打撲・打ち身による内出血後の色素沈着の治し方とは? 原因と治療方法

打撲による青あざ・内出血の画像 内出血を起こすような強い打撲をすると、腫れが引いた後にモヤモヤとしたシミ(色素沈着)が残ってしまうことがあります。

打撲による色素沈着は、ある程度は時間をかけなければ治っていきませんが、症状の悪化を予防するにはいくつかの方法があります。

今回は、打撲による色素沈着の発生の仕組みと、シミの悪化予防についてです。

打撲によってシミができる仕組み

打撲による青あざ・内出血の画像 皮膚を何かに強く打ち付けると、皮膚が強く腫れることで防御反応としてメラニン色素が作られます。そして、腫れや内出血が引いたらメラニン色素だけが残って茶色いアザのように残ってしまいます。

メラニン色素が多い肌質の人ほど色素沈着が濃くなる傾向があります。

他にも、紫外線を浴びやすい部分ほど、色素沈着が残りやすいといえます。

人種では、日本人を含む東洋人はメラニンを作り出す能力が高いため、色素沈着がひどくなる傾向があります。

打撲後の色素沈着は治る?

打ち身をした後の色素沈着は時間の経過と共に治っていきます。強い打撲の場合は、数年単位の長い時間がかかるかもしれません。

また、皮膚の表面に傷を負ったような打撲も月日の経過とともに薄くなっていきますが、そういった場合は特に色素沈着が濃く残ります。

色素沈着が残った場合はレーザー治療などを用いないと改善しにくいかもしれません。

治りにくい理由は?

どんな理由においても皮膚がダメージを受けると、必ず炎症反応が起こります。打撲もその一つ。

炎症によってメラニンがたくさん生み出されますが、それが表皮内だけに留まっていれば、約42日間とされるターンオーバーと共にじょじょに薄くなっていきます。

ところが、炎症反応が強くなると表皮と真皮の間に存在する基底膜という部分の構造が乱れ、メラニンが真皮層に入り込みやすくなります。

真皮は表皮のように活発に皮膚の生まれ変わりが行われていないので、真皮層のメラニンはとても薄くなりにくい問題があります。

なお、真皮に落ち込んだメラニンはメラノファージが処理しますが、活動性が低いことなどの理由から改善するまで年単位の時間がかかることも。

そのため、打撲後の炎症はできるだけ予防したほうがいいのです。

打撲後の色素沈着を予防するには?

患部を冷やす

打撲後にはすぐに皮膚を冷やすことが腫れを抑制するために非常に重要なポイントになります。

打撲は皮膚が腫れてやや熱をもった状態であり、腫れをしずめるためにとにかく冷やすことが先決です。

冷水で冷やしたり、ビニール袋に入れた氷水などで10~15分ほど冷やしましょう。打撲後にいかに素早くこの処置ができるかどうかで、治り方が大きく異なります。

なお、アイスパックなどで直接皮膚を冷やしすぎるとかえって症状の回復を遅らせてしまうことがあります。血流が悪化したり、ミトコンドリアの働きが低下するためです。

皮膚の腫れには冷水やタオルの上からビニール袋に入れた氷水などで冷やすくらいで充分です。冷やしすぎないことも重要です。

傷がある場合はハイドロコロイドテープを使う

打撲と同時に傷がある場合、出血がある場合は、キズパワーパッドなどを貼った後に、その上から皮膚を冷やします。

心臓よりも高いところに上げる

打撲を起こした後は、患部を心臓よりも高い位置に上げることが腫れを抑えるためには重要です。

例えば、脚に打撲ができたらビニール袋に入れた氷水などで冷やしながら寝そべって、脚を上げたままの状態を維持しましょう。目安として30分ほどが理想です。

患部を冷やすことと同時にこの処置をするだけで腫れを抑制し、治った後の色素沈着を抑制することができます。

冷湿布で腫れを抑える

患部を冷やした後は冷湿布で腫れを抑制しましょう。また、温湿布ではなく必ず冷湿布を使用しましょう。打撲した皮膚に温める行為は禁物です。

その日はお風呂には入らない

打撲後に皮膚を温める行為は腫れをひどくします。打ち身がひどい場合は、その日の入浴は絶対にしないで下さい。

患部を温めてしまうと腫れや炎症が大きくなる原因となります。

また、打撲の程度が強い場合は、3~5日間ほどは患部を温めないようにしたほうがいいです。

打撲の部位が腕や脚ならば、その部分をお湯につからないようにしたほうがいいです。また、簡単にシャワーだけに済ましたりして工夫して下さい。

マッサージしたりしない

打撲後の内出血を早く治したいとして、さすってマッサージをする人がいます。

血行が良くなると内出血が良くなるだろうと認識しているようですが、内出血が起こっているような打撲をしている場合、患部が熱をもっていますので、それを冷やさなければいけません。

