悪性黒色腫(メラノーマ)の原因と治療方法

メラノーマ(悪性黒色腫)の画像 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)とは、メラニン色素を作り出すメラノサイト(色素細胞)が悪性化することによって引き起こされる悪性腫瘍です。皮膚がんの一つです。「メラノーマ」とも呼ばれます。

悪性黒色腫(メラノーマ)の原因と特徴

原因は?

表皮基底層に存在し、メラニン色素を作り出すメラノサイトという色素細胞が紫外線や物理的な刺激によって細胞が変性し、悪性化することが発症原因とされています。物理的刺激の影響と紫外線ダメージの2つの影響が大きな要因です。悪性黒色腫の発症が高い地域はオーストラリアで、この地域はオゾン層の影響で非常に強い紫外線が降り注いでいることから、紫外線の影響が大きな要因だと考えられます。また、遺伝的な影響も関係しているといわれています。

発生しやすい部位

  • 全身の皮膚に発生する可能性がありますが、特に足底(足の裏)に多い。
  • 顔面、体幹、爪なども発生確率が高い。
  • 皮膚が下着などですれるところ。
  • 外傷を受けた部位に発生することもあります。
  • まれに皮膚だけでなく粘膜にも発現することがあります。

その他の特徴

  • 年齢では60~70代から増加します。男女差は大きくありませんが、男性のほうが早く発症する場合が多い。
  • 初期段階のものは、普通のホクロとの区別が難しい。
  • 治療が遅れるにしたがって、リンパ節に転移し、肝臓、肺、脳などの器官に転移する可能性が高くなります。
  • 悪性黒色腫は、全身どこにでも転移する可能性があります。
  • 人種的には、有色人種は発症率が低く、白人種は極めて罹患率が高い。
  • 日本人を含む黄色人種(モンゴロイド)には発症率が低い。
  • 紫外線を浴びる機会が多いほど、罹患率が明確に高い。
  • 日焼けマシーンを使用している人ほど、メラノーマの発症リスクが高くなる。

悪性黒色腫の形状・色【判断の目安】

医師がほくろを診断する画像 悪性黒色腫(メラノーマ)を診断する際にはABCDEという判断基準があります。それが判断の目安になります。

  • Asymmetry(非対称)・・・形状がいびつ。
  • Border(輪郭)・・・境界不明瞭ではっきりしていない。
  • Color(色)・・・色素がまだら、色に均一性がない。
  • Diameter(径)・・・統計的に長径6mm以上。
  • Elevation(隆起)・・・日本人の場合はほぼ全てのケースで病変部の隆起がみられる。

しだいに大きくなったり色が濃くなったりして直径が5~6mm以上になると要注意とされます。

悪性黒色腫の予防方法

  • 紫外線を浴びないようにする。
  • ホクロやしみに対して、物理的な刺激を与えない。(ホクロやしみは、皮膚細胞が変化してしまって引き起こされるため、それに刺激を与えることはよくありません。
  • ホクロや濃いしみが大きくなってきた場合は、早めに皮膚科を受診したほうが無難です。
  • 足の裏などの慢性的に物理的な刺激を受けやすいところにホクロや濃いしみがある場合は、早めにホクロを取ったほうが無難です。

悪性黒色腫(メラノーマ)の治療方法

悪性黒色腫は手術による切除が基本です。そして、ガン転移の進行に応じて抗がん剤による化学療法、免疫療法などを組み合わせた治療が行われます。

手術による切除(全摘出)

悪性黒色腫が疑われる場合は、手術によって病変部よりやや広範囲に切除してしまう治療が第一選択肢です。そして、取り除いた病変部を病理組織検査(皮膚生検)します。より早期に発見して、早期に取り除いてしまうことが非常に重要です。

抗がん剤による化学療法

病変部を全摘出した後に再発と転移を防ぐ目的で抗がん剤による化学療法が行われます。静脈内注射薬を数種類組み合わせて行われ、病状の進行によって抗がん剤治療を繰り返す必要があります。

インターフェロン治療

インターフェロンとは、ウイルス増殖阻止、細胞増殖の抑制、免疫系の調整、炎症抑制などの働きをするサイトカインの一つです。悪性黒色腫による転移は、皮膚転移のみの場合があり、インターフェロンという免疫療法が皮膚転移に対して効果があることがわかっており、皮膚転移に直接注射することである程度の成果があるとされます。インターフェロンによる免疫療法は、他の治療と組み合わせて行われます。