肝機能低下によって顔のしみの増加や顔がどす黒くなる?

肝臓の画像 肝機能の低下によって皮膚にしみ・くすみ・色素沈着ができやすくなったり、全体的に肌がどす黒くなったりすることがあります。肝炎や肝硬変が進行するほど、それらの症状が悪化するようになります。

肝臓機能低下について

肝臓機能低下による代謝異常

肝臓の画像 肝臓は様々な栄養素、老廃物、異物などの代謝機能を担います。その役割は多岐にわたり、生命維持にはあまりにも重要な存在です。肝臓は2000種類以上の酵素が働いているといわれ、様々な酵素の働きによって人間の身体は正常な機能を維持することができます。そのため、その肝臓がダメージを受けたり、機能が損傷したりすることで新たな栄養素の代謝阻害、老廃物・異物の停滞などの様々な影響を及ぼします。

肝臓がダメージを受けると腎臓にも負担がかかる

肝機能が低下していると腎臓(じんぞう)の負担が大きくなります。腎臓は、主にろ過機能、血圧の調整、ホルモンの分泌などの働きがあり、生命を維持するためには欠かせない臓器です。腎臓に過剰な負担がかかることで、ろ過が機能しないと、老廃物も停滞して新陳代謝が乱れ、皮膚が黒ずんでくることがあります。

肝機能低下によって皮膚にどんな症状が起こる?

顔がどす黒くなる シミができやすくなる

肌に悩む女性の画像 皮膚は主にタンパク質でできています。肝臓はたんぱく質を合成する働きがあり、肝臓の機能が低下することで肌作りにも悪影響を及ぼし、顔が黒くなって土気色になってくることがあります。また、ターンオーバーが低下するため、シミ、くすみ、色素沈着を起こしやすい状態になります。

肝機能低下によってグルタチオンが減少する

肝臓はグルタチオンという物質を多く作り出す臓器です。グルタチオンとは、グルタミン酸、システイン、グリシンが結合した物質で、大きく分けて活性酸素や過酸化物質を還元して消去する抗酸化作用と、異物、毒物、薬物を細胞外に排出する働きがあります。肝機能が低下してグルタチオンが減少することで身体の老化を促す活性酸素の影響を受けて細胞の損傷が進行し、肌においても顔がどす黒くなってくると考えられます。

また、グルタチオンは肌色メラニンというメラニン色素を増やす働きがあります。人の肌の色はシミや日焼けの原因となる黒色メラニンと、自然な肌色を引き出す肌色メラニンの2種類のバランスによって決定されますが、グルタチオンは肌色メラニンを増やすことで自然で透明感のある肌に導きます。肝機能の悪化によってグルタチオンが減少すると、肌の透明感が失われるようになります。

肝機能の低下で皮膚が黄色くなることがある?

肝炎や肝硬変などで肝臓が強いダメージを受けている場合、黄疸(おうだん)といわれる症状が現れることがあります。黄疸とは、身体に「ビリルビン」という物質が過剰に存在することで皮膚、眼球、体液が黄色く染まる症状で、これにより皮膚の色が若干変化することがあります。日本人のような黄色人種においては、皮膚を見て黄疸かどうかを判断するのは難しいですが、従来よりも皮膚が黄色くなったと感じたり、疲れ、倦怠感、皮膚の痒みなどを伴う場合は医師に診断してもらうべきです。

また、βカロテンを摂取することでも皮膚が黄色くなりますが、それは黄疸とは異なります。その場合は病気ではなく異常はありません。

皮膚が痒くなることがある

肝機能の異常が進行すると「ビリルビン」や「胆汁酸」などの物質が血液中や組織内に増加します。このビリルビンや胆汁酸が血液中や組織に増加すると、免疫反応によって皮膚に痒みを生じることがあります。

毛細血管拡張

肝硬変の人は、症動脈の血管が拡張することにより、毛細血管が拡張して放射線状に浮き出てみえるようになることがあります。

肝機能を正常化するには?

良質なたんぱく質の摂取

鮭・サーモンの画像 たんぱく質は、細胞、体の組織を成長、再生、修復させるためには必要不可欠です。代謝を維持する酵素を活性化させるためにはタンパク質が必要です。そのため、肝臓の機能を正常に維持するためには良質なたんぱく質をバランス良く摂取する必要があります。また、肝臓の負担を抑えるために、全体的にカロリーをやや抑えるようにしたほうが理想的です。

タンパク質が良いからといってたくさん摂取していると、かえって肝臓が上手に分解できずに負担がかかってしまいます。体重1kgあたり、1.2~1.5gほどのたんぱく質の摂取が目安です。(体重60kgの人では72~90gのたんぱく質の摂取が理想です)。また、タンパク質は一度に30グラムほどしか分解できないため、一日3食に分けて食べるようにしましょう。

タンパク源には、動物性タンパク質と植物性タンパク質がありますが、植物性タンパク質のほうが肝臓が処理しやすく肝臓の負担が少ないといわれます。植物性タンパク質が多く含まれる食品は、納豆、豆腐、枝豆などの豆類です。

糖分・炭水化物の過剰摂取が肝臓に悪い?

糖分の過剰摂取も肝臓に負担をかけ、糖質の摂りすぎで脂肪肝になることがあります。また、糖尿病の予防のためにも、ご飯、麺類、パン類、甘い食べ物の過剰摂取は控え、カロリーを意識しながら適度に摂取するのが理想です。ただし、極端に糖質の摂取を制限することでもかえって肝機能の低下をまねくことがあります。

脂質はできるだけ控える

脂肪分の多い食品を摂取すると胆汁を分泌させて、脂肪分を乳化して消化をサポートしますが、胆汁を作るのが肝臓です。また、脂肪酸を合成するのも肝臓です。カロリーの高い食事は肝臓の処理を増大させ、負担を大きくします。いくら禁酒、禁煙しても脂肪分の多い食生活を続けるだけで肝機能が低下することがあります。

鉄分の摂取を制限する

肝臓は鉄を貯蔵する働きをもちますが、肝臓に貯蔵される鉄が増えすぎると肝臓にダメージを与えるようになります。肝炎によって肝機能が悪化すると、鉄分を過剰に貯蔵してしまうようになり、増えすぎた鉄が錆びを起こして、さらに肝臓細胞を傷つけてしまうのです。鉄分は貧血を予防する重要なミネラルですが、肝炎を持つ人は制限すべきとされます。

鉄は主に牛、豚、鳥などのレバーや、牛肉、マグロなどの赤身に多く含まれます。また、サプリメントなどで鉄分が含まれているものは控えるべきです。

他にも、ビタミンCは吸収されにくい非ヘム鉄を吸収されやすい形に変化させて鉄の吸収を2~4倍に高めるといいますので、サプリメントなどでビタミンCを過剰に摂取することも控えた方がいいかもしれません。

薬・サプリメントの過剰摂取にも注意

身体に良いからと思って健康食品・サプリメントを過剰に摂取していると、かえって肝臓に負担をかけていることがあります。特に脂溶性ビタミンの慢性的な過剰摂取は肝臓に蓄積されて、肝機能を悪化させる要因になることがあります。