ハイドロキノンの発がん性の危険性とは?「ハイドロキノンのリスク」

強力な美白作用があるハイドロキノン。その効果は、

  • (1)メラニン合成を促すチロシナーゼ酵素の阻害
  • (2)メラニンそのものを薄くする漂白作用
  • (3)メラニン色素を作り出すメラノサイトの機能を抑制(この3番目の効能が問題の一つ)

その上記の3つの効果によってシミ、色素沈着に対して他にはない美白効果を得られるます。

ところが、一方でハイドロキノンは肌への毒性や発がん性(皮膚がん)のリスクが指摘されています。(これが最大の欠点)

今回は、ハイドロキノンの細胞毒性や発がん性のリスクについて考えていきます。

発がん性リスクの可能性

ハイドロキノンには発ガン性の可能性がある

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、動物実験においてハイドロキノンに発がん性リスクの可能性があると報告しています。(なお、アメリカ食品医薬品局(FDA)は日本の厚生労働省にあたる機関です)。

ハイドロキノンには変異原性という生物の遺伝情報に変化をひき起こす作用がラットを使った動物実験で認められており、発がんリスクの可能性があるのではないかと指摘されています。

これはあくまでも動物実験レベルの報告であり、人体への調査結果ではありませんが、やはり皮膚にとって毒性があるのは事実です。

ただし、ハイドロキノンによってはっきりと皮膚がんを起こしたという事例はまだ報告されていません。

皮膚への毒性があるのは事実

ハイドロキノンはメラノサイト(メラニン色素を作り出す細胞)に対する毒性があることが確認されています。

そもそも、ハイドロキノンの美白効果は、メラニンを作るメラノサイトの増殖を阻害することがシミに効く理由の一つなのですが、それは一方で毒性そのものなのです。

白斑の可能性があることが毒性が高い証拠

白斑の画像 ハイドロキノンを使い続けると、白斑(はくはん)という皮膚の色が抜けてしまう現象を起こしてしまうことがあります。

この現象は、ハイドロキノンの毒性によってメラノサイト(メラニンを作る細胞)が死滅(壊死)したことによるものです。

そして、細胞が壊死するような作用があるということは発ガン性があり、皮膚がんになってしまうリスクが少なからずあるということです。

なお、一度、白斑という状態になってしまうと、じょじょに色が戻ってくるケースもありますが、治らないこともあります。

ハイドロキノンは普通の美白成分とは違って作用範囲が広いので、それだけリスクも高いことを覚えておいてください。

ヨーロッパではハイドロキノンが禁止されている国もある

ハイドロキノンには発がん性リスクがあることから、ヨーロッパのいくつかの国ではハイドロキノンの使用が禁止されているところもあります。発がんリスクが限りなくゼロに近くても完全に否定できないためです。

また、ハイドロキノン配合化粧品の販売を認めている国でも、化粧品に配合する濃度を安全なレベル(例えば2%未満など)に配合規制している国が多いです。

フランスやドイツでもハイドロキノンの発ガン性に対して問題となったことがあったようです。

アメリカではハイドロキノンが禁止されている?

世界トップの医療先進国といわれるアメリカ。そのアメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)により、ハイドロキノンの発癌性の懸念があるとして国内での市販医薬品としての販売禁止が提案された経緯があります。

現在では2%以下が市販医薬品として販売が許可されていて、濃度が高くなると医師の処方箋が必要となっています。

アメリカでも規制されているハイドロキノンですが、一方でアメリカではシミ治療としてハイドロキノンがよく使用される成分だったりします。

シミを消す美白成分のスタンダードといってもいいレベルで、ハイドロキノンと一緒にトレチノインというターンオーバー早める成分を組み合わせて一気にシミを薄くする治療もよく行われていたりします。

そのため、ハイドロキノンというとアメリカの化粧品メーカーが製造しているものをよく日本でも見かけることができたりします。

なお、白人は肌質的に表皮層が厚くできているとされ、日本人と比べて20~30%ほど表皮層が厚いという報告もあります。バリア機能が高いので化粧品かぶれを起こしにくいようです。(けれど白人はメラニンが少ないので紫外線には弱いとされますね)。

日本では2001年から市販品に認められる

日本では安全性の問題点からハイドロキノンの化粧品への配合が禁止されていて、使用については医師の処方箋が必要でしたが、2001年の薬事法の改正により、一般の商品にも使用できるようになりました。

厚生労働省は美白有効成分として認可していない

厚生労働省が認める美白成分には、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、アルブチン、プラセンタエキスなどいろいろありますが、ハイドロキノンは美白成分として認められていません。

やはり、ハイドロキノンは使用を誤るとトラブルを起こす可能性が高い成分であるため、厚生労働省も関与しにくいのです。

安定型ハイドロキノンでも酸化の問題はある

ハイドロキノンには、酸化しやすい問題を解決した「安定型ハイドロキノン」、「新型ハイドロキノン」といった商品もあります。

安定化されたハイドロキノンでは「酸化→刺激性増大」といった問題が軽減されているようですが、それでも成分の特性上、普通の化粧品よりも酸化は進行します。

ハイドロキノンが酸化されると細胞毒性が増し、発がん性のリスクも大きくなるので、使用期限を守って早めに使わないといけません。

ハイドロキノンが目に入った場合はどうなるのか?

