しみ・色素沈着とホクロ(色素性母斑)との違いは?

ホクロとは、メラノサイト(色素細胞=メラニン細胞)が、高い密度で集まってできる母斑の一種で、盛り上がったものや一般的なシミのように平らなものがあります。ホクロとシミは姿や形は似ていますが、実際には異なる性質をもっています。

ホクロとシミの違い

しみ・色素沈着の正体はメラニン色素

加齢によるシミの画像 シミの正体は表皮性のメラニン色素の沈着によるものです。皮膚が紫外線や物理的な刺激を受けると、表皮内の基底層にあるメラノサイトが活性化し、チロシナーゼという酸化酵素を活性させます。そのチロシナーゼはアミノ酸のチロシンをメラニン色素へと変化させます。

通常は、表皮内で作られたメラニン色素はターンオーバーによって排出されていきますが、新陳代謝の乱れ、角化異常によってメラニン色素が皮膚に残ってしまうとシミ、色素沈着として現れます。

ホクロ(黒子)はメラノサイトが増加した状態

ほくろの画像 ホクロ(黒子)は、メラノサイト(メラニン細胞、色素細胞)が皮膚の一部に密集してできた母斑の一種で、多くは境界がはっきりとした円形状の形をしています。メラノサイトはメラニン色素を作る細胞であるため、メラノサイトが密集するとメラニン色素によって周囲よりも黒く見えるようになります。

ほくろは、全身にみられるものですが、比較的に顔面に多い傾向があります。それは、紫外線による影響が指摘されています。また、ほくろの中には、毛を有するものがあります。ほくろは平らなものから、盛り上がったものまで様々ですが、メラノサイトの一種である「母斑細胞」が増殖したホクロは盛り上がりがあります。

医学的には、あまり盛り上がりのない平らなホクロを「単純黒子」といい、母斑細胞の増殖によって盛り上がりのあるホクロを「色素性母斑」や「母斑細胞性母斑」といいます。

ほくろの種類

単純黒子

  • メラノサイト(色素細胞)が密集したもの。
  • 色は黒褐色~黒色。
  • あまり盛り上がりのない平らな状態。

色素性母斑(母斑細胞性母斑)

  • 母斑細胞が増殖した良性腫瘍で、皮膚に盛り上がりがある。
  • 色は黒褐色~黒色。皮膚色のものもある。
  • 皮膚の深い部分でのメラノサイトの増殖の場合は青く見えることがある。青色母斑といわれる。

ホクロは乳幼児期ごろからしだいに発現し、成長に伴って増加します。特に思春期ごろから増加し、ホクロの数が増えたり、色が濃くなったり、ほくろが大きくなったりします。ただし、50~60代以降になるとホクロの数は増えなくなり、色も薄くなっていきます。これは、老人になるとメラニン色素を作り出す色素細胞の働きが低下していくことが要因だと考えられます。

ホクロにはメラノーマ(悪性黒色腫)という皮膚ガンもある

医師がほくろを診断する画像 ホクロは、ほとんどの場合では良性腫瘍であり、通常は積極的に治療(切除)を行う必要はありません。ただし、悪性黒色腫(メラノーマ)といわれるメラノサイト由来の悪性腫瘍の場合では、治療が必要になります。

一般的なホクロと悪性のホクロの違いは、悪性のホクロは、「対称性がない」「境界がはっきりとしていない」「色調不均一」「長径6mm以上」などの特徴があります。医師に診てもらえば、すぐ診断できます。

メラノーマは紫外線や物理的刺激が原因で引き起こされるリスクが高くなるといわれています。特に足の裏は物理的な刺激によってホクロが悪性腫瘍に変化しやすく、足底にホクロがある場合は早めに切除した方が安心です。

しみ消し治療とホクロ除去治療の違い

しみ消し治療

しみ消し治療は主に以下のようなものがあります。

  • Qスイッチ・レーザー(Qスイッチ・ルビーレーザー、Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー、Qスイッチ・ヤグレーザー)。
  • IPL(フォトフェイシャル)による光治療。
  • ハイドロキノン、トレチノインなどの美白剤の使用。(ただし、しみの種類によっては効果がないものもあります)。
  • 美白成分配合の美白化粧品。(アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、ルシノール、リノール酸、4MSK、マグノリグナンなど)。
  • ビタミンCの内服。
  • トラネキサム酸の内服(主に肝斑治療)

通常、しみは表皮に存在し、ターンオーバーによって改善される可能性があります。そのため、レーザー治療や光治療だけではなく美白剤などの治療も有効なことがあり、治療方法も幅広いといえます。

ほくろ取り治療

ホクロ、イボ治療には主に以下のようなものがあります。

  • Qスイッチ・レーザー。(単純黒子:平らなホクロの場合)。
  • 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)やエルビウムヤグレーザーでホクロを削り取る。
  • くりぬき切除。
  • メスによる切除縫合。大きいホクロ、深いところにあるホクロ、悪性黒色腫が疑われるホクロはこの方法が有効です。

しみは表皮にメラニン色素が沈着した状態に対して、ほくろはメラニンを含む色素細胞そのものが増加してしまった状態です。そのため、細胞そのものをレーザーで破壊したり、削り取ったり、手術によって切除する方法が有効です。美白剤などは一切効果がありません。