アトピー性皮膚炎によるしみ、色素沈着、黒ずみの治し方とは?

アトピー性皮膚炎の画像 アトピー性皮膚炎による皮膚の慢性的な湿疹によって色素沈着を引き起こすことがあります。これは炎症後色素沈着症の一つで、ステロイド外用薬を避けた中途半端な治療になると、色素沈着を起こす可能性が高くなります。

アトピー性皮膚炎と色素沈着について

皮膚炎が起こるとメラニンが作られる

アトピー性皮膚炎などのように皮膚に湿疹が発生すると、皮膚は防御反応のためメラニン色素の生成を促し、炎症部分はメラニン色素が沈着することがあります。これを「炎症後色素沈着」といいますが、湿疹が強かったり、湿疹が続いた期間が長いほど色素沈着が残りやすいです。

メラニンが真皮層に入り込む

真皮層のメラニン画像・写真 メラニン色素は、表皮内最下層の基底層というところのメラノサイト(色素細胞)で作られます。通常、表皮内で作られたメラニン色素はターンオーバーによって古い角質(垢)となって剥がれていきますが、皮膚が炎症を起こしているときには、メラニン色素が基底層よりも下層の真皮層(コラーゲンやエラスチンなどがある層)に落ち込んでしまうことがあります。

これは、皮膚の炎症によって基底層の基底膜が乱れ、通常はメラニンが入り込まないような部分にまで及んでしまうためです。

アトピー性皮膚炎による色素沈着は治りにくい?

メラニン色素が真皮層に入り込んだような色素沈着の場合、改善にまで数年の時間がかかることがあります。年月を重ねるほど薄くなっていく可能性はありますが、色素沈着がひどい場合は、レーザー治療によって劇的に改善できる可能性があります。

ステロイド外用薬で色素沈着を起こす?

ステロイド外用薬ロコイド(ヒドロコルチゾン) ステロイド外用薬を使うと、副作用として色素沈着を引き起こすという認識を持っている人は少なくないですが、実際にはステロイドで色素沈着を起こすのではなく、アトピーによる皮膚の炎症によって色素沈着を起こすのです。ステロイド軟膏の副作用を恐れて、炎症がおこっているのに脱ステロイド治療を行っていると、炎症が長引いて色素沈着をまねくことがあります。

ただし、ステロイドの副作用の一つに毛細血管が弱くなって拡張してくるというものがあり、ステロイドの長期間の使用継続によって皮膚が赤みを帯びてくるという副作用が起こることもあります。特に、顔は皮膚が薄いためステロイド外用薬の副作用が現れやすいので慎重に扱う必要があります。

アトピー性皮膚炎の色素沈着に対するレーザー治療

レーザートーニング(スタックトーニング)

トップハット型レーザーのイメージ画像・写真 レーザートーニングとは、「トップハット型」といわれる均一に照射できるQスイッチ・ヤグレーザー(波長1064nm)を用いた治療です。

従来のレーザーは「ガウシアン型」といわれる照射で、照射部位の中央部分に強いダメージがあり、これによってかえって皮膚の炎症を引き起こす問題がありました。トップハット型は照射部位がムラのない均一に照射できるもので、皮膚に対するダメージが抑えられています。

また、Qスイッチ・ヤグレーザーとは、ナノ秒単位という瞬間的に照射できるレーザーで、照射時間が一瞬であるため、皮膚に対するダメージが抑えられています。

トップハット型のQスイッチ・ヤグレーザーを低出力で照射することでアトピー性皮膚炎のような敏感肌においても、ダメージを抑制しながら色素沈着を軽減させることができます。弱い出力で照射するため、一回の治療では劇的な効果はありませんが、治療を繰り返すことで確実に効果は現れます。治療回数は4~5回が目安です。

レーザートーニングは、主に肝斑という女性特有のしみ治療に用いられることで有名です。照射部位に穏やかに作用することからデリケートな部分の色素性病変に使用されます。

注意点・問題点・副作用

  • 治療によって瘡蓋(かさぶた)になったりすることはありません。穏やかな治療です。
  • アトピー性皮膚炎の皮膚はデリケートなので、そもそもレーザー治療が向かないことがある。レーザーのダメージによって症状が再発する可能性がある。
  • アトピー肌に対してレーザー治療を行うのは、肌トラブルを引き起こす可能性があることから、レーザー治療に否定的な医師もいます。
  • アトピー性皮膚炎が完治してから数年経過して、再発のリスクがみられない段階になってからレーザー治療は行うべきです。