尋常性白斑(皮膚の色抜け)の原因と治療方法

白斑の画像 尋常性白斑とは、皮膚の色素が抜けてしまい、肌が部分的、あるいは全身にわたって白くなってしまう皮膚疾患をいいます。

世界的スターのマイケル・ジャクソンが罹患していたことで有名です。日本では、「シロナマズ」といったりします。全世界では0.5-1%が羅患しているといわれ、日本では、1~2%程度が羅患しているとされています。

ハイドロキノンという強力な美白剤の高濃度のものを使用継続していると、皮膚の色が抜けてしまうことがありますが、それは病気による尋常性白斑とは違います。

尋常性白斑の原因と特徴

白斑の画像 白斑の症状には、広範囲に拡大するA型の「進行型・汎発型」と、神経が支配する皮膚分節にしたがって現れるB型の「神経分節型」の2種類があるとされます。

進行型・汎発型

症状

初期段階は1cmほどの小さな色抜けから始まり、放置しているとそれが広範囲にわたって最終的には全身に拡大します。メラノサイトが進行的に死滅してしまうため、放置していると皮膚色が真っ白に抜けてしまうことがあります。

原因

メラニン色素を作り出すメラノサイト(色素細胞)に対する自己抗体が出現してメラノサイトを破壊してしまうことで引き起こされる自己免疫疾患が原因だといわれています。高い割合で家系内発症がみられることから遺伝的な要因が疑われています。

特徴

  • 子供から老人まで全年齢に発生します。
  • 顔面、体幹部、手足などどこにでも発現する。
  • 衣服でこすれる部分に左右対称に現れることがあります。
  • 甲状腺機能異常を合併していることが多い。
  • 白斑の症状が頭部に発現すると、その部分の毛髪が白髪になることがある。

神経分節型

症状

神経が支配する皮膚分節にしたがって部分的に皮膚の色素が抜けます。全身に広がっていくことはなく、片側の神経に沿って発現し、発症後数年で白斑の進行が止まります。メラノサイトは完全に損失していないとされます。

原因

不安やストレス、または皮膚への過剰な刺激などによって引き起こされることが多いようです。詳しいことは明らかになっていませんが、以下のようなメカニズムで発生すると考えられています。

  • 神経障害により、末梢の神経とつながっているメラノサイトの働きが低下・停止する。
  • 神経障害により、色素を作り出す情報伝達物質の欠損。

特徴

  • 若年層にできやすい傾向があります。
  • 白斑の中でこの症状を引き起こすのは非常にまれです。
  • 治療を継続しても現状では治りにくい。
  • この症状はメラノサイトの完全な死滅はないとされています。

尋常性白斑の治療方法・対症療法

白斑は治りにくい皮膚病です。そのため、症状の進行を遅らせる、または症状を目立たなくさせるような対症療法が中心です。

紫外線治療

紫外線療法によって、メラニン色素を作り出すメラノサイト(色素細胞)を活性化させる方法です。白斑はメラノサイトがメラニン色素を作り出す働きが停止していることで引き起こされていると考えられ、紫外線によってメラノサイトを活性化させることで白斑の進行を阻止して、症状の改善が期待できます。

ステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン外用)

ステロイド外用薬を使用することで白斑の進行を阻止させることができます。また、皮膚の色素再生が期待できます。ただし、長く使い続けると、皮膚が極端に薄くなったり、血管がもろくなったり、免疫が低下して皮膚病を引き起こすことがあります。

美白治療

日焼けを避けて全身のメラニン生成を抑えることで、相対的に白斑を目立たなくさせることができます。メラニン色素の紫外線によってたくさん合成されるため、必ず日常的な紫外線対策が必要です。

タトゥー・入れ墨(刺青)

部分的に肌色が抜けている場合は、その部分をタトゥーによって色素を入れてしまうこともできます。他の部位と若干の色ムラができることがありますが、劇的に目立たなくなります。

植皮(皮膚移植)

植皮(皮膚移植)とは、自身の健康な皮膚を採取して、目的の部分に移植する方法です。大きく分けて、皮膚すべてを採取して移植する「全層植皮術」と、皮膚を浅く採取してそれを移植する「分層植皮術」の2つの方法があります。ただし、この方法ではかえって拘縮、肥厚性瘢痕などの傷跡やひどい色素沈着を起こすケースがあり、あまり実用的ではないといえます。