皮膚の構造とニキビ発生の仕組み

皮膚の構造とニキビができる仕組み 皮膚は「表皮」と「真皮」の2層構造をしています。その2層と皮下層(皮下脂肪がある層)を含めた3層を皮膚と呼ぶこともありますが、基本的に皮膚というと表皮と真皮の2層をいいます。

そして、多くの皮膚トラブルは表皮層と真皮層の2層のどちらかが問題となって発生します。例えば、ニキビや吹き出物といった皮膚病変や、色素沈着やクレーター、しわ、たるみなども、それぞれどちからの層が通常とは違う変化が起きたことによるものです。

今回は皮膚の構造とニキビや跡ができるメカニズムについてです。

表皮(皮膚の表面にある層)

皮膚の構造とニキビができる仕組み 表皮は肌の表面で保湿やバリア機能を担う層です。表面から角質層(かくしつそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)の4層で構成されています。

表皮の厚さは0.1~0.3mmほどで、1ミリにも満たない薄い層です。また、表皮に血管は通っていません。

表皮の4層のうち、肌作りの根底にあるのが基底層です。基底層で作られた表皮細胞(角化細胞)は、有棘層から顆粒層へと移行し、最終的には角質となります。

角質は厚さ0.01~0.03mm程度と非常に薄い層ですが、水分を保持する役割や、外界から皮膚を保護するバリア機能といった役割があります。

そして、その角質は最終的には古い角質(垢)となって剥がれていきます。このサイクルを角化(またはターンオーバー)といい、通常は約4週間~6週間(28~42日間)のサイクルで繰り返されているとされます。(年齢を重ねるほど、さらにターンオーバーのサイクルは遅くなっていきます)。

ニキビは表皮層の変化で発生する

ニキビが発生する仕組み・皮膚の構造 ニキビ・吹き出物は、表皮層のターンオーバーに異常が現れることで引き起こされます。

通常、表皮細胞は基底層で作られて表面へと押し上げられ、一定の期間を経て自然に剥がれていきますが、様々な要因によってターンオーバーが通常よりも進んでしまうと毛穴がつまるようになります。

このターンオーバーを乱す原因は以下のような要因があげられます。

  • 過剰な皮脂分泌・・・皮脂分泌が多くなると肌が刺激を受けて角化異常を起こし、皮膚が厚くなって毛穴が塞がれやすくなります。
  • 男性ホルモン・・・男性ホルモンには角化異常を引き起こす作用があることがわかっています。また、男性ホルモンは皮脂の分泌を促し、毛穴をつまりやすくします。
  • 生活習慣や肌の乾燥・・・睡眠不足やストレス、肌の乾燥などによってターンオーバーが乱れると、毛穴が塞がれやすくなります。

ニキビ跡の炎症性色素沈着は表皮層で引き起こされる

ニキビ跡の炎症後色素沈着 ニキビが悪化するほどモヤモヤした色素沈着といったニキビ跡もひどく残ってしまうようになります。

その色素沈着の正体はメラニン色素によるものですが、そのメラニン色素は表皮に存在するメラノサイト(色素細胞)というところで合成されます。

メラノサイトは表皮の基底層に存在し、必要に応じてメラニン色素を合成する働きを担います。ニキビが炎症を起こすと、様々な炎症物質(化学伝達物質)が発生しますが、それらがメラノサイトを活性化させてメラニン色素の合成を活性化します。

それによってメラニンが大量に作られ、にきびが治って赤みが引いた時にモヤモヤと黒ずんだ色素沈着が現れるのです。

また、炎症がひどくなると表皮層で作られたメラニン色素が真皮層にまで入り込んでしまうことがあります。

これは表皮と真皮の間に存在する基底膜(きていまく)が炎症によって乱れ、通常は入り込まないメラニンが下の層に入り込んでしまうことが原因です。

真皮層に入り込んだメラニンは改善まで長い期間を要します。また、一生肌に残ってしまうこともあります。そのときはレーザー治療で改善できる可能性があります。

真皮(表皮と皮下層の中間にある層)

皮膚の構造とニキビができる仕組み 真皮層は表皮よりもさらに深い層で、主にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの皮膚にハリや弾力を生み出す物質が存在する層です。その中でも特にコラーゲンが多く存在し、真皮層の約70%をコラーゲンが占めているといいます。

真皮の厚さは1~3mmほどだといわれ、顔の中で真皮が厚い部分は額や頬で3mmほど、真皮が薄い部分は目元の1mmほどでです。

真皮は、皮膚を強固につなぎ合わせる役割やクッションのような役割で人体を保護しています。真皮は毛細血管も豊富で、血管が通っていない表皮内の基底層に向かって細く伸びています。

ニキビ跡の赤みは真皮で引き起こされる

ニキビ跡の赤みの画像 ニキビが治った後に皮膚の赤みが残ることがあります。これはニキビの炎症によって真皮層に存在する毛細血管の拡張や増殖が主な原因です。

単に血管が開いて赤く見えるのではなく、皮膚の損傷を修復する時に毛細血管も増加します。それによってニキビ跡が赤く見えてしまいます。

時間の経過とともに赤みは薄くなっていきますが、治るまで数年単位かかることもあります。また、赤みは一生残ってしまうこともあります。その場合は、レーザー治療で治る可能性があります。

ニキビ跡クレーターは真皮層のトラブルが原因

ニキビ跡クレーターの画像 ニキビ跡のクレーターといわれる皮膚の凹みも、真皮のトラブルによって発生します。にきびの原因となるアクネ菌が増殖すると、免疫反応によって様々な伝達物質が発生します。

そして、好中球(白血球の一つ)が活性酸素(ヒドロキシラジカルなど)を放出してアクネ菌を攻撃します。

これによってアクネ菌が死滅して炎症が治っていきますが、こういった免疫反応によって皮膚が大きく損傷し、真皮層のコラーゲンなどの線維組織が萎縮(瘢痕化)してしまうことがあります。これがニキビ跡のクレーター状の凹みです。

ニキビ跡がクレーター状にへこみやすいのは、肌質、体質、アレルギーなどの要因が考えられています。肌が硬くてゴワゴワしている人ほど皮膚の凹みを引き起こしやすく、改善しにくい傾向があります。