外傷性刺青(外傷性タトゥー)の原因と治療 レーザー治療で治る?

b_gatattoo_01 外傷性刺青(がいしょうせいしせい)とは、皮膚にすり傷や切り傷ができたときに、砂利などの汚れを洗い流さないままにして傷口が治ると、汚れが皮膚に残って色素沈着を起こしてしまう現象です。

皮膚の中になんらかの色素が残ってしまい、刺青(入れ墨)と同じような現象が起きることから「外傷性刺青」と名が付けられ、他にも「外傷性タトゥー」とも呼ばれます。

外傷性色素沈着(外傷性刺青)の原因と特徴

原因は?

b_gatattoo_01 外傷後に何らかの汚れ、色素などの異物が真皮層などの皮膚の深いところに残ったまま治ってしまうことが原因です。外傷後に患部の汚れを洗い流さないまま傷が治ってしまうと発生します。

また、あまりにも外傷がひどい場合にも、異物の除去が遅れて発生することがあります。外傷に対する正しい処置の認識が低いことも原因の一つで、特に子供の時に起こすことが多いです。

多い事例

  • 運動場、公園などで転んで傷ができ、その砂汚れをしっかりと洗い流さないまま治ってしまうと色素沈着を起こします。
  • 交通事故などで体をアスファルトに強く打ち付けた場合、アスファルトの色、道路の砂、細かな石などが皮膚に残ってしまうことがあります。この場合、非常に強い外傷性色素沈着が起きます。
  • 登山、アウトドアなどで、外傷後に汚れを洗い流すことができなかったために、やむを得なくできてしまうことがあります。
  • 子供が皮膚に刺した鉛筆やシャープペンの芯が肌に残ってしまうこともあります。
  • キズパワーパッドなどを使った湿潤療法(モイストヒーリング)が良いと思って、外傷後に傷口を洗い流さないまま患部に傷パッドを貼ったりすると、傷は早く治りますが、汚れが目立ったまま治ってしまうことがあります。これは、傷に対する適切な知識が不足しているためです。

発生しやすい部位

外傷後、出血しているのに汚れを洗い流さないままにしていると、全身どこにでも発生する可能性があります。転んで怪我をしやすい手、腕、脚に発生しやすいといえます。

その他の特徴

  • 外傷性刺青は自然消失することはありません。
  • レーザー治療で薄くなっていく可能性がありますが、元の綺麗な状態の皮膚に戻すのは困難なことが多いです。
  • 異物が皮膚に残って、その影響でアレルギー反応を引き起こし、ケロイド、肥厚性瘢痕を引き起こすことがあります。皮膚がしこりのように盛り上がります。

主な治療方法

  • レーザー治療。
  • 手術。
  • 植皮(皮膚移植)。

外傷性刺青・外傷性色素沈着症の治療

レーザー治療

外傷性刺青は、Qスイッチレーザーで改善する可能性があります。Qスイッチ・レーザーとは、高い出力のレーザー光をナノ秒単位という劇的に短い時間で照射できるレーザーをいいます。照射時間が一瞬であるため、高い出力でも皮膚へのダメージを抑えながら治療できるメリットがあります。Qスイッチ・レーザーには3つあります。

Qスイッチ・ルビーレーザー

694nm(ナノメートル)のレーザー。この波長は黒や青などの濃い色によく反応し、血管などの組織に対してはダメージが少ない波長です。多くの色素性病変に対して広く使用されるタイプのレーザーです。

Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー

755nmのレーザーです。ルビーレーザーと比較してやや波長が長く、皮膚の深部にまで吸収されます。黒や青などの濃い色に反応するレーザーです。この波長はレーザーによる永久脱毛にも使用されます。

Qスイッチ・YAGレーザー(ヤグレーザー)

基本波1064nmと半分の532nmの2つの波長をもつレーザーです。波長が長いため、皮膚の深い層にまで作用させることができます。また、半波長532nmの場合は浅いところの色素性病変に効果を発揮します。

  • レーザー治療は保険適用です。
  • 皮膚の深い部分の色素沈着の場合、何度もレーザー治療が必要になります。
  • 繰り返しレーザー治療を行っても、思うように効果を得られないこともあります。
  • レーザーでは消えにくい色素もあります。

手術

大きな異物が残っている場合は、手術によって取り除く方法が適している場合があります。異物を取り除いた後に、まだ色素が残っている場合は、Qスイッチ・レーザーによる治療が行われます。

植皮(皮膚移植)

外傷による傷跡や色素沈着がひどい場合は、植皮(皮膚移植)という方法もあります。自分の体の他の部位から皮膚を採取して、目的の部分に移植する方法です。ただし、この方法でも傷跡が残ったり、ダウンタイムが長くなる欠点があります。