SPF50などの紫外線ブロック効果が高い日焼け止めは皮膚への負担が大きい?

日焼けで背中が皮むけした画像 紫外線は、しみ、しわ、たるみなどの肌老化の8割を占めるといわれ、皮膚の老化を予防するには、日常的な紫外線対策が不可欠です。

紫外線をブロックするには、日焼け止めが有効ですが、場合によっては日焼け止めコスメが肌への負担になってしまうこともあります。特に「SPF50」といった高い紫外線ブロック効果をうたった商品は皮膚への負担が高くなる傾向があります。

日焼け止めによる肌荒れについて

日焼け止め効果の目安である「SPF」と「PA」とは?

日焼け止め効果のある化粧品には、必ず「SPF」や「PA」といった紫外線ブロック効果のある目安が表記されています。

SPF(Sun Protection factor)

日焼け止めの画像 SPF(Sun Protection factor)は、UVB(紫外線B波)という紫外線をブロックする効果を数値化したものです。素肌でUVBを浴びた時に日焼けが始まるまでの時間を「1」としたときにそれを何倍まで遅らせることができるかを数値化したものがSPFです。例えばSPF20のサンスクリーン剤では、何も日焼け止めを塗らないときと比較して、日焼けが始まる時間を20倍遅らせることができます。日本人は一般的に素肌で紫外線を浴びると20分ほどから日焼けが始まるといわれており、SPF20のサンスクリーン剤では約400分(6時間40分)日焼けを遅らせることができるということです。

PA(Protection grade of UVA)

紫外線ブロックPA PA(Protection grade of UVA)とは、UVA(紫外線A波)のブロック効果の程度を表すものです。PAは4段階に分類されています。

  • PA++++・・・極めて高い効果がある。
  • PA+++・・・非常に高い効果がある。
  • PA++・・・高い効果がある。
  • PA+・・・効果がある。

UVAは、波長が長いため皮膚に対するダメージは弱いですが、皮膚の深部にまで到達し、真皮層のコラーゲンやエラスチンなどを変性させ、しわ、たるみを引き起こす要因になるといわれています。

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤

日焼け止め効果のある化粧品には、「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」のいずれか、もしくは両方が含まれています。この2つの成分には、紫外線をブロックする作用に違いがあります。

紫外線散乱剤

紫外線散乱剤は、紫外線を散乱・反射させる物質をいいます。金属を酸化させた細かい粉体や、微細の粘土質の粉などが使用されます。物質そのものが白い紛体なので、紫外線散乱剤が高配合された日焼け止めは「白浮き」の原因になります。

紫外線散乱剤には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、カオリン、タルクなどがあります。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤は、紫外線に当たると化学変化をおこして熱エネルギーに変化して放出し、紫外線の影響を緩和させる物質です。紫外線吸収剤は無色透明であるため、日焼け止めによる「白浮き」がありません。

UVA吸収剤には、パルソールA、メギゾリルSXなど、UVB吸収剤には、桂皮酸、オキシベンゾンなどがあります。

紫外線吸収剤は肌への負担が大きい?

紫外線吸収剤は、紫外線を浴びると化学変化を起こし、熱エネルギーに変換して放出することで紫外線ダメージを和らげますが、肌の上で化学変化を起こすことによってそれが刺激となり、かゆみ、かぶれ、肌荒れを引き起こすことがあります。そのため、紫外線吸収剤の配合量には制限があり、日常的に使用するような日焼け止めには配合されていないことが多いです。

紫外線吸収剤が配合された日焼け止めを塗って紫外線を浴びると、一見、皮膚に異常が起きてないと思っても、細かな炎症が起こっている可能性があります。

UVカット効果が高い日焼け止めは紫外線吸収剤が配合される?

「SPF50」のような日焼け止め効果が高いサンスクリーンのほとんどには紫外線吸収剤が配合されています。その理由は、紫外線散乱剤だけではしっかりと紫外線をブロックできないことや、紫外線散乱剤は白い紛体であるため、高配合すると白っぽくなってしまうためです。

また、日焼け止め効果が高いものは、夏場の海水浴などを想定しており、汗や海水にも強い紫外線吸収剤が適しています。紫外線散乱剤では、紫外線を跳ね返す物質が汗や摩擦で移動しやすいのです。日焼け止めによる「白浮き」を抑えるためや、UVカット効果を高めるためにSPFが高い日焼け止めには紫外線吸収剤が配合されるのです。

日焼け止め選びとスキンケアのポイント

紫外線吸収剤フリーのものを使用する

日焼け止めを塗る画像 紫外線吸収剤は紫外線を浴びると化学変化を起こすことで紫外線ダメージを緩和する一方で肌への負担があり、場合によっては化粧品かぶれを起こしてしまうことがあります。

そのため、メーカー側も安全性を考慮して、「紫外線吸収剤不使用」、「紫外線吸収剤フリー」、「ノンケミカル」などと表記された紫外線吸収剤が使用されていない日焼け止めコスメが数多く登場しています。

日常的な日焼け止めは、吸収剤不使用の日焼け止めを使用するのが理想的です。

SPF15~30ほどのサンスクリーンを厚めに塗る

日焼け止めの画像 強い日差しを浴びる時は、紫外線吸収剤が含まれないSPF15~30くらいの日焼け止めを厚く塗ると肌への余計な負担を抑えながら紫外線を予防することができます。

紫外線散乱剤だけで構成された日焼け止めは紫外線予防効果が低いため、やや厚めに塗り、汗などで流れることがあるためこまめに塗り直すことも重要です。

紫外線散乱剤中心の日焼け止めを厚塗りしてしまうと白くなって、自然な肌色にならないことが欠点です。その問題を改善し、白浮きを抑えた超微粒子粉体(ナノ粒子)の紫外線散乱剤も登場しています。