毛穴のしみ、黒ずみを治す方法とは? 色素沈着の原因と治療法

毛穴の黒ずみの画像 「いつの間にか毛穴が黒っぽくなってきた」

毛穴と一致した黒ずみは、なんらかの炎症によって引き起こされることがほとんど。

原因は主にムダ毛処理、紫外線、皮脂の酸化、皮膚病などによるものが考えられます。

毛穴が黒ずむ原因を詳しく

カミソリや毛抜きは毛穴が黒くなる原因

カミソリや毛抜きによる毛嚢炎発生の写真 ムダ毛処理において、カミソリや毛抜きなどを使っているとしだいに毛穴が黒ずんでくることがあります。

カミソリは皮膚の浅い層への損傷、毛抜きは毛穴の底の強い損傷が起こり、そのダメージが蓄積されることでメラニンも蓄積され、しだいに毛穴がしみっぽくなるのです。

特に、毛抜きや脱毛テープ、ワックス脱毛などの「抜く」方法になると、出血を起こすくらい皮膚が強いダメージを受けるため、それを繰り返せば色素沈着を起こしても不思議ではありません。

紫外線による皮脂の酸化

紫外線の画像 紫外線によってシミができやすくなるように、毛穴においてもシミになってしまうことがあります。

特に問題となるのは紫外線による皮脂の酸化です。

酸化された皮脂は皮膚に対して刺激性が強くなり、毛穴の炎症を引き起こすようになります。

そして、同時にメラニン色素の合成が促されます。

その現象が何度も繰り返されると、メラニン色素の定着が起こり、毛穴が黒ずんでくるようになります。

ターンオーバーが活発な若い時期ならば作られたメラニンも古い角質と一緒に剥がれていくのですが、老化が進行すると表皮細胞の劣化によりメラニンが留まってしまうことが多くなります。

皮脂内の不飽和脂肪酸の酸化

皮脂中にはオレイン酸やパルミトレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸が含まれます。(それらの脂肪酸は常在菌が皮脂を分解して作られます)。

そして、その不飽和脂肪酸は酸化されやすい性質があり、毛穴で炎症を誘発してメラニンの生成を促してしまう原因となります。

毛穴の開きも不飽和脂肪酸が原因?

毛穴の画像 毛穴が大きく開いたように見える現象も、不飽和脂肪酸の酸化が大きく関係しています。

毛穴において炎症が慢性的に続くと、毛穴の入り口部分が損傷してすり減ってしまい、それによってしだいに毛穴が大きく開いたようになってくることがあります。

ニキビも不飽和脂肪酸の酸化が原因

ニキビの画像 ニキビにおいても皮脂中の不飽和脂肪酸の酸化が関係しています。

皮脂中のオレイン酸やパルミトレイン酸などが時間とともに酸化され、それが毛穴を刺激。

そしてターンオーバーが過剰に進んでしまうことで毛穴がふさがってニキビができてしまうのです。

ストレスによるスクワレンの酸化が毛穴トラブルをまねく?

皮脂の中には、スクワレンという保湿作用をもつ成分が約10%ほど含まれます。

そのスクワレンは非常に酸化されやすく、過酸化脂質に変化すると連鎖的に皮脂を酸化させ、肌に炎症を引き起こすきっかけになるといわれています。

なお、ストレスを抱えている人ほどスクワレンが酸化しやすい傾向があることがわかっています。

ストレスでニキビができやすくなるのも、スクワレンの酸化と皮脂の酸化が関係しているようです。

皮脂が多いほど皮膚は炎症しやすくなる

皮脂は空気(酸素)に触れると必ず酸化するようになります。そのため、皮脂量が多い人ほど酸化の刺激を受けやすい、つまり毛穴の炎症が起きやすいようです。

慢性的な皮膚病で毛穴が黒ずむ

脂漏性皮膚炎の画像 脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚炎が続くことで、毛穴が黒ずんでくることがあります。

特に脂漏性皮膚炎の場合は、皮脂の刺激による接触皮膚炎が原因なので、毛穴が黒ずんでくることがよくあります。

単に乾燥でも毛穴が黒ずむこともある

肌が乾燥しているとバリア機能が低下してきます。そして、バリア機能が弱くなっていると炎症が起こりやすくなりますが、それによってシミができやすくなります。

きちんと保湿してカサカサ肌を改善しないといけません。

ビタミン不足でも炎症が起きやすくなる

ビタミン不足によって炎症が慢性化してしまい、しだいに毛穴がシミっぽくなることもあります。

特にビタミンB2やB6、ビオチンなどは皮膚の健康に関わるので、それらが不足すると炎症が慢性化し、じょじょに毛穴が黒ずんできたりします。ビタミンは不足しないようにしないといけません。

お化粧もできるだけ止めたほうがいい

日常的なお化粧が思ったよりも肌に刺激を与えていたりします。また、クレンジングにおいても肌に負担になるもの。

それによって細かな炎症が起き、しだいに毛穴が黒ずんでくる可能性があります。

毛穴の黒ずみを治すにはどうしたらいい?

