デュタステリド(ザガーロ)で皮脂抑制。ニキビや脂漏性皮膚炎を予防する仕組み

デュタステリド(ザガーロ)の画像 デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)といわれる男性の一般的な薄毛を改善する有効成分です。

日本では2016年6月にデュタステリドを主成分とした「ザガーロ」という薄毛治療薬が販売されるようになりました。販売はグラクソ・スミスクラインという製薬会社です。

このお薬は、他の治療薬にはないレベルで内側から男性の薄毛に効くことが確認されています。今までの治療で男性型脱毛症の効果が得られなかった人においても増毛効果が期待できます。

そして、このお薬の作用により、薄毛と同時に皮脂分泌を抑制する働きも期待できます。そのため、ニキビや脂漏性皮膚炎(フケ体質)が改善に向かうケースも多いです。

今回の記事は、デュタステリド(ザガーロ)の皮脂抑制効果とその仕組み、副作用などを詳しく解説してきます。

デュタステリドの効果

デュタステリドの効果は、「5α-リダクターゼ」という還元酵素を阻害することによってもたらされます。

ジヒドロテストステロンが発毛を阻害する仕組み 男性の薄毛は、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンの一種が毛乳頭に働きかけて、発毛を阻害することで引き起こされると考えられています。

そのジヒドロテストステロンを作り出す物質が「5α-リダクターゼ」という酵素です。

5α-リダクターゼは、テストステロンという一般的な男性ホルモンを変換してジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す働きがあり、それが男性型の薄毛を引き起こす原因となります。

デュタステリドはその5α-リダクターゼを強力にブロックし、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制して男性特有の薄毛の進行を抑えます。

ほとんどの人がザガーロのようなデュタステリドを主成分としたお薬によって増毛効果が得られ、少なくても薄毛の進行を予防することができます。

5αリダクターゼの1型と2型のどちらにも効果がある

ジヒドロテストステロン(DHT)が皮脂を増加させる仕組み 薄毛を進行させる5α-リダクターゼという酵素は、「1型5αリダクターゼ」と「2型5αリダクターゼ」の2種類が存在します。

デュタステリドはその2種類の5αリダクターゼ酵素のどちらにも抑制効果があります。そのため、強力にジヒドロテストステロン(DHT)を抑制して、今までの薄毛治療薬にはなかったレベルで薄毛の進行を予防改善します。

皮脂分泌を抑制してニキビを予防する

デュタステリドには皮脂を抑える効果も期待できます。それは皮脂腺に多く存在する1型5αリダクターゼを抑える効果があるためです。

1型5α-リダクターゼは、頭部を含む身体全体の皮脂腺(皮脂を分泌する器官)に多く存在していて、1型5αリダクターゼが多い人ほど皮脂腺がジヒドロテストステロン(DHT)の作用を受けやすく、皮脂が増える傾向があると考えられています。

皮脂が増加するとニキビや脂漏性皮膚炎(フケ症)などの原因となってしまいますが、デュタステリドは1型5αリダクターゼをブロックしてジヒドロテストステロンが皮脂腺に作用する現象もブロックし、皮脂を減らす効果があります。

皮脂が減ることでニキビや毛穴の開き、毛穴黒ずみ、脂漏性皮膚炎などの皮脂の増加が原因となる症状も軽くなるのです。

また、薄毛の原因は過剰な皮脂による刺激が原因になることがありますが、皮脂型の脱毛症にも効果が得られるはずです。

実際にデュタステリド(ザガーロ)の服用を始めて、薄毛の改善とともにニキビやフケが減ったと実感する人は多いです。むしろ肌の乾燥を感じるようになったという人もいます。

一方、2型5α-リダクターゼは特に頭部の髪の生え際や頭頂部などの毛乳頭部分に集中的に存在し、その部分の極端な脱毛を引き起こす原因とされています。

フィナステリドとの違い

デュタステリドとフィナステリドの違い ザガーロのようなデュタステリドを主成分とした薬が登場する前の薄毛治療薬といえばフィナステリド(商品名:プロペシア)しかありませんでした。

ところが、その薬は2型の5αリダクターゼにしか効果がありませんでした。フィナステリドは1型の5αリダクターゼには効かないため、服用しても皮脂の減少を実感することはほとんどありませんでした。

一方、デュタステリドは、1型と2型の5αリダクターゼを同時にブロックしますので、薄毛だけではなく皮脂の抑制にもつながります。薄毛と共にニキビや脂漏性皮膚炎にも効果があるのです。