「目元のシミを消したい!」

そんな理由から、目の周辺にハイドロキノンを使った人もいると思いますが、もしハイドロキノンが目に入ったらどうなるのでしょうか。

やはりハイドロキノンは皮膚細胞への毒性があるように、眼球に対しても毒性があると考えられます。

ハイドロキノンはメラニン色素を作り出すメラノサイトに対する毒性がはっきりと確認されていますが、眼球においてもメラノサイトがあるので、目に対して害があってもおかしくないです。細胞毒性があれば発がん性も否定できません。

なお、眼球の白い部分にシミがある人がいますが、あれもメラニン色素の沈着(しみ)の一つです。結膜母斑といいます。

肌への毒性があるように目に対しても良いものではないので、もし目に入った場合は速やかに洗い流して下さい。そして、もし目が腫れたりしたら眼科を受診して下さい。

口に入った場合、飲み込んだ場合は大丈夫?

「子供がハイドロキノンを食べてしまった」、「飲み込んでしまった」、そんな場合、カラダへの悪影響はあるのでしょうか?

実は、人体に取り入れた場合の影響を調査したデータはありません。

環境省の報告では、「1日で体重1kg当たり1.5mg以下では無毒」ということになっています。

これは体重60kgの人が1日に90mgほどハイドロキノンを摂取しても発がん性などの問題がないだろうというものですが、全体的に環境省のその報告はデータに乏しいのが難点です。

いずれにしても個人的にはハイドロキノン化粧品の一般的な配合濃度レベルで、それを少し飲み込んだとしてもほとんど問題ないと思います。

ハイドロキノンを安全に使うには?

低濃度であればリスクはかなり低い

細胞毒性や発がん性といった問題が懸念されるハイドロキノンですが、安全な濃度(つまり低い濃度)で適切な使用を守ればハイドロキノンによる発ガンリスクはゼロに近いレベルだとされます。

数字でいえば、2%~4%くらいの濃度であればほとんど問題は起きないとされます。一方、5%ぐらいから副作用の報告が多くなるようです。10%濃度になると高確率で炎症を起こしたりします。

肌が弱い人は絶対に使用してはいけない

ハイドロキノンは低い濃度で使用すれば安全性は高いのですが、肌が弱い人がハイドロキノンを使用すると、高確率でかぶれ(接触皮膚炎)を起こします。

すぐ強い赤みがでたり、かゆくなったりヒリヒリしたりします。シミやニキビ跡の色素沈着を治そうとしても、かえってシミが濃くなったりすることがあるので敏感肌の人は使わないほうがいいです。

例えば、過剰ピーリングによるビニール肌、加齢が極端に進行した肌、皮膚炎がある肌、アトピーなどのアレルギー体質などの人は低い濃度でもかぶれたりする可能性が高いので使わないほうが無難です。

新鮮なものを使うのが基本!

ハイドロキノンは強力な還元作用(酸化の逆の反応)があり、それによってシミを薄くするのですが、それは一方でとても酸化されやすい不安定な物質だといえます。

古いものを使ったりすれば刺激性が強い物質へと変化しているので、絶対に新しいものを使って下さい。そして必ず使用期限を守って下さい。

ハイドロキノンの毒性は配合成分、添加物によっても違う

市販されるハイドロキノン化粧品は、当然、ハイドロキノンだけが配合されるのではなく、いろいろな添加物が含まれます。その添加物によって肌への刺激性や毒性に違いがあります。

一般に、グリセリンやBG(ブチレングリコール)、脂肪酸類、ワセリン、ミネラルオイルなどの肌を保護するような成分が多いほど、肌への刺激が少なくなります。肌がコーティングされるので、ハイドロキノンの作用が弱くなるのが理由です。

また、ハイドロキノンの刺激が心配な人は、塗る前に化粧水や美容液でしっかりと保湿することでハイドロキノンの刺激性を和らげることができます。ただし、それは効果が低くなってしまう塗り方だともいえますが・・・。

消炎成分が入っているものは炎症を起こしにくい

市販のハイドロキノンクリームには、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)などの消炎成分が含まれていることがよくあります。

グリチルリチン酸類は甘草の根や茎から抽出される成分で、ステロイドと似た構造により消炎作用をもたらしますが、ステロイドよりも分子量がかなり大きいのでステロイドのような副作用はないとされます。作用も穏やかです。

そういった成分が配合されているほど、赤みやかゆみ、ピリピリ感、かぶれといった副作用を抑えることができると思います。

プロフィール 名前:ミサ

看護師として皮膚科で8年間働いていました。勤めていた皮膚科は美容関連の自由診療を積極的に行っていたクリニックだったので、そこで経験したことをいかしてブログを更新しています。詳細