【画像】ラメラ構造の仕組みと肌水分量やバリア機能を高める方法まとめ

キレイな肌の女性の画像 潤いのある美しい肌は、角質層においては必ず油分と水分がバランス良く保たれています。その油分と水分を保持して角質層の保湿機能とバリア機能を高める状態が「ラメラ構造」という形です。

今回は、そのラメラ構造の仕組みと、加齢や乾燥によるラメラ構造の崩れ、それを整えるスキンケアやターンオーバー活性化方法などを詳しく解説していきます。

皮膚の構造

ラメラ構造の前に、まずは皮膚の構造と仕組みからみていきます。

皮膚の構造 人間の皮膚は、表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。

皮膚の水分保持とバリア機能を担うのが皮膚の最も表面にある表皮層です。表皮層は約0.2~0.3ミリ程度の厚さしかない非常に薄い層で、表面側から「角質層(かくしつそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」の4層構造によって成り立ちます。

そして、表皮細胞(肌細胞)は表皮内の最も下層に存在する「基底層」で誕生します。基底層で作られた表皮細胞は、分裂を繰り返して有棘層→顆粒層と押し上げられ、最後は角質細胞(単に角質と呼ばれることが多い)となります。

そして、角質として一定期間、水分保持やバリア機能などの役割を果たすと、最終的には古い角質(垢)となって剥がれていきます。これをターンオーバー(皮膚の新陳代謝)といいます。

角質層の働き

キメが整った肌の画像 表皮層のうち、肌のバリア機能や水分保持機能を担うのが角質層です。

角質層は、平均的に0.02mmくらいのとても薄い層です。角質細胞の層の数でいえば顔は10層、その他は15層くらいだとされています。

角質層は肌の水分量を保持して肌の内側から水分が蒸発しないように守る保湿機能としての役割があります。そして、肌への刺激を防ぐ役割や、バリア機能として細菌・ウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防いだりする働きがあります。

肌の生まれ変わりやニキビ予防のために「角質は積極的に剥がしたほうがいい」などとしてピーリングをすすめている化粧品もよくみかけますが、本来、角質は非常に重要な存在です。

そして、この角質層の油分と水分がバランス良く保たれることが美肌のポイントになるのですが、キレイな肌というのは角質層の内部が必ずラメラ構造といわれる油分と水分の配列が規則正しく並んだ状態になっています。

角質層に存在するラメラ構造とは?

肌の潤いとバリア機能をもたらすラメラ構造とはどんな状態をいうのでしょうか?

角質層は角質細胞がレンガのように何層も重なってできています。そして、その角質細胞どうしの隙間にはセラミドを主成分とした細胞間脂質(さいぼうかんししつ)という物質が存在します。その細胞間脂質がラメラ構造を作り出します。

ラメラ構造のイメージ画像

潤いがある肌は角質細胞どうしの隙間において、イメージ画像のように「細胞間脂質-水分-細胞間脂質-水分-細胞間脂質-水分・・・」といったように物質が規則正しく何層も交互に並んでいる状態になっています。この状態をラメラ構造といいます。

ラメラとは「層状」という意味で、個体と液体の中間に存在して層を作り出します。ラメラ構造を例えてサンドイッチのような層だとイメージして下さい。このような現象をもたらす仕組みは、セラミドを主成分とした細胞間脂質が油と水のどちらにも馴染みがいいという性質をもっているためです。

細胞間脂質は「・・・脂質」と名前が付いていますが水を抱え込むように働く特徴があります。角質層においてこのラメラ構造が水分を保持して角質細胞どうしをつなぎあわせていることから、水分量とバリア機能が高まり、乾燥や異物侵入を防ぐことができるのです。

なお、このラメラ構造が整っている肌は必ずキメが整った潤いのある肌になります。ラメラ構造がしっかりと形成されていない肌は、必ず乾燥していたり肌荒れを起こしているような印象があります。

細胞間脂質の主成分はセラミド

細胞間脂質は、主にセラミドが約50%、脂肪酸が約20%、コレステロールエステルが15%、コレステロールが10%、糖脂質が5%で構成されています。最も重要なのが約半分を占めるセラミドです。

セラミドは細胞間脂質の主成分であることから、「細胞間脂質=セラミド」と認識されていたりします。肌の水分保持機能といえば、このセラミドという物質が非常に重要になり、ラメラ構造を支える物質もほとんどがセラミドによるものだと予想つくと思います。

