アトピー肌がニキビ・吹き出物ができにくい理由

アトピー性皮膚炎の画像 一概にはいえませんが、アトピー性皮膚炎の人はニキビや吹き出物ができにくい傾向があります。

多くの人は思春期になると皮脂分泌が増加してニキビに悩む経験をしたことがあると思いますが、アトピー性皮膚炎の多くの人は、ワセリンをベタベタ塗ってもニキビができにくいとされます。

それはアトピー性皮膚炎の肌質が大きく関係しています。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎の写真 アトピー性皮膚炎とは、皮膚にかゆみをともなう湿疹が、悪化と軽快を繰り返す皮膚病です。主にアレルギーが関係しているとされます。アトピー性皮膚炎の定義は以下のようなものがあげられます。

  • 発疹とともにかゆみがある。
  • ひじの内側、膝の裏側、胴体、首、耳まわり、口のまわり、目のまわりに多発し、左右対称性がある。
  • 症状が繰り返し引き起こされ、症状が数ヶ月以上の長期に及ぶ。
  • アレルギー素因をもつ。(自分だけではなく、家族内にアトピー患者や、ぜんそく、アレルギー性鼻炎などをもつ人がいる場合)。

かゆみのある湿疹が3ヶ月以上続けば、基本的にアトピー性皮膚炎と判断されると思います。

アトピーの人は皮脂が少ない?

皮脂 アトピー性皮膚炎の肌質の特徴の一つが、多くの人は極端に皮脂分泌が少ないことです。

乳幼児期のアトピーはジュクジュクした状態が多いですが、成長するほど乾燥してカサカサした状態になります。それは慢性的な炎症が関与していたりもします。

アトピー肌は皮膚が乾燥していることからワセリンなどの油分を使った保湿スキンケアが不可欠なことがほとんどですが、皮脂分泌が少ないため、ワセリンをベタベタ塗ってもニキビができにい特徴があります。

皮脂とワセリンは同じ油分でも、ワセリンには刺激がほとんどありませんが、皮脂の場合は遊離脂肪酸という物質が含まれ、それが皮膚を刺激することで毛穴がつまり、ニキビができてしまうのです。皮脂そのものが少ないため、ニキビができにくいのがアトピー性皮膚炎の特徴です。

アトピー性皮膚炎患者は皮膚が薄い?

女性の肌の悩み アトピー肌の多くは、皮膚が薄くて角質層のバリア機能が弱い傾向があります。バリア機能が弱いことから、アレルゲンの侵入を容易にし、慢性的な湿疹を繰り返しているのではないかといわれています。

一方で、アトピー肌は皮膚が薄くて角質層を作り出す働きが弱いことから、角質肥厚を起こして毛穴がつまるという現象が起こりにくいといえます。その要因がニキビが少ない原因の一つだと考えられます。

すでに炎症が起こっている

女性看護師の画像 アトピー肌のような炎症が慢性的に起こっている肌では、ニキビができにくい傾向があります。

ニキビはアクネ菌の増加によって免疫が反応して赤く腫れ、最終的には白血球が活性化してアクネ菌を攻撃することでニキビが治っていきますが、炎症が起こっている肌ではすでに白血球が活性化しているため、アクネ菌が増加しにくく、ニキビができにくい傾向があります。

アトピー肌はターンオーバーが早い

皮膚の構造とターンオーバー アトピー肌は通常よりも早くターンオーバーが行われているといわれています。

ターンオーバーとは、表皮細胞が作られて最後は古い角質となって剥がれているサイクルをいい、一般に若い人では28~42日周期で行われているといいます。(年齢を重ねるとさらにターンオーバーは遅くなります)。

アトピー肌は通常よりも早くターンオーバーが行われている傾向があり、角質が厚くなって毛穴がつまる前の早い段階で角質が剥がれていくため、毛穴つまりからニキビ・吹き出物ができるという現象は起きにくいようです。

ステロイド外用薬でにきびができることがある

ステロイドニキビの画像 アトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイド外用薬で皮膚の炎症を素早くしずめ、湿疹がコントロールできた後はワセリンなどで皮膚を保護するスキンケアが一般的です。

ステロイドには副作用があることから「脱ステロイド」として使用しない人もいますが、炎症が長引くとかえって治りにくくなることがあるため、基本的に湿疹が続いた場合はステロイドを使うべきとされます。

ステロイド外用薬の消炎作用には即効性がありますが、一方でニキビを引き起こす副作用があります。

ステロイド外用薬が免疫を抑制することにより、それまで免疫によって抑制されていたニキビ菌(アクネ菌)が増加することでステロイドニキビが発生してしまうと考えられいます。

ただし、ステロイド外用薬の副作用によるニキビは比較的軽度のものがほとんどで、あまり炎症が大きくなることはありません。使用を中止すれば治っていきます。

ステロイドニキビの治療法

リンデロンVGクリーム、軟膏、ローションの画像 アトピーの人でステロイドニキビが強く腫れた場合、抗生物質とステロイドが配合された塗り薬を使用してアトピーの湿疹を治しながらニキビも治すこともできます。抗生物質はニキビの原因菌であるアクネ菌を抑制する働きがあります。

ステロイドと抗生物質がともに含まれる塗り薬には、リンデロンVGや、そのジェネリックのデルモゾールGなどがあります。皮膚科で処方してもらいましょう。市販薬にはフルコートfなどがあります。

そして、抗生物質は薬剤耐性の問題があり、使い続けると効きにくくなることがあります。しっかりとニキビの腫れを抑制してお薬を中止して下さい。中途半端な治療は耐性菌を出現させてしまいます。