保険適応のニキビ治療薬「飲み薬と塗り薬」一覧

お薬 ニキビというと症状が軽いものから重度のものまで様々ありますが、ニキビが深刻化した場合は皮膚科を受診して積極的に治療を受けたほうが早い改善が期待できます。ところが、病院におけるニキビ治療は保険適応のものとそうでないものがあります。そこで今回はニキビ治療における保険が適応されるニキビの塗り薬と飲み薬をご紹介します。

保険適応のニキビ治療の飲み薬(内服薬)

ビタミンB2製剤

サプリメント摂取の画像・写真 ニキビ治療に対してビタミンB2製剤が積極的に処方されることが多いです。これはビタミンB2が補酵素として脂質の代謝や肌作りと肌の健康に深く関与しているためです。主に、脂質の代謝、肌細胞・粘膜の再生、過酸化脂質の還元などの働きがあり、不足するとニキビ、吹き出物、肌荒れ、口内炎、口角炎、脂漏性湿疹などを引き起こすことがあります。鼻周辺のブツブツやフケが多くなるのはビタミンB2が不足する影響が大きいといわれます。

皮膚科では、「フラビタン」というビタミンB2製剤が処方されることが多いです。

ビタミンB6製剤

ニキビ治療において、ビタミンB2と共にビタミンB6も処方されることが多いです。ビタミンB6も補酵素としてたんぱく質の代謝に深く関与していることや、皮膚や粘膜の代謝にも深く関与し、不足すると皮膚炎、肌荒れ、ニキビを引き起こすことがあるためです。また、皮脂をコントロールする作用もあります。健康な肌作りには不可欠なビタミンです。

病院では、「ピドキサール」というビタミンB6製剤が処方されることが多いです。

抗生物質(内服薬)

抗生物質ルリッド(ロキシスロマイシン)の画像 抗生物質はニキビの炎症を引き起こすアクネ菌の増殖を抑制し、ニキビの炎症を早期にしずめます。抗生物質には耐性菌を生じたり、腸内細菌のバランスが変化して下痢などを引き起こす副作用があることから、近年ではニキビ治療に対して従来ほど積極的に用いられることはなくなりましたが、化膿したニキビが多発した場合などにおいては抗生物質が使用されます。ニキビ治療に用いられる抗生物質には以下のようなものがあります。

ニキビ治療に用いられる抗生物質

  • テトラサイクリン系抗生物質・・・ミノマイシン、ビブラマイシン。
  • マクロライド系抗生物質・・・ルリッド、クラリス。
  • ペネム系抗生物質・・・ファロム。
  • セフェム系抗生物質・・・フロモックス、セフゾン、バナン。
  • ニューキノロン系抗菌薬・・・クラビット。

ニキビ治療における抗生物質の使用は1~3か月くらいになります。抗生物質は耐性菌を生むリスクや下痢などを引き起こす副作用があるため、安易に使用されることはありません。


保険適応のにきびに効く外用薬(塗り薬)の一覧

ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)

ベピオゲルの画像 ベピオゲルは過酸化ベンゾイルという酸化剤を主成分としたニキビ治療薬です。ニキビの原因菌であるアクネ菌は嫌気性菌という酸素(空気)を嫌う性質があり、酸素がある環境では死滅してしまうのですが、過酸化ベンゾイルは酸素を発生させることでニキビの原因菌を殺菌します。ただし、皮膚に対して刺激性が強く、ヒリヒリしたり赤みが現れたりすることがよくあります。皮膚が弱い人には不向きです。

ダラシンTゲル(ローション)

ダラシンTゲルとローションの画像 ダラシンTゲルは、クリンダマイシンを主成分とするリンコマイシン系の抗生物質です。細菌のたんぱく質の合成を阻害することで、ニキビの原因となる細菌を抑制し炎症をしずめます。 形状にはゲルタイプとローションタイプがあります。抗生物質であり、耐性菌を生むリスクがあるため、中途半端に使用したり、長期的な使用は控えましょう。このお薬を使用する場合は、しっかりと炎症をしずめてから治療を終えるようにしましょう。

デュアック配合ゲル

デュアック配合ゲルの画像 デュアック配合ゲルは、過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンというリンコマイシン系抗生物質を主成分とした塗り薬です。ベピオゲルとダラシンTゲルを組み合わせたニキビ治療薬といえます。2つの成分を組み合わせることで強力にニキビの炎症を治します。

抗生物質には薬剤耐性の問題があり、使い続けると薬が効きにくくなる可能性がありますが、過酸化ベンゾイルを組み合わせることで耐性菌を生じるリスクが大きく軽減するメリットがあります。ただし、過酸化ベンゾイルを配合するので、肌が弱い人には使いづらいかもしれません。

アクアチムクリーム(軟膏・ローション)

アクアチムクリーム、軟膏、ローションの画像 アクアチムクリームは、ナジフロキサシンを主成分とするキノロン系抗菌薬です。細菌のDNAの複製を阻害して殺菌作用を示し、ニキビの悪化を抑制して炎症をしずめます。ニキビ、おでき、とびひなどの皮膚感染症に用いられます。形状は、クリーム、軟膏、ローションの3種類があります。日本ではニキビ治療に対する塗り薬としてよく用いられています。

ゼビアックスローション

ゼビアックスローションの画像 ゼビアックスローションは、オゼノキサシンというキノロン系抗菌薬です。アクアチムと同じ系統で、細菌のDNAの複製を阻害してニキビ菌に対して殺菌的に作用します。アクアチムよりも高い抗菌作用があるとされます。

ディフェリンゲル(アダパレン)

ディフェリンゲル(アダパレン)の画像 ディフェリンゲル(成分一般名:アダパレン)は、レチノイド(ビタミンA誘導体)と似た作用を有するナフトエ酸(ナフタレンカルボン酸)誘導体を主成分としたニキビ治療薬です。日本では2008年に保険適応のニキビ治療薬として認可されました。

ニキビは角化異常によって角質肥厚を起こし、毛穴が詰まることで引き起こされますが、ディフェリン(アダパレン)は、角化(ターンオーバー)を抑制して角質が厚くなるのを抑制する働きがあります。また、アダパレンには緩やかな角質を剥がす作用もあり、角化抑制作用と角質剥離作用によってニキビの発生を予防します。ただし、アダパレンには抗生物質のようなアクネ菌を死滅させるような殺菌作用はありません。

イオウカンフルローション

イオウカンフルローションの画像 思春期などの若い時期にできるニキビに対して、イオウ(硫黄)とカンフル剤を含んだイオウ・カンフルローションが処方されることがあります。イオウには、殺菌作用と角質柔軟作用があり、ニキビ菌の増殖を抑制しながら角質を柔らかくしてニキビの膿や芯の排出を促す働きがあります。一方、カンフル剤には消炎効果がありニキビの炎症を抑えてくれます。

ただし、イオウには皮膚を乾燥させる作用があるため、大人のニキビや、皮脂分泌が少なくて乾燥しやすい肌質の人には不向きです。皮脂分泌が多い若い時期のにきびに対して処方されることが多いです。