メガネ跡の黒ずみ・色素沈着を治す方法は? 予防法と治療方法

メガネ跡の色素沈着の画像 画像は筆者のメガネ跡です。

メガネをかけていると、写真のように鼻の両側にメガネ跡がついてしまうことがあります。

これは、長い期間にわたってメガネをかけている人や、肌のバリア機能が弱い人、また色素沈着を起こしやすい人ほど現れやすいといえます。

今回は、そのメガネ跡の予防と治し方、レーザー治療などについて。

メガネ跡の原因いろいろ

黒ずみの正体は真皮に入り込んだメラニン色素

皮膚の構造とメラニン色素が真皮層に落ち込んだ状態の画像 メガネ跡の正体はメラニン色素の沈着。

メガネパッドが触れる部分が慢性的な刺激や圧力を受けてメラニン色素が作られ、それが皮膚の深い部分に入り込んで定着したものがメガネ跡です。

メラニン色素は表皮の基底層というところで作られますが、メガネによるシミは表皮層のさらに奥にメラニン色素が落ち込んでいるので、自然には治りにくい傾向があります。

肌が薄い人ほど発生しやすい

肌が薄い人ほどメガネの重みで跡が残りやすくなります。

メガネを外すと跡が真っ赤になるような人は、いずれ色素沈着が悪化すると考えていいです。

加齢するほどメガネ跡が残りやすい

加齢によって新陳代謝が低下します。そして肌の表皮も薄くなって刺激に弱くなっていきます。

そのため、年齢を重ねるほどメガネ跡が悪化しやすくなります。

また、老化によって毛細血管が細くなってくることでもメガネ跡が発生しやすくなります。ただ、これは仕方ないことです。

冷え症の人ほどメガネの跡が残りやすい?

血行が悪くなると色素沈着を起こしやすくなります。そのため、冷え症の人ではメガネの跡が付きやすいようです。

自然に薄くするには年単位の時間がかかる

メガネによる皮膚の黒ずみはメラニンが肌の奥に入り込んでいますので、改善するには数年の時間がかかることがあります。

また、肌老化が進んでいる場合は自然には消えないこともあります。

そして、その跡を薄くしたいのならば、レーザー治療や美白剤などの方法がありますが、そもそもメガネをかけることを止めないといけません。

メガネ跡を予防するには?

メガネパッドの角度を調整する

メガネの写真 メガネ跡が付きやすいのは、メガネパッド(鼻あて)の角度が合っていないことが多いです。

鼻あてが傾いていると線のような跡がつきますが、そういう跡が付くと色素沈着が残りやすいです。

皮膚とパッドができるだけ平衡に接するように微調整してみましょう。自分で行うと金具が折れてしまうことがあるので注意して下さい。

よくわからない場合は、メガネ屋さんに行って調節してもらうのも一つの方法です。

ただし、メガネ屋さんでも金具を折ってしまうこともまれにあります。お客さんの金具部分を扱うのを嫌がる人もいます。

メガネパッドをシリコン製に変えてもらう

メガネのシリコンパッドの画像 鼻と当たる部分のメガネパッドをシリコン製に変えてもらうことで皮膚への刺激を抑えることができます。

シリコン製は柔らかいため、皮膚に対して負担が少ないのです。メガネ屋さんに行けば1000円ほどでシリコンパッドに変えてくれるはずです。

メガネ屋さんによっては、常連さんならば無料で変えてくれたりします。

軽いメガネにする

メガネの重量が重いほど皮膚に対しての負担がかかり、それだけメガネの跡もできやすくなります。

そこで、メガネを軽いものに変えるだけで劇的にメガネ跡を抑えることができます。

普通のメガネは15~20グラムくらいは重さがありますが、メガネ跡を予防する目的で作られた軽いものではレンズを含めて10gほどのものがあります。

なお、筆者の感覚ではメガネの重量が30gを超えると重さを感じるようになり、反対に15g以下になると軽さを感じるようになります。

ふちなしフレームで余計なフレームをなくし、さらにレンズが小さいメガネにすれば重さをかなり抑えることができます。個人的には「ふちなしメガネ」はおすすめです。

メガネの重さを計ってみた

以下は私が使っている「Kazuo Kawasaki(カズオ カワサキ)」のふち無しフレームのメガネ。 メガネの重さ 軽さにこだわって購入したもので、重さを計ると12g。かなり軽いです。長時間つけたままにしても跡になりにくいです。