美白剤によるしみ治療

美白の画像 毛穴の黒ずみは、美白成分で改善できる可能性があります。

シミに効く美白成分には以下のようなものがあります。

  • ビタミンC誘導体
  • α-アルブチン
  • コウジ酸
  • エラグ酸
  • プラセンタエキス
  • マグノリグナン
  • ルシノール
  • 4MSK
  • ハイドロキノン
  • ルミキシル

なお、ハイドロキノンは刺激性が強いことや、かぶれたりすることが少なくないので、必ずパッチテストを行ってから使用して下さい。

ビタミンC誘導体は特に効く

毛穴のシミは皮脂が原因となるケースが多いですが、その場合は特に水溶性のビタミンC誘導体が効きます。

ビタミンC誘導体は以下のような効能があります。

  • 皮脂分泌を抑制する作用
  • メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の阻害作用
  • すでにある色素沈着を淡色化する還元作用
  • 活性酸素を消去する作用

皮脂を抑えながら、メラニンの抑制とメラニンを薄くする作用があり、過剰な皮脂による毛穴の黒ずみを改善してくれるはずです。ニキビ予防にもなります。

そして、水溶性ビタミンC誘導体にはいろいろ種類がありますが、最も吸収性が良い「リン酸アスコルビルMg」や「リン酸アスコルビルNa」というように「リン酸」と表記されてあるものを選びましょう。

ピーリングもシミを薄くできる可能性はあるけど・・・

ピーリングの画像 ピーリングとは、フルーツ酸(AHA)やサリチル酸(BHA)などの酸を使用して古い角質を剥がし、新しい皮膚との生まれ変わりを促す美容法。

ターンオーバーを促すことでメラニンの排出が促されるメリットがあり、毛穴に沈着したメラニンをより早く薄くすることができます。

そして、ピーリングを行う場合は美白剤を使いながら行うのが理想です。(ターンオーバー促進+美白)

ただし、角質を剥がすという方法は肌老化を早めてしまうことにもなるので、ピーリングは肌が強い人にしか行ってはいけません。

そしてピーリングは長い期間にかけて何度も繰り返せる方法ではないです。肌が疲弊してしまいます。

美白治療にピーリングを用いる場合は以下のことを守りましょう。

  • ピーリングは週1回ペースで期間はひとまず3か月以内にする。短期間で集中的に行うのが理想。
  • 組み合わせる美白剤はルミキシルなどの美白効果が高いものを使う。
  • ビタミンC誘導体やプラセンタエキスなどのイオン導入も効果的。
  • シミが薄くならないからといってピーリングの使用頻度や濃度を高めたりしない。

IPL・フォトフェイシャル

IPL・フォトフェイシャルの画像 IPL(フォトフェイシャル)とは光治療の一つ。幅広い波長をもつ特殊な光を使って、しみや皮膚の赤みなどのいろいろな肌の悩みを同時に改善します。

毛穴のシミにも効きます。広範囲を治療できるのがメリットです。一度では薄くならなくても、治療を繰り返すことで確実に毛穴のシミは薄くなっていくはずです。

レーザートーニング

ピコレーザーの写真 レーザートーニングとは、皮膚に対してダメージが少ないレーザーを使用した穏やかなシミ取り治療です。

一般的なシミ取りレーザーの場合は、照射による皮膚のダメージが強く、それによってかえって色素沈着を起こしてしまうことがありますが、レーザートーニングではそのような心配はありません。

とても優しいレーザー光線を瞬間的に何度も照射し、肌に負担をかけることなく毛穴のシミを薄くしていくことができます。

また、広範囲に行えることやダウンタイムがないので肌質に関係なく行えることも利点です。

ピコレーザートーニングとQスイッチヤグレーザータイプの2種類がありますが、ピコレーザートーニングのほうが少ない治療回数で効果が出やすいです。

とても良い治療なので導入するクリニックもかなり増えています。地方のわりと小さな皮膚科でもこの治療を行っていたりします。自由診療です。