手の甲のしみ・腕のしみの治し方とは? 治療方法を解説

手の甲の画像 手の甲のシミは年齢が現れる部分です。顔と同じように紫外線の影響を受けやすいところで、日焼け対策も忘れがちになる部分なので、老人性のシミができやすい部分です。

また、手は多くの刺激を受ける部分なので、それによってシミができやすいといえます。

手の甲のしみの特徴

手の甲のしみは老人性色素斑(日光黒子)

手の甲に発現するしみは、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)、または日光黒子(にっこうこくし)といわれる老化現象によるシミであることがほとんどです。これは主に紫外線の影響によって肌細胞が老化・変質し、ターンオーバーそのものが乱れてシミが排出されずに皮膚に残ってしまうことが原因です。

老人性色素斑は、進行すると脂漏性角化症(老人性疣贅)という盛り上がりをともなったイボ状のしみになることがあります。

油料理による手しみ

油料理をしている時に、油が手や腕に飛び散ってそのまま放置していると、シミになることがあります。高温になった油が皮膚にダメージを与えることや、酸化して不安定になった油による刺激によってシミができることがあります。

手の甲のしみは美白剤では効果がない?

手の甲のしみは、一般的な美白化粧品では改善しにくい傾向があります。手の甲は角質層が厚いため、美白成分が浸透しにくい傾向があることや、顔のようにターンオーバーが活発なところではないため、シミが排出されにくいことなどが要因です。

そして、そもそも老人性のしみというのは皮膚細胞そのものが変化してしまっていることがあるので、美白化粧品などでは思うような効果が得られないことが多いです。

ただし、しみの状態によっては、ハイドロキノンとトレチノインを併用した治療によって効果が期待できます。

手の甲のシミ消し治療

ハイドロキノンとトレチノインの併用治療

境界線がはっきりしないモヤモヤとした手の甲の薄いシミには、ハイドロキノンという美白剤と、トレチノイン(レチノイン酸)という薬剤を組み合わせた治療が有効です。

ハイドロキノン

ハイドロキノンの画像 ハイドロキノンとは、メラニン色素を合成するチロシナーゼ酸化酵素を阻害する作用、すでにできてしまったシミを薄くする還元作用、メラニン色素を作りだすメラノサイトの活動抑制作用などをもつ強力な美白成分です。

速効性があることから「肌の漂白剤」ともいわれます。しみ治療として皮膚科で処方されることも多いです。

トレチノイン

トレチノインの画像 トレチノイン(レチノイン酸)とは、レチノール(ビタミンA)の数十倍もの生理活性があるビタミンA誘導体の一つで、表皮角化細胞の増殖を促してターンオーバーを促進させ、メラニン色素の排出を促す効果があります。

ハイドロキノンの美白作用とトレチノインのターンオーバー促進効果によってしみ、色素沈着の改善が期待できます。

ただし、濃くなったシミの場合は、この治療においても期待したような効果は得られないかもしれません。老人性しみは表皮角化細胞そのものが変化してしまっているため、光治療やレーザー治療などのほうが全体的な治療期間や治療費用を抑えることができことも多いです。

フォトフェイシャル(IPL)

フォトフェイシャル(IPL)を照射する画像 フォトフェイシャル(IPL)とは、インテンス・パルス・ライトという可視光線を中心とした幅広い波長をもつ特殊な光を使った光治療機器です。幅広い波長をもち、シミ、そばかす、色素沈着、しわ、小じわ、たるみ、顔の赤み(赤ら顔)、ニキビ跡、毛穴の開きなどの様々な肌トラブルを同時に改善することができます。

ただし、IPLではレーザー治療のような速効性はなく、穏やかに作用するため、シミ治療の場合は通常は複数回繰り返す必要があります。一般に4~5回ほどの治療を繰り返すことで手の甲のしみは薄くなって消えていくことが多いです。

フォトフェイシャルは安全に効果を得ることができることから多くの皮膚科で導入されています。

Qスイッチ・レーザー

老人性のしみには、Qスイッチレーザーが有効です。Qスイッチレーザーとは、高出力のエネルギーをナノ秒単位で照射できるレーザーです。照射時間が劇的に短いため、高い出力でも肌へのダメージを抑制できるメリットがあります。Qスイッチ・レーザーには、「ルビーレーザー」「アレキサンドライトレーザー」「ヤグレーザー」があります。

Qスイッチ・ルビーレーザー

波長694nm(ナノメートル)のレーザー。メラニン色素などの黒い色素によく反応するレーザーです。また、血管への作用が少ない波長で、正常な部分へのダメージを抑制しながら治療できます。シミ消し治療に対して一般的に用いられることから「シミとりレーザー」ともいわれます。

Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー

波長755nmのレーザー。メラニンへの反応がよく、血管などの組織には反応しにくいのが特徴です。ただし、導入している病院はあまり多くありません。

Qスイッチ・YAG(ヤグ)レーザー

基本波1064nm、半波長532nmのレーザー。1064nmという長い波長により、皮膚の深い部分への色素性病変に用いられます。もともとはタトゥーのような皮膚の深い部分に入り込んだ色素を消すために開発されたレーザーです。

レーザー照射後数日で薄い瘡蓋(かさぶた)ができますが、色素沈着を予防するために、ワセリン軟膏などで皮膚を湿潤状態で保護して肌の再生を促します。また、美白剤の塗布も有効です。