温めるような処置ではかえって症状を悪化させてしまいます。

打撲に効くお薬いろいろ

湿布(しっぷ)すると治りが早くなる

打撲後、冷やした後に湿布をすれば腫れや炎症を抑えることができます。

市販品では「フェイタス」というフェルビナクを主成分とした湿布が効きます。フェルビナクは鎮痛消炎成分で、炎症や腫れを抑制する作用があります。

消炎薬でもOK

スキンセーフAPクリームの画像 打撲には、湿布薬ではなく消炎効果があるお薬ならば効果が期待できます。

市販品であれば、スキンセーフAPクリームなどがあります。

ステロイドは使ってはいけない

打撲後の痛みがあるとしてもステロイド外用薬を塗ったりしないで下さい。

ステロイドには優れた抗炎症作用がありますが、免疫機能や皮膚細胞の働きを抑えてしまうので、治りが悪くなることがあります。

ヘパリン類似物質が効く

ヒルドイドローションとソフト軟膏の画像 ヘパリン類似物質という成分を配合した塗り薬が打撲後の皮膚の赤みや腫れの回復に役立ちます。

ヘパリン類似物質は、保湿作用、血行促進作用、皮膚細胞活性化作用などがあり、打ち身をした後の治りを早めてくれます。

病院で処方されるのはヒルドイドクリーム、ビーソフテンクリームなどが有名。

市販品ではアットノンなどがあります。いずれもヘパリン類似物質を配合していて、皮膚の損傷の回復をサポートします。

飲み薬ではイブプロフェンが効く

イブ錠(イブプロフェン) イブプロフェンを飲むことで打撲後の炎症や腫れを軽減することができます。

イブプロフェンは、痛みや炎症をとる成分で、よく風邪薬にも配合される成分。イブ錠、エスタックイブ、ベンザブロックなどに含まれます。

炎症反応に関与するプロスタグランジンという生理活性物質をブロックすることで、炎症を抑制します。

炎症を抑えることで赤みや色素沈着をより軽減することができます。

飲んで1時間くらいで効きます。即効性があるのが利点。

そして、イブプロフェンはドラッグストアなどでも購入できるものです。また、病院でも処方してもらえます。

ロキソニンも効く

ロキソニンSの画像 ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)も、打撲による痛みや炎症を抑えてくれます。

作用はイブプロフェンとほとんど同じですが、ややロキソプロフェンのほうが痛みを抑える作用が高いとされます。

レーザー治療で色素沈着が治る

もし、打撲によって色素沈着が残ってもレーザーによって治すことができます。

ピコレーザーの写真 種類としてはピコレーザーというレーザーが最も有効。

ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒単位)という限りなく瞬間的に照射できる機器で、皮膚に当たる時間がほんの一瞬であるためダメージを抑えながらしっかりとシミに対応します。

打ち身で濃いシミが残ったとしても、ほとんどわからなくなるレベルまで薄くできるので、あまり悩まないで下さい。

ただし、打撲が治ってから半年以上たってからレーザー治療を行って下さい。皮膚の損傷から完全に回復するまでは半年間はかかるためです。

美白成分の効果は?

打撲した後の色素沈着に対して、ビタミンC誘導体やハイドロキノン、ルミキシルなどの美白成分でもある程度は効果が期待できるとは思います。

ただし、それらの成分は表皮性のシミにしか効きません。皮膚の強い損傷によって発生した色素沈着はメラニンが深い層に入りこんでいるので、表皮にしか作用しない美白成分には限界があります。

記事を書いた人

プロフィール 名前:ミサ

看護師として皮膚科で8年間勤務。美容関連の自由診療を行うクリニックで経験した事をいかしてブログ更新中!