セラミド不足で乾燥し、ラメラ構造が乱れる

セラミドが不足した肌の画像 肌が乾燥した肌というのは水分量が不足した状態ですが、それは肌水分を抱え込む細胞間脂質の不足、主にセラミドの不足を意味します。

セラミドが不足した角質層においてはラメラ構造が維持できないため、水分を抱え込む能力が低下します。そして、どんなに化粧水などで保湿しても水分を保持することが難しくなってしまい、乾燥肌が改善しなくなります。

また、ラメラ構造が維持できない状態では角質細胞の隙間を埋める働きも低下してしまいますので、異物の侵入を防ぐバリア機能も低下します。

その結果、慢性的な皮膚病、湿疹の原因になることがあります。例えば、アトピー性皮膚炎の原因の一つもセラミド不足によるバリア機能の低下が要因であると考えられています。

皮膚の水分保持の役割の8割が細胞間脂質

皮膚の保湿機能のセラミドの割合 皮膚の水分保持能力は、角質層の隙間を埋めるようにして水分を抱え込んでいる細胞間脂質が重要になってきます。

肌水分量をもたらす貢献度でいえば、約80%を細胞間脂質が担い、残りの20%のうち、約16~18%を天然保湿因子(NMF)、約2~3%を皮脂膜が担っているといわれています。

従来は皮脂が表面をコーティングして水分蒸発を防ぎ、皮膚の潤いをもたらしていると考えられてきましたが、実際は細胞間脂質が最も重要であることが明らかになっています。

加齢でラメラ構造が乱れる

減少する画像 年齢を重ねて潤いがなくなった肌ではセラミドなどの細胞間脂質が少なくなるので、当然ラメラ構造も乱れてしまい、水分を保持できなくなって乾燥するようになります。細かな炎症が起こるようになってガサガサしたり、シミができやくなったりします。

20代を基準にいえば、セラミド量は40代では20代の半分、60代では20代の30%ほどまで低下してしまうとされます。

過剰スキンケアでもラメラ構造は安定しない

ピーリングのイメージ画像 ニキビの予防のためとして必要以上に顔を洗ったり、ターンオーバーを活性化したいとして何度もピーリングを行っていたりすると、結果的に肌老化を促すことになります。

ピーリングをしすぎると肌が薄くなっていきますが、薄くなった角質層では水分を保持することが難しくなります。当然、ラメラ構造も安定しません。肌は余計な負担を与えるほど老化は進行していきますので、過剰スキンケアはしてはいけません。

ラメラ構造を整える有効成分

ここからはラメラ構造を強化する優れた成分をご紹介していきます。乾燥を放っておくと目に見えない細かな炎症が起きていたりして、ラメラ構造の回復が難しくなりますので、基本的な保湿スキンケア必ず行って下さい。

セラミド化粧品は即効性がある

化粧品の画像 細胞間脂質の主成分であるセラミドを補うことで肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を整えてラメラ構造を正すことができます。セラミド配合の化粧品を塗ればわりと早く肌のキメが整うようになります。

ただし、セラミドは物質的に融点が高くてゴワゴワした成分であることから、化粧品に入れる場合は多くの乳化剤(油と水を融合させる成分)を配合する必要があります。問題はその乳化剤が肌のバリア機能を乱して逆に肌荒れにつながってしまうことがあることです。

乳化剤は言いかえれば界面活性剤のことですが、界面活性剤は角質細胞の細胞膜を崩して、角質が剥がれやすい状態にしてしまいます。例えば、セラミド化粧品を使ってアトピーが悪化してしまったり、敏感肌の人には肌に合わないといったケースも少なくないです。

セラミドクリーム(美容液)などのセラミド配合化粧品は、肌に合う人と合わない人がいることを覚えておいて下さい。なお、角質層が厚くて乾燥する人においてはセラミド化粧品が合っていると思います。一方で、皮膚が薄い人はセラミドは合わないことが多いです。

アミノ酸類(天然保湿因子の主成分)

皮膚の保湿機能のうち約16~18%は天然保湿因子(NMF)が担っているといわれます。その天然保湿因子の約40%がアミノ酸によるものです。

他には、グルタミン酸の代謝によって生じる保湿性の高いピロリドンカルボン酸PCA(ピロリドンカルボン酸)なども天然保湿因子として皮膚に多く含まれます。

それらが配合された化粧水を意識して使うことでラメラ構造の回復をもたらし、ガサガサした乾燥肌を改善することができると思います。
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ヘパリン類似物質

ヒルドイドローションとソフト軟膏の画像 ヘパリン類似物質は、多糖類として体内にも存在するヘパリンに似た働きをする物質で、保湿機能、血行促進作用、消炎作用などがある成分です。

ヘパリン類似物質は表皮の奥にまで届いて皮膚の生まれ替わりを活性化させます。それと同時に、セラミドや天然保湿因子(NMF)を増加させて乱れたラメラ構造を整え、肌を潤いのある美肌へと導きます。

