シミ、くすみなどの肌の悩みは慢性的なストレスによって引き起こされることがあります。ストレスを感じると、ホルモンバランスの乱れ、生理機能の低下、ターンオーバーの低下などをまねき、肌トラブルが発生しやすくなります。
ストレスと肌トラブルの関係
ストレスを受けるとメラニンを濃くするホルモンが増加する
ストレスを受けると、抗ストレスホルモンと同時にメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)が増加します。このMSHによってメラニン色素の生成が促され、メラニンが濃くなってシミ、くすみ、黒ずみなどの色素沈着を引き起こすように働きます。
実際に日常的なストレスレベルが高い人ほど顔のシミが多くなる傾向があるようです。
ストレスはホルモンバランスを乱す
慢性的なストレスはエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの分泌を減少させてしまう要因になります。ストレスの期間が長くなってしまうと、場合によっては生理不順を起こしたり、月経(生理)そのものが止まってしまうこともあります。エストロゲンのような女性ホルモンには女性の肌や体を美しく導く働きがあり、肌の潤いを高めてキメを整えたり、コラーゲンの合成を活発にしハリや弾力を生み出す作用があります。そのため、ストレスによってエストロゲンが不足してしまうと肌のトラブルをまねきやすいといえます。
ストレスを受けると生理機能が低下する
慢性的なストレスを受けると体の代謝機能に影響を及ぼします。ストレスによって生理機能が低下すると新陳代謝が低下して肌においてもシミやくすみが悪化する可能性があります。
ストレスには大きく分けて「イライラ型ストレス」と「落ち込み型ストレス」に分けられますが、特に落ち込み型のストレスが慢性的になるとしだいに体の生理機能を低下させて、美容だけではなく、様々な病気の要因になることがあります。
ストレスは血流を悪化させる
ストレスを受けると血流が悪化してしまうことがわかっています。血行が悪くなると新陳代謝が乱れて、シミ、くすみを起こすようになります。血行不良によって特に影響を受けるのは目元で、目元の皮膚は非常に薄いため血流が悪化することで目の下のくまとなって現れることもあります。
ストレスは活性酸素を発生させる
ストレスを受けると大量の活性酸素が発生するといわれています。活性酸素はメラノサイト(色素細胞)を刺激してメラニン色素の生成を促す原因になるといわれており、活性酸素によってシミやくすみをまねく可能性があります。
また、活性酸素の強い酸化力により細胞にダメージを与えて肌老化を引き起こします。肌が細胞レベルでダメージを受けると、しみ、しわ、たるみ、にきび、肌荒れなどを引き起こすことがあります。
活性酸素は、ストレスの他にも紫外線、喫煙、暴飲暴食、激しい運動などで大量に発生します。特に紫外線は直接皮膚に対して作用するため、見た目の老化を進行させてしまいます。
ストレスの対処法
運動でストレス発散
ストレスを発散させるためには、体を動かすことが最も理想的です。運動によって体を動かすことで血流も良くなりますし、イライラや落ち込んだ気分をリフレッシュさせることができます。イライラ型のストレスではウォーキングなどのゆっくりとした運動、落ち込み型のストレスでは、やや汗をかけるような活発な運動が理想的です。
適度な運動はストレスによって乱れた自律神経を安定させます。そして、体を動かすことによって肉体的な疲労を起こし、その疲れによって夜もぐっすり眠れるようになります。
アロマテラピーは不安的な精神を安定させる
ストレスにはアロマテラピーも有効です。アロマの香りがストレスによって乱れた自律神経を安定させてくれます。精神的に不安定で寝つきが悪い場合は、「マジョラム・スイート」や「ラベンダー」などのアロマが理想的です。また、やる気がでなくて気分を高めたい時は、「レモン」や「オレンジ」などの柑橘系や「ローズマリー」などのアロマが理想です。
東洋医学においても、香りは「気」のめぐりを改善して不安やイライラを解消するものと考えられています。
ストレスを感じる時こそ睡眠の質にこだわる
健康や美容のためには睡眠をしっかりとることが基本です。肌は寝ているときに活発に作られるため毎日の睡眠の質が重要ですが、精神的に不安や悩みがある時はなにかと寝つきが悪くなったり、ぐっすり眠れなかったりすることがあります。
睡眠の質を高めるには、やはり日中に活動的に行動することが重要です。日中にたくさんの光を浴びてよく考えよく動いて活発に行動し、就寝前は間接照明などで明かりを落として休息に向かうようにすると、睡眠を促すメラトニンというホルモンが大量に分泌されて睡眠の質が改善します。精神的な不安から寝つきが悪い場合は、肉体的な疲労を起こすことでぐっすり眠れるようになります。
睡眠中は成長ホルモンがたくさん分泌されますが、成長ホルモン分泌量とメラトニンの分泌量は比例するといわれています。成長ホルモンが多く分泌された睡眠ほど心身ともにリフレッシュできて、翌日は明るく元気でポジティブな一日をすごすことができるはずです。
ビタミンB群はストレスによるしみを予防する
ビタミンB群は、メラニン色素を作り出すメラノサイトの働きを抑制する働きがあります。特に、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン(ニコチンアミド)がストレスによるシミを高いレベルで抑制するといわれています。ビタミンB群が充分に存在していると、ストレスの準備が整った状態になり、メラニン色素の合成を促すメラニン刺激細胞ホルモン(MSH)が増加してもシミ・色素沈着が濃くなるのを予防すると考えられます。
ビタミンB群は様々な食品に幅広く含有されているため、偏食のないバランスの良い食生活をおくることが重要です。また、肌荒れが気になるという場合はビタミンB群が配合されたサプリメントを利用しても良いと思います。
ストレスにはビタミンCを多めに摂取する
ストレスを受けると多くのビタミンCが消耗されるといわれます。ビタミンCは美肌ビタミンといわれ、メラニン色素の生成を抑制する働き、コラーゲンの合成を促す働き、活性酸素を抑制する老化防止作用などがあり、ストレスによって減少するビタミンCを積極的に補うようにすると、ストレスに負けないカラダへと導くことができるはずです。
ビタミンCはイチゴ、みかん、キウイフルーツ、アセロラなどの果物類に多く含まれます。また、サプリメントを利用するのも一つの方法です。
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