ビタミンEとは、不妊を防ぐ栄養素として発見された脂溶性のビタミンで、「トコフェロール」ともよばれます。ビタミンEには、強力な抗酸化力、老化防止作用、毛細血管の血行改善、新陳代謝活性化作用などがあることから、市販されている美白目的の医薬品やサプリメントなどにも多用されています。
ビタミンEの美白効果とは?
ビタミンEの最大の特長は抗酸化力
シミ、そばかすの原因となるメラニン色素は活性酸素が原因となって作られます。活性酸素が発生すると様々な情報伝達物質が放出され、それがメラノサイト(色素細胞)のチロシナーゼという酸化酵素を活性化し、チロシナーゼがチロシンをメラニンに変化させることで作られます。
ビタミンEは強力な抗酸化作用により、活性酸素を消去してメラニンが作られる過程をブロックします。
老化防止効果
活性酸素は脂質などを連鎖的に酸化させて、体の老化を引き起こす原因だと考えられていますが、ビタミンEは活性酸素による脂質の酸化を防ぎ、細胞や様々な組織へのダメージを抑制して老化の進行を遅らせる働きがあります。この働きからビタミンEは「若返りビタミン」や「老化防止ビタミン」などといわれることがあります。
毛細血管を拡張させ新陳代謝を高める
表皮内基底層のメラノサイトで作られたメラニン色素は、通常はターンオーバーによって排出されていきます。ただし、新陳代謝が低下していると、メラニンを含む皮膚細胞の排出が滞ってしまうことがあります。ビタミンEには、毛細血管を拡張して全身の血流を改善し、新陳代謝を活発にする働きがあります。
ビタミンEが不足すると、血流が悪くなって顔色が悪くなり、肌のくすみ、目の下のクマの原因になることがあります。また、女性に多い冷え性、肩こりなどにも影響が及ぶことがあります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは相乗的に抗酸化作用を示す
ビタミンE以外にも、ビタミンCやビタミンAなどには、優れた抗酸化作用があり、これらの抗酸化ビタミンは、それぞれが強力して体の酸化(サビ)を防ぐ働きをもちます。特にビタミンCには、酸化されて抗酸化力を失ったビタミンE(ビタミンEラジカル)を元のビタミンEへ戻す働きがあり、ビタミンEとビタミンCは同時に摂取するとより老化予防効果が高くなります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化ビタミンを合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼びます。
ビタミンEは美白目的のサプリメントなどにも配合される
美白を目的としたサプリメントや医薬品が数多く販売されていますが、その中にはビタミンEが配合されている商品が多くみられます。ビタミンEには、抗酸化パワーや血流を活発にして代謝を高める働きがあり、「抗酸化」と「メラニン排出」の2つの効果を有するため、積極的に使用されているのです。
ビタミンE摂取のポイント
ビタミンEの一日の所要量は?
成人男性:10mg、成人女性:8mg、許容上限摂取量:600mg
許容上限摂取量が600mgとなっていますが、通常の食生活ではこの量を摂取することは不可能で、サプリメントなどを利用しなければ600mgも摂取することはできません。
ビタミンEを多く含む食品・食べ物(可食部100gあたり)
植物油100ml:15~35mg、(サフラワー油100ml:35mg、オリーブ油100ml:14mg、なたね油100ml:17ml)、マーガリン:15.1mg、アーモンド:31.1mg、落花生:10.1mg、マヨネーズ:14.5mg、卵黄:3.4mg、 あゆ:5.0mg、うなぎ蒲焼き:4.9mg、モロヘイヤ:6.5mg、かぼちゃ:4.9mg、赤ピーマン:4.3mg、ほうれんそう:2.1mg、 キウイフルーツ:1.3mg、アボガド:3.8mg、マンゴー:1.8mg、ブルーベリー:1.7mg
ビタミンEは、特に植物油に多く含まれます。ただし、油の摂りすぎはカロリー過多になってしまいます。ビタミンEは、様々な食品に幅広く含まれています。極端な偏食やダイエットなどをすることなくバランス良い食生活をおくっている人は不足しにくいビタミンといえます。
ビタミンEは油料理、または油分と一緒に摂る
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油分と一緒に摂取すると吸収率が高まります。油分がない状態でビタミンEだけを摂取した場合は吸収率が著しく低下してしまいます。
ビタミンEの過剰症に注意
ビタミンEは脂溶性ビタミンですので体内の脂質に溶けて体内に残る(排出されにくい)性質があります。ビタミンEは、ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンと違って体内に溜めておくことができるため、過剰症としてなんらかの副作用が出る可能性があるのです。そのため、サプリメントなどでビタミンEを積極的に摂取する場合は、過剰症に注意する必要があります。
ビタミンEとともにビタミンCも摂取すると効果が高まる
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取すると抗酸化力が高まります。そのため、ビタミンCを積極的に摂取し、不足しないようにこころがけましょう。ビタミンCは、イチゴ、オレンジ、キウイフルーツ、グレープフルーツ、アセロラなどの果物や、キャベツ、ピーマンなどの野菜に多く含まれます。
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