この成分は即効性があるのが特長です。単純に乾燥による肌荒れや軽い炎症を起こしている場合は、ヘパリン類似物質が効果的です。

このヘパリン類似物質を主成分とした市販薬には、HPクリーム、HPローション、ヘパソフト、アットノンなどがあります。

そして、皮膚科の処方薬でもヘパリン類似物質を主成分とした保湿剤があります。ヒルドイド軟膏(クリーム、ローション)や、そのジェネリック医薬品であるビーソフテンクリームなどがそれに当たります。特にヒルドイドという保湿剤はとても有名ですね。

皮膚の乾燥による粉ふきやかゆみ、炎症などがある場合に保険適応で処方してもらうことができます。反対に、何も症状がないのに単純に美容目的で保険適応内で処方してもらうことはできません。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸の画像 ヒアルロン酸は、関節や皮膚などに多く存在するムコ多糖類の一種です。ヒアルロン酸は非常に保湿能力が高いことで知られています。

この成分は一般にコラーゲンなどと一緒に真皮層に多く存在しているといわれますが、実は表皮にも存在し、天然保湿因子(NMF)などと一緒に保湿機能を担っています。

表皮においてヒアルロン酸が増加すると、ラメラ構造が改善し、肌のキメが劇的に整うことがわかっています。ぜひヒアルロン酸配合化粧品を利用して乾燥肌の改善を実感して下さい。

ただし、ヒアルロン酸は水分吸収力が非常に高いので、付けすぎると皮膚の水分を奪ってインナードライ状態となってしまう可能性があります。グリセリンなどにも同じことがいえます。

ラフィノース

ラフィノースとは、自然界に存在するオリゴ糖の一種です。主にテンサイから抽出されます。そのラフィノースには、優れた保湿効果により角質層のラメラ構造を回復させて安定化させる働きが高いといわれています。(この情報はファンケルの研究報告によるものです)。

ただし、ラフィノース単独で十分に効果が得られるかというと実際は力不足なので、天然保湿因子(NMF)の主成分であるアミノ酸やヒアルロン酸などの成分と一緒に使ったほうがいいです。

ターンオーバーを正常化することも重要

ターンオーバーの仕組みの画像 皮膚の潤い環境を作り出すラメラ構造は、セラミドを中心とした細胞間脂質や、アミノ酸類を中心とした天然保湿因子のボリュームが重要になるのですが、セラミドは天然保湿因子はターンオーバーと共に作られます。

細胞間脂質といっても皮脂のように毛穴内の皮脂腺のようなところから分泌されるものではありません。セラミドは表皮細胞が作られる過程で作られるのです。

そのため、ラメラ構造が整ったキメ細かいキレイな肌を実現するためにはターンオーバー、つまり肌作りを活発にする必要があるのです。

肌のターンオーバーの周期は、若い時期は28~42日間といわれていて、その期間で表皮が入れ替わっているということですが、年齢を重ねるとそのターンオーバーが遅れていきます。

加齢によってターンオーバーが衰えることはある程度はしかたないことですが、それでもできるだけターンオーバーを活性化してセラミド(細胞間脂質)の増加を促す方法はいろいろあります。

運動をする、できれば筋力トレーニングが効果的

腹筋運動をする画像 運動をすることで成長ホルモンの分泌が活発になります。特に、身体への負荷がある筋力トレーニングをすると、回復させるために成長ホルモンがたくさん分泌されるようになります。そして、身体が疲れますので、その日の睡眠においても成長ホルモンの分泌がよくなります。

軽い乾燥肌くらいならば筋力トレーニングを続けることでセラミドの合成が高くなり、乾燥を感じなくなるくらいに肌の潤いが改善されることも多いです。筋トレは腕立て伏せ、腹筋、ダンベル運動などの一般的なもので十分です。

睡眠をしっかりとる

睡眠・寝ている画像 成長ホルモンがたくさん分泌されるのは寝ている時です。この時にしっかり睡眠をとらなければ、肌のターンオーバーが滞り、セラミドやその他の細胞間脂質も不足して乾燥やシミ、くすみをまねくようになります。角質層のラメラ構造も回復しません。

睡眠の質を高めるには、紫外線を避けながら日中に光(窓ガラス越しの光でもOK)をたくさん浴びたり、活動的に行動することで夜はぐっすり眠れるようになります。夜型の生活の人は改めましょう。

また、食後すぐに睡眠したりすると血糖値の関係で成長ホルモンの分泌が悪くなります。食後から4時間以上あけて就寝しましょう。

ストレスは溜めない

ストレスや悩みをもつ女性の画像 ストレスを受けると成長ホルモンの分泌が悪くなることがわかっています。そして、ストレスはセラミドの合成を低下させて乾燥をまねくことがわかっています。

