遺伝子研究の進歩による美白化粧品開発の変化とは?

現在では様々な美白成分が開発されて広く認知され、市販化粧品にも配合されるようになりましたが、その美白成分の開発の経緯には多くの段階があります。

安全な美白成分を開発するには長い期間を要し、大手メーカーを中心に現在も美白剤の研究と開発がすすめられています。

美白成分の研究開発の段階

1980年代~1980年代までは、メラニン色素の合成を促すチロシナーゼという酵素を阻害する成分の研究と開発が進んだ時代です。

1990年代~1990年代からは、シミがある部分と他の正常な皮膚細胞との違いに着目した研究が進みました。

2000年代~2000年代からは、しみがある部分の皮膚の遺伝子研究が進んでいます。

シミ、肝斑などの色素沈着は、単にメラニン色素が過剰生成されて発現するものではなく、皮膚細胞レベル、遺伝子レベルの問題で発生していることがわかり、現在では遺伝子研究のもとで安全で高い効果のある美白剤の開発が進められています。

初期の美白成分開発はチロシナーゼ阻害効果に着目されていた

初期段階の美白成分の研究は、シミやくすみの原因となるメラニン色素がチロシナーゼという酸化酵素によって合成されることに着目して、様々な美白成分の開発が進みました。

この時期では、シミが皮膚に沈着してしまう原因よりも、いかにメラニン色素の生成を抑制するかということが重視されていた時期です。

チロシナーゼ酵素を阻害する美白成分には、エラグ酸、コウジ酸、アルブチン、ビタミンC誘導体、ルシノール、油溶性甘草エキス(グラブリジン)、プラセンタエキスなどがありますが、そのうちの多くがこの時期に開発されたものです。

シミ部分での皮膚細胞の研究が進む

1990年代から2000年代にかけて、紫外線などの影響で表皮基底層内のメラノサイトがどのようにして活性化してチロシナーゼを活性させるのかという研究が進みました。

そして、メラノサイトを活性化させるのは、紫外線などのダメージによって生み出された情報伝達物質によるもので、その情報伝達物質の働きを阻害する成分開発が進みました。

この研究によってカモミラET(カモミラエキス)やトラネキサム酸などの美白剤が開発されています。カモミラエキスは、エンドセリンというメラノサイトに働きかけてチロシナーゼ酵素を活性化させる情報伝達物質で、カモミラエキスには、エンドセリンの働きを阻害する作用があります。

また、トラネキサム酸は、メラノサイトを活性化させる情報伝達物質の働きを阻害する作用や抗炎症作用により、皮膚の炎症をしずめてメラニンの生成を抑制します。

それまでのメラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素を阻害するのではなく、違うアプローチで美白作用を示す成分の研究が進んだ時期です。

遺伝子研究によって美白成分の開発が進む

2000年代以降は特に皮膚の遺伝子研究が進み、遺伝子レベルでなぜシミが発生するのか、そのメカニズムの研究が進んで成果をあげています。これは、医学の世界において遺伝子研究が全体的に劇的に進んだことによるものです。

遺伝子レベルの研究により、一般的なシミがある部分には、遺伝子異常があり、慢性的なターンオーバー異常も確認され、その結果としてメラニンが排出されずに残ってしまうことが明らかになっています。また、遺伝子異常により、繰り返し発生する皮膚炎の要因も明らかになってきています。

美白成分の「4MSK」などは、シミの部分が慢性的に角化異常を起こしていることに着目して資生堂が開発した成分で、厚生労働省から医薬部外品の有効成分として認可されています。これは遺伝子研究が進んだ結果として開発された成分といえます。