デュタステリドの副作用でブツブツが発生!湿疹が続いて肌がシミだらけに

デュタステリド(ザガーロ)による副作用、薬疹とブツブツの写真

薄毛改善薬としてクリニックで処方されるデュタステリド。日本ではザガーロという商品で販売されてます。

フィナステリドよりも持続効果があるとされ、服用している人も多いのですが、もし副作用が現れたらかなりきついことになる可能性もあります。

きつい副作用の一つが薬疹(やくしん)、つまり薬による湿疹、皮膚病変です。

半減期が長い問題

デュタステリドの問題は半減期が長いこと。半減期とは、薬の血中濃度が半分になるまでの期間です。持続効果の一つの目安とされるもの。

そして、デュタステリドの半減期は3~5週間くらいだとされます。これは、あらゆるお薬の中でもとても長いほうです。

(なお、フィナステリドの半減期は4~8時間ほど)

デュタステリドを飲むと体内に長くとどまるので「長く効く」というメリットがあるのですが、一方でもし副作用がでるとその副作用も長く続く可能性があります。

飲み続けて、もし問題が起きると厄介な薬だといえます。

どんな副作用がでるのか?

国内臨床試験において、403例中44例(10.9%)に副作用が認められたと報告されています。デュタステリド0.5mgの結果。

  • 勃起不全13例(3.2%)
  • リビドー減退7例(1.7%)
  • 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)6例(1.5%)

主に上記のような副作用が代表的です。

ただ、まれに薬疹(やくしん)という皮膚障害が発生することがあります。

そして、効果が長く続くのでその皮膚障害も長く続いてしまうことがあります。

皮膚障害の写真

以下は筆者の兄(35歳)がデュタステリドで薬疹を起こした画像。

全体的に爬虫類の皮膚みたいなブツブツ感になっています。

デュタステリド(ザガーロ)による副作用、薬疹とブツブツの写真

毛穴と一致して盛り上がったブツブツで、薬疹としては軽度のものですが、首から胸、お腹にかけてたくさんできてしまったので大変。

そして、治っても炎症によるシミが上半身にたくさんできてしまったのが難点。

薬疹は2パターン

薬疹はアレルギー性のものと、過剰投与による中毒の場合の2パターンがあります。

そして兄の場合は用量過剰の中毒によるものだと思います。

アレルギー性の薬疹の場合は思いもしないような不思議な湿疹が起こったりしますが、中毒の場合は症状も軽めで小さめのブツブツがでることが多いです。

一概には言えませんが少し薬を飲みすぎたくらいの中毒性の薬疹であれば炎症性も低いです。

薬疹と判明するまで

筆者の兄は1年以上もデュタステリド0.5mgを飲んでいて、それまで何も問題ありませんでした。

何も副作用がなかったので安全だと思いこみ、ブツブツの原因がまさかデュタステリドだとは思わなかったそうです。

そして、治療が遅れ、炎症が続いたことで肌がシミだらけになった。ということ。それが以下の写真。

デュタステリド(ザガーロ)による副作用、ブツブツした湿疹の画像

デュタステリドによる薬疹だと気付くまで約3か月。

そして、服用をやめてから薬疹が治っていくまで2か月くらいかかったようです。

合計で約5か月くらい薬疹に苦しめられ、兄も精神的にも疲弊してしまったようです。炎症跡が残ってしまうのが一番つらいところ。

本人はかなり悩んでいて、今後レーザーでキレイするつもりなんだとか。

皮膚科に行ってもわからない

上半身にブツブツができるわけですが、皮膚科にいっても「原因がわからない」といわれたりしたそうです。

薄毛の薬を飲んでいることが恥ずかしく、そのことを伝えなかったことで医師も薬疹だと思わなかったのかもしれません。

そしてステロイド外用薬が処方されたりしたといいます。

中には、マラセチア毛包炎と診断する医師もいたようです。そして他の病院にいくと「マラセチアではない」といわれ、「特に症状はないよ」といわれたこともあったとか。

患者が思っていることと他の人が見る場合では認識が違うという美容医療の面ではよくある事例です。

アレルギー性の薬疹だったら最悪

どんな人でも薬を飲みすぎれば中毒性の薬疹が起こる可能性があります。

問題は中毒性ではなくアレルギー性の薬疹が起こった場合。アレルギーだと強めの赤みとかゆみをともなう湿疹がでることがあります。

そしてまれなケースですが、画像のように強烈な湿疹が発生することもあります。

アレルギー性の薬疹の画像

参考サイト:https://medical.jiji.com/medical/015-0026-99

デュタステリドは半減期が長く、体内に半年以上とどまるので、もしアレルギー性の湿疹を起こせばその分だけ長く湿疹が続くことになります。

もちろん、皮膚が治りにくいレベルの色素沈着を起こし、とても悩ましいものになります。

デュタステリドのような長くとどまるようなお薬には注意しないといけないのです。

注意点いろいろ

肝機能が弱い人は飲まないほうがいい

肝機能が弱っている人は、デュタステリドを代謝する酵素の働きも弱くなっています。

肝臓の画像

そして成分が血中に長く残りやすくなり、薬による皮膚病を起こしやすくなります。

なので、肝疾患がある人は飲まないようにしましょう。B型C型ウイルスなどの問題がある人、肥満による脂肪肝の場合は注意。

また、アルコールを飲む人も注意して服用しないといけません。定期的に血液検査を受けてみて下さい。

そもそも、薬を飲んでいる人はアルコールは飲むべきではないとされます。

高齢の人も皮膚病がでやすい

高齢になると薬物を分解する酵素の働きが弱くなります。

その結果、デュタステリドを代謝する働きも弱くなるのですが、それによって血中濃度が若い人よりも上がってしまう傾向があります。

それによって薬疹といった皮膚病も現れやすいといえます。

複数の薬を飲んでいる人は薬疹がおきやすい

デュタステリドのほかにいろいろ薬を飲んでいる人も薬疹が起きやすいです。日常的に飲んでいる薬がある人は注意。

なお、高齢の人ほど薬疹が起きやすい傾向がありますが、それは血圧の薬とか睡眠剤とか、いろいろな薬を飲んでいる傾向があるためとされます。

複数の薬を組み合わせると血中の薬物量が高くなり、予想もしない副作用がでることがあるので注意しないといけません。

安全性でいえばフィナステリドのほうがいい

フィナステリドの画像 デュタステリドと似た薄毛改善薬にフィナステリドというお薬があります。

ほとんど同じ効能があり、よく比較されるのですが、薄毛に対する効果だけでいえばデュタステリドだとされます。

ただし、安全性でいえばフィナステリドのほうが優秀のように思います。

フィナステリドは半減期が4~8時間ほどで、血中からほぼすべてなくなるまで30~50時間ほどなので、副作用がでても薬を止めれば数日間で改善に向かいます。

一方、デュタステリドは半減期3~5週間ほどであり、血中からほぼなくなるまで半年くらいかかります。

つまり、デュタステリドで副作用がでると数か月単位で症状が続く可能性があるのです。

例えば、副作用でカラダじゅうに薬疹がでてしまうと、その薬疹が数か月続き、カラダがシミだらけになってしまうこともありえます。

用量を守ること

デュタステリドを飲む場合は、用法と用量を守って服用するようにしてください。

どんなお薬においても飲みすぎたりすれば誰でも薬疹が起こる可能性があることを覚えておいてください。

そして肌の広範囲に異常がでたらすぐに薬疹を疑い、飲んでいる薬をいったんすべて中止したほうがいいと思います。