摩擦黒皮症の原因と治療方法とは?

背中の摩擦黒皮症の画像 摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)とは、皮膚が繰り返し摩擦刺激を受けることでメラニン色素が皮膚に沈着して、黒ずんでくる症状をいいます。ナイロンタオルやボディブラシなどによって繰り返し刺激を受けることで引き起こされることが多いことから「ナイロンタオル色素沈着症」ともよばれます。

摩擦黒皮症の原因と特徴

原因は?

真皮に入り込んだシミの画像 皮膚が繰り返し受ける物理的な摩擦刺激によってメラニン色素が生成され、それによって黒ずみを起こすことが原因です。普通の色素沈着と違うところは、通常は表皮層に存在するメラニン色素が、黒皮症の場合は繰り返し摩擦刺激を受けることでメラニンが真皮層の入り込んでしまうことです。

真皮層に落ち込んだメラニンの沈着は改善にまで時間がかかったり、なかなか治りにくい傾向があります。

発生要因

  • ナイロンタオルやボディブラシを使ったゴシゴシ洗い。乾布摩擦。
  • サイズが合っていない、きつい下着の着用。

発生しやすい部位

皮膚に刺激を与え続けると、一部分を除いて全身どこにでも発生する可能性があります。骨が隆起した部分に発生しやすいといえます。

形状・色

境界が不明瞭な黒ずみで、色は淡い褐色~黒褐色。

その他の特徴

  • 背中をナイロンタオルでゴシゴシ洗っていると色素沈着を起こしていることに気づくのが遅れ、黒皮症を悪化させているケースがあります。
  • メラニンが多い人は発生しやすい。下着の跡も残りやすい。
  • 白人の人や色白の人では元々メラニン色素が少ないため、摩擦黒皮症が起きにくい。

摩擦黒皮症の治療法

表皮に存在するメラニンはハイドロキノン

ハイドロキノンクリームの画像 黒皮症はメラニン色素が表皮だけではなく、真皮層にも落ち込んだ状態ですが、表皮性の色素沈着には美白剤による改善が期待できます。表皮のメラニンの沈着を改善するだけで、肌に透明感が出てくるため、全体的に色素沈着が薄くなっていきます。美白剤は様々な成分がありますが、特にハイドロキノンが有効です。

ハイドロキノンとは、強力な還元作用がある美白剤で、チロシナーゼの働きを強力に阻害する働き、メラニンそのものを薄く淡色化する働き、メラニン色素を作り出すメラノサイトの働きそのものを抑制する働きなどがあり、短期間で色素沈着を改善することができるといわれています。

ただし、強力な還元作用がある反面、酸化されやすい性質があり、劣化したものは皮膚への刺激が強くなって、かえって肌トラブルによる色素沈着を起こす可能性もあります。そのため、新鮮なものをできるだけ早期に使用する必要があります。安定型ハイドロキノンでは、酸化の問題が軽減されて従来よりも安全に使用できるようになっています。

ハイドロキノンは、店頭、通信販売、または一部の皮膚科で処方してもらうことができます。

レーザートーニング(スタックトーニング)

レーザートーニングとは、肌に対して負担が少ないレーザーを低出力で照射し、色素性病変などを穏やかに改善していく治療法です。均一に照射する「トップハット型」のQスイッチ・ヤグレーザーを使用することで肌へのダメージを与えることなく行える治療です。

トップハット型とガウシアン型

レーザートーニングのイメージ画像 従来は「ガウシアン型」といわれる照射で、これはレーザー照射の中央部分のダメージが強くなり、それによって炎症性色素沈着を起こすことがありました。

レーザートーニングで使用されるトップハット型といわれる照射では、レーザーエネルギーが皮膚に対して均一であるため、ダメージにムラがなく、局所的に強いダメージを受けるようなことがなくなります。

Qスイッチ・ヤグレーザー

Qスイッチ・ヤグレーザーは、ナノ秒レベルで照射できる1064nm(ナノメートル)のレーザー機器です。照射時間が劇的に短いので皮膚に対する負担が少ないメリットがあります。

均一で照射できるトップハット型で、ナノ秒単位で照射できるQスイッチ・ヤグレーザーを低出力で照射することで、レーザーによる色素沈着を起こすことなく少しずつメラニン色素を減らしていくことができます。一度の治療では劇的な効果はありませんが、治療回数を重ねることでしだいに効果を実感できます。

レーザートーニングは、従来ではレーザー治療が難しかった肝斑という女性特有のしみに使用されることで有名です。ダウンタイムがなく、安全に治療できることからこの治療を導入するクリニックも増加しています。