デュアック配合ゲルのニキビ治療効果。使い方や副作用の危険性

デュアック配合ゲルの画像 皮膚科で処方されるニキビ外用治療薬に「デュアック配合ゲル」という塗り薬があります。

デュアック配合ゲルは、殺菌作用やピーリング作用がある「過酸化ベンゾイル(BPO)」と、リンコマイシン系抗生物質の「クリンダマイシン」の2つを有効成分としたニキビ治療の塗り薬です。

ともにアクネ菌を減少させる効果がある成分を2つ組み合わせることで、より早期にニキビの炎症や腫れを抑えることができます。

今回はデュアック配合ゲルのニキビ改善効果や、副作用の問題などを解説してきます。

デュアック配合ゲルの2つの有効成分

デュアック配合ゲルは「クリンダマイシン1%」と「過酸化ベンゾイル3%」の2つの有効成分で構成されます。

ベピオゲルとダラシンTゲルを組み合わせたデュアック配合ゲル 過酸化ベンゾイルは皮膚科で処方される「ベピオゲル2.5%」という塗り薬の主成分です。一方、クリンダマイシン1%は、ダラシンTゲルという処方薬の主成分です。

つまり、デュアック配合ゲルは、ベピオゲルとダラシンTゲルを組み合わせたニキビ治療薬だと考えることができます。

2つの成分を組み合わせることで炎症が進行した赤ニキビに対して相乗効果を得られ、より素早くニキビの炎症を治すことができると考えられます。ただし、組み合わせることで副作用が増える欠点もあります。

有効成分1過酸化ベンゾイル3%(BPO)

過酸化ベンゾイルは、酸化剤の一つで、ニキビに対しては殺菌的に作用します。なぜ酸化剤が殺菌作用があるのかというと、ニキビの炎症をもたらすアクネ菌などの細菌は嫌気性菌という空気(酸素)を嫌う性質があるためです。

酸化剤である過酸化ベンゾイルをニキビに塗ると、それが分解される過程で活性酸素を発生し、嫌気性であるアクネ菌を死滅させることができます。

さらに過酸化ベンゾイルは角質細胞どうしを結合させるコルネオデスモソームという物質の働きをゆるめてバリア機能を緩め、過酸化ベンゾイルの浸透性がより高くなる利点があります。それによって病巣にしっかりと殺菌作用をもたらすことができます。

また、角質を緩めることで角質を剥がれやすくする作用(ピーリング作用)をもち、分厚くなった角質を剥がれやすくしてニキビの原因となる毛穴つまりを解消します。

有効成分2クリンダマイシン1%(抗生物質)

デュアック配合ゲルのもう一つの有効成分がクリンダマイシンです。従来まで皮膚科でよく処方されていたダラシンTゲルという塗り薬の主成分です。

クリンダマイシンはリンコマイシン系の抗生物質で、細菌のたんぱく質の合成を阻害する働きがあり、ニキビの原因となるアクネ菌などの細菌の増加を抑制し、免疫反応をしずめてニキビの腫れ・炎症を治します。

デュアック配合ゲルのニキビ減少率

デュアック配合ゲルが炎症性ニキビにどれくらい効くのか?国内の臨床実験で、赤ニキビがある患者296人にデュアック配合ゲルを試したところ、赤ニキビの減少率は2週間で平均62.5%、12週間で平均88.6%減少だったと報告されています。

海外の試験においても過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンを組み合わせた治療はとても良い効果が得られることが実証されています。

デュアック配合ゲルが有効なニキビ

デュアック配合ゲルは一般に炎症が強い赤ニキビ、化膿ニキビなどに使用されます。白ニキビや炎症のない黒にきびなどの軽い症状には使用しないのが一般的です。

デュアック配合ゲルには抗生物質が含まれ、抗生物質には耐性菌が生じて薬が効きにくくなる可能性があるため、すぐ治ってしまうような軽度のニキビにはデュアック配合ゲルは使用しないのが基本です。