なお、いろいろ専門家に聞いたところ、10グラムを切るようなメガネを作るのは難しいみたいです。

個人的には15グラム以下ならば「軽いメガネ」といえると思います。一つの参考にして下さい。


以下の写真は比較として、分厚いフレームのメガネの重さを計ってみました。重さは36.5グラムとなっています。 私の場合、このメガネをかけた後は、何時間も濃い跡が残ってしまいます。30グラムを超えるメガネは色素沈着を起こしやすいので注意しないといけません。

コンタクトレンズに変える

コンタクトレンズの画像 メガネ跡が気になるならコンタクトレンズにしてみるのも一つの方法です。欠点は面倒だったり、お金がかかることです。

また、コンタクトレンズの長年の使用は眼球に負担をかけることが多くなります。まれに眼瞼下垂(がんけんかすい)というまぶたが下がってくる症状を起こすことも。

いろいろマイナス面も多いことからコンタクトレンズを避ける人も少なくないです。

メガネを吊るすという方法はどうでしょうか?

コンタクトレンズをつけるのが面倒だったり、そもそもコンタクトレンズが付けられない人もいると思います。

どうしたらメガネ跡を完全に予防できるのか。筆者がいろいろ考えた結果、以下のようなやり方はどうでしょうか。簡単に写真を作ってみました。

メガネを帽子から糸で吊るしている写真 これは、帽子のツバの部分とメガネの中央部分を糸で結び、その帽子をかぶってメガネを吊るすというやり方。

簡単に言えばメガネパッドの代わりに糸で吊るすという方法。これならば肌につかないのでメガネ跡も付きません。

そして、メガネパッドと金具の部分をそのままにしておくと肌に当たってしまうので、外して使ったほうがいいです。

金具の部分を外すと鼻にかけることができなくなり、もったいない感じがありますが、皮膚を傷つけないためにはキレイに取ってしまったほうがいいです。

Zoff(ゾフ)などの安いメガネ屋さんで購入したもので良いので、思い切ってメガネパッドと針金の部分をペンチで切り取ってみましょう。

帽子につなぐ糸は、以下の写真のように安全ピンを使ったほうがいろいろメリットがありそうです。簡単に作ったものを写真とってみました。 帽子と糸を安全ピンでつないだ写真 安全ピンの刺す位置を上下に調整すれば、メガネを吊るす位置も上下に調整できます。安全ピンを使うと、そういったメリットがありそうです。

そして、使う糸は太い縫い糸などでも良いですが、一番丈夫なのは釣り糸が良いと思います。釣り糸はナイロンでできているので簡単に切れたりはしません。

この方法は、メガネが必要だけどメガネ跡を付けたくないという人にとって何かの役に立つはずです。よかったら参考にして、独自にいろいろ工夫してみて下さい。

レーシックは有効?

レーシック治療の画像 メガネ跡が気になる場合は、レーシックによる視力回復治療を受けるのも一つの方法です。

レーシックとは、角膜屈折矯正手術の一つで、目の角膜にレーザーを照射して角膜の曲率を整えることによって視力を回復させます。

例えば、それまで0.1ほどの視力が1.0~1.5にまでアップしたりします。

ただし、レーシックというのは、治療時に角膜にダメージが及ぶため、それによる副作用がいろいろ現れる可能性があります。

例えば、光が通常よりもまぶしく見える、ドライアイがひどくなる、視界がぼやけて見える、などの様々なトラブルを訴える患者さんがいるのも事実です。

近年では、レーシックの効果よりも危険性のほうが問題視されるようになってきています。治療を受ける場合はそれなりの覚悟が必要です。

日焼けはしないで下さい

日焼けはメガネ跡の悪化要因です。

もともとメガネの重さによって皮膚がダメージを受けているのですが、それに加えて紫外線ダメージを受けることでさらに色素沈着が濃くなってしまうことがあります。

メガネの跡の改善方法とは?

