高周波脱毛に効果はない? メリットとデメリット

「日常的なムダ毛の処理が面倒!」

「カミソリを使うと肌が負けて赤いブツブツを起こしてしまう」

「毛抜きは時間がかかるし、やり続けると肌が黒ずんでくる」

高周波脱毛器 そういった人は一度は医療機関によるレーザー脱毛を考えたことがあると思います。

けれど、「レーザー脱毛は金額的に高い」、「医師に恥ずかしい部分を見られるのが嫌!」、そういう人も多いはずです。

そんな人が通販で購入してしまうのが家庭用の脱毛器。

家庭用脱毛器にもいろいろ種類がありますが、その一つに「高周波脱毛器」というものが販売されていたりします。

高周波を照射して毛根を破壊するといったものですが、本当に高周波で毛を薄くすることなんてできるのでしょうか。

今回の記事は、高周波脱毛の作用原理や効果、そしてメリットとデメリットについて解説していきます。

高周波脱毛とは?

ワキ脱毛 高周波脱毛とは、高周波エネルギーによって毛根、毛乳頭に熱ダメージを与え、脱毛や減毛効果を得られるというものです。

高周波とは、電波・音波において高い周波数をいいます。ラジオ波ともいわれ、美容面においては皮膚に強く作用し、なんらかの影響を与えることができます。(これは事実です)。

その高周波エネルギーを瞬間的に照射することで発毛に関わる毛根部分を破壊するという脱毛法が「高周波脱毛」というわけです。

高周波だけの効能でいえば、レーザー脱毛や光脱毛(フラッシュ脱毛)などの作用とは全く違うのですが、本当に高周波脱毛という方法でムダ毛を薄くするような効果はあるのでしょうか?

高周波脱毛器で効果を得るのは事実上不可能!

結論から言えば、高周波脱毛器は効果はないです。高周波によってムダ毛を薄くしたり、永久的な脱毛効果を得ることは事実上不可能なのです。

まず、「毛を薄くする」、「減毛効果をもたらす」、「毛を生えなくする」といったはっきりとした効果を得るには、毛根にある程度のダメージを与えないといけません。

一般に言われているのは、毛根に70度以上の熱を与えなければ毛根、毛乳頭を破壊することはできないとされます。70度以上の熱というのは、永久的な効果を得られるレベルです。

これは言いかえるなら毛根にヤケドを起こすようなものです。

なお、医療用のレーザー脱毛器は毛根に対し70度以上の熱を一瞬で発生させて毛根部を破壊します。光脱毛でも同様です。

高周波脱毛器で効果を得ようとするとヤケドしてしまう

一方、高周波脱毛器においても、何らかの脱毛・減毛効果があるのなら70度近い熱を毛根に与えないといけません。

ところが、高周波エネルギーというのは毛根だけに反応するような使い勝手の良い作用ではありません。(ここが問題)

例えば、レーザー脱毛や光脱毛などは、黒い色素、つまり髪の色に吸収されやすい波長を照射することで、毛根に瞬間的な熱を発生させ、発毛機能を破壊します。

高周波脱毛器はそのような黒い色素だけ(髪の毛だけ)に吸収されるといった作用ではなく、全体的に作用します。

毛だけではなく、全体的に作用するので、毛根を破壊できる70度近くの熱エネルギーを与えようとすると皮膚がヤケドを起こしてしまうのです。

高周波脱毛器ではっきりとした効果を得ようとすれば、まず皮膚へのダメージが大きなものになってしまうので、事実上、高周波の効能だけで脱毛効果は得られないのです。

高周波脱毛器のメリットやデメリット

よく言われるのが、

  • 「高周波エネルギーは、レーザーのように黒い色素(メラニン)に対して反応するものではないので、日焼けや肌の色を気にすることなく脱毛できるメリットがある」
  • 「メラニンが少ない白髪や細い毛にも反応する」

以上のことがよくメリットとしていわれることがありますが、いずれにしても高周波脱毛器のパワーで、リスクを負うことなくはっきりとした減毛効果を得るのは難しいと思います。

医療機関における高周波脱毛とは?

フォトRF 一部の医療機関でも高周波エネルギーを使った脱毛が行われています。治療名でいうと「フォトRF」などがありますが、これは高周波エネルギーだけの脱毛法ではありません。

フォトRFは、IPL(インテンス・パルス・ライト:光エネルギー)と、RF(ラジオ波:高周波エネルギー)を組み合わせた治療器を使用したハイブリッドな治療です。

IPLは幅広い波長をもちますが、特に黒い色素のメラニンに反応して毛根、毛乳頭にダメージを与える作用はあります。

ところが、IPL単独では脱毛効果は低い欠点があります。

そこで、そのIPLと高周波エネルギーを組み合わせることでさらに大きな脱毛効果を得られるのがフォトRFというわけです。

フォトRFは高周波の熱パワーを組み合わせることで産毛にも効果があるとされ、白髪のようなメラニンが少ない毛にも効くとされます。そのようにして宣伝している美容クリニックも多いです。

ただし、実際には産毛や白髪への効果はとても低いです。やはり、細い毛や白髪のようなメラニンが少ない毛の永久的な脱毛効果は難しいのです。

エステサロンにおける高周波脱毛とは?

レーザー脱毛 一部のエステサロンでは、「高周波脱毛」という名称でサービスが行われていますが、これもやはり効果はほとんどないと考えて下さい。

そして、エステサロンは非医療機関であるため、低いレベルの出力で行われます。そのため、医療機関で行われているような効果を得るのはほぼ無理です。

また、繰り返して行うことで減毛効果を実感できる可能性もありますが、やはり高周波エネルギーでは難しいです。

そもそも、高周波エネルギーだけでしっかりとした脱毛効果を得ようとすると酷いヤケドを起こす可能性があるので、方法としてはとてもマイナーなものになります。

家庭用高周波脱毛器とは?

家庭用レーザー脱毛器 通販などにおいて、家庭用の高周波脱毛器が販売されていたりします。

「自分でムダ毛をケアしたい」と期待したいところですが、家庭用の高周波脱毛器では圧倒的に出力が低く、脱毛や除毛効果を得られるレベルではありません。

家庭用では、使い方によってはトラブルを起こす可能性もあるため高周波の出力が高い製品は販売されていません。よって効果もほとんどないのです。

高周波脱毛の効果まとめ

  • 高周波脱毛器はレーザー脱毛や光脱毛のようにメラニンに反応するのではなく、高周波エネルギーが毛根、毛乳頭に熱ダメージを及ぼすというもの。そのため、メラニンが少ない産毛、白髪などにも効果が期待されたりする。
  • ただし、高周波エネルギーは毛だけに作用するものではないので、毛根を破壊できるような強い熱を与えようとするとひどいヤケドしたり色素沈着を起こしたりする。
  • 高周波とIPL(光)と組み合わせた「フォトRF」という治療器の場合は脱毛効果が期待できる。フォトRFは医療機関で行われるもので、エステでは行っていません。
  • 家庭用の高周波脱毛器はエネルギーが弱い出力のものが多い。だからほとんど効果はない。なお、パチっとした軽い痛みがあります。