。

腕や脚の中でも部分的に皮下脂肪の厚みがある部分は表皮や真皮にも厚みがあるように感じますが、それほど大きな違いはないです。

背中や胸元の角質層の層数

背中の画像 背中や胸元の皮膚(表皮+真皮)の厚みは2~3ミリほど。表皮だけでは約0.3ミリ、角質層の厚さは0.02~0.03ミリほど、そして10~15層ほどの角質細胞の層数によって成り立っています。

背中は腕や脚などよりも皮膚が厚いです。背中にニキビができやすいのは皮脂が多いことの他に表皮が厚いことも影響しているようです。

表皮に15層ほどの厚みがあるので、少ない皮脂でもその刺激によって毛穴がつまやすく、それがニキビへと発展しやすいのだと考えられます。

また、うなじ(首の後ろ)やお尻なども、背中と同じくらいの皮膚の厚さだといわれています。

頭部の皮膚の厚さ

頭の画像 頭部の皮膚は他の部位よりも厚みがあります。頭頂部の皮膚の厚みでいえば、平均2.3mmだといわれています。

身体の中で特に皮膚が厚い部分

ここからは身体の中でも特に皮膚が厚い手の平や足の裏の表皮の構造と厚み、角質層の層の数などを詳しくみていきます。

手のひらの皮膚や角質層の厚み

手のひらや足の裏の表皮の構造イラスト画像 手のひらの皮膚の厚みは1.5ミリ~2ミリほど。(表皮と真皮を合わせた厚みです)。

表皮だけでいえば0.7ミリと厚く、角質層の層数は約40層くらいだといわれ、顔の4~5倍くらいの角質層の厚みがあります。他の部位よりも角質層の割合が高い特徴があります。

手はいろいろなものを扱う部分なので、皮膚の厚みがあるように進化したのだと考えられます。

そして、手のひらは顔や背中などの皮膚と構造に違いがあります。具体的にいえば、角質層と顆粒層の間に淡明層(たんめいそう)、または透明層という層が存在します。

淡明層は角質細胞と同じように細胞核のない死んだ角化細胞(ケラチノサイト)の層で、厚い皮膚の強度を高めるために存在しています。その淡明層の数は4~6層です。

そして、手のひらは特に修復力が高い特徴があります。わりと深い傷を負っても他の部位よりも短期間で綺麗に治ってしまいます。

足の裏の角質層の厚み

足の裏の画像 足の裏の皮膚(表皮+真皮)の厚みは2~3mm程度。表皮だけの厚みは1.3ミリで、角質層の層数は約70層くらいだといわれています。

身体の中でも特に角質層の割合が高いのが特徴ですが、身体全体を重圧を受ける部分なので、70層もの角質細胞の厚みがあっても当然だといえます。

そして、手の平と同じように角質層と顆粒層の中間に淡明層(透明層)という層があり、最も圧力がかかる足の裏の皮膚を強固にしています。

年齢を重ねるほど皮膚は薄くなる

女性看護師の画像 若い時期は皮膚の厚みもしっかりしていますが、加齢によってだんだんと表皮や真皮は薄くなっていきます。

例えば、顔の場合、若々しい肌の表皮は、基底層は1層、有棘層は5~6層、顆粒層は2~3層、角質層が約8~10層くらいだとされますが、それが老化現象によって有棘層が2~3層、顆粒層が1~2層、角質層が4~5層といったように薄くなってしまうのです。

若い人の角質層は0.02ミリほどの厚みですが、年齢によってそれが0.01ミリになったりします。

表皮は保湿機能やバリア機能を担う層なので、それが薄くなると肌が乾燥するようになったり、刺激に弱くなって湿疹が治りにくくなることも珍しくないです。

また、年齢によるものだけではなく、過剰なスキンケアによっても肌は薄くなっていきます。その一つがピーリングやオイルクレンジングなどです。

それらは普通のスキンケアと違って角質を剥がす作用がとても強く、一度で3層~5層ほどの角質を取り除いてしまいます。それらを長期的に行うと肌細胞を著しく消耗させてしまうことになり、ビニール肌といわれるキメのない状態になってしまうこともあります。

そのため、将来的な肌の健康を考えれば、そういったスキンケアは止めたほうがいいです。ニキビケアのために自宅ピーリングを行う人も多いですが、その場合はニキビが治ったら必ずピーリングを止めましょう。そして、決してにきび予防のために使い続けるようなことはしないで下さい。