レーザー治療ではレーザートーニングだけが適応する

レーザートーニングの治療風景 レーザートーニングとは、皮膚に対して優しく作用するレーザー治療です。

トップハット型といわれる皮膚に対して均一的に照射されるレーザー光線を、弱い出力で何度も繰り返し照射していき、じょじょにメラニン色素を薄くしていきます。

メガネ跡の部分は、長くメガネの重みを受け続けているので肌がデリケートになっています。そのため、通常のレーザーを照射するとかえって悪化する可能性も。

なのでレーザートーニングのような優しい治療が適しているのです。

ただし、肌へのダメージがほとんどない分、何度も治療を繰り返し行う必要があります。治療回数は3~5回が目安。

なお、とても良い治療なので導入するクリニックもかなり増えています。

そのレーザートーニングの機器は、大きく分けてピコレーザーと、Qスイッチヤグレーザータイプの2タイプあります。

ピコレーザートーニング

ピコレーザーの写真 ピコレーザートーニングでは、ピコ秒という1兆分の1秒レベルの照射を実現します。

照射時間(肌に当たる時間)が1兆分の1秒という一瞬なので、肌に対するダメージを抑えながら高いレベルの治療ができます。

一般に効果も高く、治療回数を減らすことができるとされます。メガネ跡のようなデリケートな色素沈着にも対応します。

Qスイッチ・ヤグレーザーを使ったレーザートーニング

Qスイッチヤグレーザーを使ったレーザートーニングは、ナノ秒という10億分の1秒レベルの照射を実現します。

機種はメドライトC6が有名。ピコレーザーと比べると肌への作用時間が長いので、結果的に治療回数が多くなる傾向があります。

レーザートーニングの初期のものですが、ピコレーザーが登場してから古い存在になってしまいました。治療料金も下がっています。

費用は1回あたり10000円~15000円くらいが目安です。

美白剤ではハイドロキノンで改善できることも

ハイドロキノンの画像 メガネ跡はメラニンが皮膚の深い部分に入り込んでいるので、表皮層にしか作用しない通常の美白成分ではほとんど効果がないと思います。

唯一期待できるのがハイドロキノンという強力な美白剤です。即効性があることから「肌の漂白剤」といわれるもの。

ハイドロキノンには以下のような3つの美白作用があります。

  • メラニン色素を合成するチロシナーゼ酸化酵素を強力に阻害する作用。
  • すでにできてしまったシミ・色素沈着を薄く淡色化する還元作用。
  • メラニン色素を作り出すメラノサイトの活動抑制作用。

一般的な美白剤は、メラニンの合成を阻害することで美白効果をもたらしますが、ハイドロキノンはそれに加えてメラニン色素そのものを薄くする作用とメラノサイトの活動を抑える作用があります。

そのため、使い続けることでメガネ跡のシミの色素が抜けて、ある程度は薄くなっていく可能性があります。

実際にハイドロキノンによってメガネ跡が改善したという人は多くいます。

ただし、色素細胞への毒性が確認されている成分なので何年も使い続けれるものではありません。まずは2~3か月間くらい集中的に使って効果を確認して下さい。

高い効果の反面、問題も多い

ハイドロキノンには高い美白効果がある反面、酸化して劣化しやすい性質をもちます。メラニンへの還元力がある一方で酸化しやすいのです。

劣化したハイドロキノンは皮膚への刺激性が強くなり、かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)を引き起こす可能性が高くなります。

そのため、できるだけ新鮮なものを早期に使用することが重要です。

そして、新鮮なハイドロキノンでも、そもそも肌に合わない人も珍しくないです。そのため、使う前に必ずパッチテストを行って下さい。

なお、ハイドロキノンは店頭や通信販売などで購入できる他に、一部の美容皮膚科でも処方してもらうことができます。