また、ストレスはサブスタンスPという情報伝達物質の発生を促し、皮膚の炎症を誘発してしまう要因となります。サブスタンスPはヒスタミンを活性化させてアトピー悪化の原因にもなります。

現代社会でストレスをゼロにするのは難しいかもしれませんが、できるだけ発散させるようにして下さい。運動、おしゃべり、睡眠、お風呂、音楽を聴く、好きなことに集中する、などでストレスは大幅に改善します。

紫外線は避ける

強い紫外線の画像 紫外線は肌細胞にダメージを与えます。特にダメージ力が強いUVBは、ミトコンドリアDNAを損傷させて、表皮細胞の分裂を悪くしたり、セラミドや天然保湿因子の合成を妨げたりします。

年齢を重ねるほど紫外線によるダメージを回復する力が弱くなりますので、肌年齢が気になる人は強い紫外線が降り注ぐ環境にいるときは必ずUVケアをして下さい。

栄養やビタミンも不足しないようにする

バランスの良い食事の画像 健康的な肌作りのためには、バランスのよい食生活をおくることが重要です。特に、皮膚はタンパク質でできていますので、たんぱく質は不足しないようにして下さい。

また、ビタミンなども肌のターンオーバーにとって不可欠です。特にビタミンB2やB6、ビタミンCなどはターンオーバーとセラミドの合成に深く関係しているので絶対に不足してはいけません。不足が気になる人はマルチビタミンなどのサプリメントを利用しましょう。

他にも、ミネラル不足もターンオーバーを悪化させます。特に亜鉛は肌作りに関与する酵素の主成分として多く関わっていて、しかも現代人に不足しやすいミネラルといわれるので意識して摂取したいところです。亜鉛は、牡蠣(かき)、貝類、牛肉、豚肉、鶏肉、納豆などに多く含まれます。

偏食やダイエットが続くほど栄養不足になります。こころあたりのある人は意識的に食事を工夫してみて下さい。

コレステロールは不足しないようにする

食事の画像 ラメラ構造を作りだす細胞間脂質の約50%はセラミドですが、約30%はコレステロールです。そのため、コレステロールが不足するような食生活はカサカサ肌をまねいてしまいます。

乾燥肌に悩む人は、健康志向すぎる食生活(例えば野菜中心の食生活)や、コレステロールを減らす食品の過剰摂取には注意して下さい。

L-システイン

ハイチオールCの画像 L-システインは、皮膚や髪の毛、爪などにも多く存在するアミノ酸の一つです。体の内側から肌作りをサポートする働きがあり、ターンオーバーを活発にして表皮細胞の増加を促し、セラミドを増やします。

一般にシミに効く成分として認識されていますが潤いもアップさせる成分でもあります。

市販薬のLシステイン配合薬では、ハイチオールCなどが有名です。皮膚科でもハイチオール錠というLシステインを主成分とした飲み薬が敏感肌やアトピー肌に対して処方されることがあります。(症状があれば保険適応です)。

セラミドを増やす食品成分

ここからはセラミドを増やすように働く食品や成分をご紹介していきます。

ベータカロテン

緑黄色野菜の画像 主に緑黄色野菜に多く含まれる赤橙色の色素成分であるベータカロテン(βカロテン)にはセラミドの合成をアップする働きがあるといわれています。ラメラ構造を正常化して潤いとバリア向上をもたらします。

ベータカロテンは、体内でビタミンAに変換されて働く効果や、抗酸化作用としての作用もあります。βカロテンの抗酸化作用はビタミンEの50倍といわれています。そのβカロテンは主にニンジン、しゅんぎく、ほうれん草、トマト、カボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれます。

ベータカロテンが多い食品・食材100g当たり

ニンジン:9100μg、モロヘイヤ(生):9400μg、しゅんぎく:4300μg、ほうれん草(生):4200μg、かぼちゃ:3800μg、ニラ:3600μg、小松菜(生):3100μg、ブロッコリー:780μg、トマト:600μg、緑ピーマン:420μg。

こんにゃく

こんにゃくの画像 食品からセラミドを摂取することで、皮膚のセラミド量もアップするといわれています。セラミドを摂取しても肌への影響はないのではないかと指摘されていましたが、実際にセラミドを摂取すると肌のセラミド量が増加することが確認されています。

セラミドが多く含まれる食品は、こんにゃく、黒ごま、ひじき、ごぼう、小麦、大豆、キビ、ほうれんそう、米などです。 特にこんにゃく芋にはセラミドが多く含まれています。