また、デュタステリドの場合は、フィナステリドと比べてジヒドロテストステロン(DHT)のレセプター(受容体)への占有率が高いため、より明らかな効果が得られます。

男性の脂性ニキビに効果がある

背中ニキビの画像 女性の場合は、皮脂型タイプの治りにくいニキビ治療に対して、低用量ピルという混合ホルモン剤が使用されることがあります。

また、スピロノラクトン(製品名:アルダクトンA)という男性ホルモン受容体(レセプター)をブロックするお薬も使用されることがあります。

ところが、男性の場合は女性化現象や副作用などの問題で、ニキビ治療に対してホルモン療法を行うことが難しい現実があります。ただし、デュタステリドの場合は男性でも長期的に使用できるメリットがあります。

デュタステリドは、ホルモン剤ではなく、最も生理活性が高いテストステロンを変換させる酵素の働きを阻害するだけのお薬であり、このお薬の作用そのものによって極端な副作用が起こりにくいため、長期的に使うことができるメリットがあります。

脂性肌(オイリー肌)の男性でニキビが治りにくい人は一度試してみてはいかがでしょうか。

デュタステリドはこんな人に効果的

男性医師の写真 デュタステリドは、薄毛の進行に悩む男性で皮脂が多く、ニキビができやすい人に効果的です。

また、身体全体の皮脂が減少しますので、顔のニキビだけではなく男性の背中ニキビや胸ニキビなどにも効果が期待できます。

他にも、頭部にフケ(脂漏性皮膚炎)が発生するような人にもデュタステリドで改善できる可能性があります。

飲み方・服用方法

飲み薬の画像 ザガーロ(デュタステリド)の飲み方は、1日1回、0.1mg、または0.5mgを同じ時間帯に服用します。食前、食後関係なく服用できます。早く治したいとして一度にたくさん飲まないようにしましょう。

そして、このお薬は半減期(薬が体内から半減するまでの時間)が3~5週間あり、持続的な効果があることから3日に1回などのペースで服用しても問題ありません。

注意が必要なケース

女性看護師の写真 ザガーロのようなデュタステリドを主成分としたお薬は、女性は服用してはいけません。また、子供や成長期(思春期)の男性も使用してはいけません。正常な成長・発育が阻害される可能性があるので、20歳以下の男性は使用できません。

成人男性においても、妊娠を希望する場合は服用しないほうが良いとされます。

購入するには?

薬剤師が薬を処方する画像 ザガーロを購入するには、扱っている病院を受診して処方してもらいましょう。すべての病院で扱っているわけではないのでネットで調べて確認してから受診して下さい。

また、個人輸入通販サイトで購入することもできます。海外の商品となりますが、成分はザガーロと基本的に同じです。デュタスやアボダートなどの商品があります。アボルブという前立腺肥大症に使用されるお薬でもザガーロと同じ成分構造なので基本的に大丈夫です。

薬の形状

ザガーロはカプセルタイプです。0.1mgと0.5mgの2種類がありますが、0.5mgのほうが効果が高いです。

副作用

女性看護師の画像 デュタステリド(ザガーロ)の副作用は、日本人を対象とした臨床試験では120例中、14例(11.7%)報告されています。

主な副作用は、性欲減退7例(5.8%)、ED・勃起不全6例(5%)、射精障害2例(1.7%)です。ほとんどはそれらの副作用です。

また、1%未満の副作用としては、発疹、胃不快感、吐き気、頭痛、抑うつ、気分の落ち込み、乳房が大きくなる、乳房痛などです。また、まれにアレルギー、皮膚のかゆみ、肝機能障害などが現われることがあります。

もし、異常が現われたら使用を中止して下さい。このお薬は長く効くため、副作用が持続的に現われる可能性があることを覚えておいて下さい。

ニキビが悪化する可能性は?

Uゾーンニキビの画像 ザガーロ(デュタステリド)を服用して、かえってニキビや脂漏性皮膚炎が悪化したと感じる人がいるかもしれません。ただし、ニキビの原因はザガーロではなく他の要因が考えられます。

ニキビは、ストレスやスキンケア、食生活、睡眠不足などが問題となっていることが多いので、それらを見直すようにして下さい。

そして、ニキビ治療の場合は塗り薬を使って治していくのが基本で、デュタステリドは補助的に使用して下さい。