デュアック配合ゲルの塗り方と使用方法

薬を塗る画像 デュアック配合ゲルの使い方は、洗顔後に患部に適量塗るだけです。できるだけニキビの部分からはみ出さないように塗ります。予防として広範囲に塗ってはいけません。

使用回数は1日1回、夜に塗ります。紫外線を避けるため夜に塗るのが理想です。日中に塗った後は紫外線対策が必要です。

使用上の注意点

  • デュアック配合ゲルは、口や目の周りは避けて塗ります。口や目の周りに付着してしまうと口角炎・眼瞼炎を起こす可能性があります。これは過酸化ベンゾイルの作用によるものです。
  • 薬でかぶれ、湿疹、かゆみを起こした経験がある人は注意が必要です。
  • 妊娠中、授乳中は使用を控えたほうが無難です。妊娠中(特に初期)はホルモンバランスが変化する影響で色素沈着を起こしやすくなります。

保管方法

デュアック配合ゲルは、しっかりとキャップを占めて直射日光が当たらない冷暗所に保管します。基本的に温度が高くなるところに置いてはいけません。

有効成分の一つである過酸化ベンゾイルは温度が高いところや紫外線によって成分の分解が進行しやすくなります。気温が高くなる夏場は、冷蔵庫保管が理想です。

購入するには?

デュアック配合ゲルは皮膚科を受診して処方してもらいましょう。進行したニキビ治療に対して処方されます。保険適応です。

デュアック配合ゲルの副作用と注意点

デュアック配合ゲルには過酸化ベンゾイルが配合されますが、この成分によってわりと高い確率で副作用が起こることがわかっています。

皮膚の赤みの画像 国内の臨床試験では、副作用の発生率は30.6%(500件中153件)と報告されています。

詳しい内容は、乾燥(9.8%)、接触皮膚炎(6.8%)、皮膚の赤み(5.8%)、角質の剥がれ(5.8%)、皮膚のかゆみ(5.2%)という結果でした。

過酸化ベンゾイルには角質同士の結合を緩める作用(ピーリング作用)があり、それによってニキビに対して高い効果も得られるのですが、一方で角質層のバリア機能を乱すことから、刺激を強く感じることが多くなります。

肌が強い人であれば多くは問題ありませんが、薬でアレルギーを起こしたことがある人、肌が弱い人、敏感肌の人はデュアックを慎重に使って下さい。

特に、使用後に強いかゆみがある場合はアレルギーを起こしている可能性があり、かゆみが続くとニキビの腫れがひどくなることが多いです。にきび跡の色素沈着(しみ)もひどくなり、しこりやケロイドを起こす可能性も高くなります。

クリンダマイシンの耐性菌の問題

細菌 デュアック配合ゲルにはクリンダマイシンという抗生物質が含まれます。抗生物質はニキビのような細菌が原因の症状に対してよく効くのですが、耐性菌を生じる問題があります。

耐性菌とは、その名の通り薬剤に対して耐性(抵抗性)を獲得した細菌をいいます。耐性菌が生まれると抗生物質が効かなくなってしまうことがあるのです。

ニキビの原因菌とされるアクネ菌や黄色ブドウ球菌などの皮膚に存在する様々な細菌に耐性が生じると、ニキビ以外の深刻な皮膚感染症が起こった場合に治療法が限られてしまうことがあります。

そのため、デュアック配合ゲルは炎症した赤ニキビ、化膿ニキビなどの重症化したニキビに対してのみ使用して下さい。ポツポツとした軽度のニキビには、ディフェリンゲルやベピオゲル、イオウカンフルローションなどの抗生物質ではないニキビ治療薬が理想です。

耐性菌を出現させないポイント

カウンセリングの写真 耐性菌は抗菌薬の使用が長期になったり、中途半端な使用をすると生じやすくなります。例えば、ある程度炎症が落ち着いたからといって中途半端に中断すると、再び病原菌が増加して耐性菌が発現しやすくなります。

そのため、ニキビに対して抗生物質を使用する場合は、炎症や腫れが治るまで一定のペースで使用継続し、できるだけ短期間でしっかりと症状を抑える必要があります。