髪の毛の刺激がニキビ悪化の原因に。にきび予防の髪形・ヘアスタイルのポイント

額の赤ニキビの画像 一般にニキビは皮脂が急激に増加する思春期ごろから多く発生するようになります。

これは男性ホルモンの分泌が増えることが主な原因なのですが、この時期に増えたニキビを髪形で隠そうとしてかえってニキビが悪化してしまう人も少なくありません。

今回は髪形・ヘアスタイルとニキビ悪化の関係についてです。

ヘアスタイルとニキビ肌荒れについて

髪の刺激が肌を厚くする

ニキビは皮膚が厚くなって毛穴がふさがることで発生しますが、髪の毛の刺激そのものが皮膚を厚くし、ニキビを誘発している可能性があります。

少し考えすぎのようにも思えますが、実際に肌に刺激を与えると炎症性サイトカインが発生します。その結果、ターンオーバーが乱れて毛穴がふさがれやすくなることがあるようです。

髪の毛の刺激がニキビにつながる

悪化したニキビの画像 髪の毛が何度も皮膚に当たって刺激が加わることでニキビが悪化してしまうことがあります。一度の強い刺激ではなく、細かな刺激が何度も繰り返されることでもニキビは悪化します。

また、髪の毛による細かな刺激を何度も受けることでニキビにかゆみが現れ、ついつい掻いてしまうこともあるかもしれません。

ニキビを悪化させないためには髪の毛が皮膚に触れないようなヘアスタイルにしたほうが良いでしょう。特に、額(ひたい)、こめかみなどは髪の毛が当たりやすい部分なので注意して下さい。

細かな刺激を受け続けるとニキビがかゆくなる

髪の毛によって細かな刺激を受け続けると、にきびがかゆくなることがあり、そのかゆみが長く続くことがあります。

かゆいニキビはヒスタミンという物質が影響していて、炎症反応が長引きやすい、つまりニキビが治りにくくなる傾向があります。なお、ニキビがかゆい現象はアレルギー体質や肌の乾燥、塗り薬の副作用なども関係します。

なぜニキビは刺激によって悪化するの?

赤ニキビの画像 ニキビは刺激を与えるほど悪化してしまう性質がありますが、その現象は免疫反応によるものです。

ニキビはつまった毛穴の内部でアクネ菌という皮膚常在菌が増加し、そのアクネ菌を死滅させるために様々な免疫反応が発生することで赤く腫れを起こします。

つまり、ニキビの炎症は免疫反応の活性化によるものと考えることができますが、ニキビの炎症が起こっている過程で刺激を与えてしまうと、さらに免疫反応が活性化してニキビの腫れが悪化してしまうようになります。

髪の毛もニキビを悪化させるだけの十分な刺激となることがあるので、皮膚に髪がかからないようにして下さい。

ニキビが悪化すると跡がひどくなる

髪の毛の刺激によってニキビが悪化すれば、跡が凹んだり、強く色素沈着や赤みが残ったりすることがあります。

額やこめかみは紫外線が当たりやすい部分なので、うっかり日焼けしてしまうと色素沈着も濃くなってしまいます。

こめかみのニキビ悪化は特に注意

こめかみのニキビ跡クレーターの画像 特にこめかみあたりは悪化したニキビがクレーター状に凹みやすいので、悪化しないような髪形にしてください。

なお、こめかみは年齢と共にハリが失われてくぼんでくるようになりますが、それがにきび跡の凹みと重なると老けた印象を与えてしまうことがあります。

ニキビ跡が凹んだり黒ずみになったりするメカニズム

専門的になりますが、ニキビ跡が凹んだり、モヤモヤしたシミになったりするメカニズムを簡単に解説!

ニキビが発生すると、白血球が活性酸素を発生させて、ニキビ菌(アクネ菌)を殺菌→死滅させ、ニキビは治っていきます。

これによってニキビが自然に治っていくのですが、その時に発生する活性酸素が皮膚に強いダメージを与え、真皮層のコラーゲンが萎縮して硬くなり、皮膚が凹んでしまうことがあります。これがニキビ跡のクレーターです。

また、皮膚が破壊されることで修復の過程で毛細血管も過剰に増殖し、ニキビ跡の赤みが残ったりします。

さらに、この一連の免疫反応で発生するプロスタグランジンなどの生理活性物質や活性酸素はメラノサイトを活性化してニキビ跡の炎症後色素沈着を酷くしてしまいます。

炎症反応を抑えるためには刺激を与えないことが重要。そのためには、例えわずかな髪の毛の刺激でも避けないといけないのです。

ヘアケア製品にも注意

整髪料が毛穴につまることがある?

整髪料 ヘアワックスやヘアスプレーなどの整髪剤が皮膚に付着することでニキビを引き起こす可能性があります。それらの整髪料には油脂を豊富に含んでいるものがあり、毛穴を詰まらせてしまう可能性があるためです。

整髪料の影響を受けやすい頭皮や額(ひたい)、こめかみなどは皮脂の分泌が多いため、整髪料を使用するときは、髪が皮膚に当たらないような髪形にして下さい。

また、整髪料が頭皮に及ばないように毛先だけに使用するといった工夫をしましょう。そして、皮脂が多くてニキビができやすい人は整髪料を使わないヘアスタイルにするのが理想です。

また、整髪料をつけた髪の毛を触っていると整髪剤が手に付着するようになります。そして、その手で顔を触ったりすることで整髪剤が顔についたりすることがあるかもしれません。整髪料をつけている時は髪の毛を触らないようにしましょう。

ニキビがある時はヘアワックスは控える

クリームを塗る画像 整髪料の中でも、ヘアワックスには特に多くの油脂成分が含まれています。そして、ヘアワックスは一般的なシャンプーなどでもなかなか成分が落ちにくい欠点があります。

何度もシャンプーしても落ちにくいので、ニキビがある時はヘアワックスの使用は避けましょう。

シャンプーは身体を洗う前に行う

シャンプーの写真 シャンプーには、髪の毛を保護するためにエモリエント成分として油脂が含まれているものがあります。なお、リンス(コンディショナー)のほとんど製品には油脂は入っています。そういった油脂が身体に残って毛穴を詰まらせ、ニキビができてしまう可能性があります。

シャンプーやリンスの油脂が肌に残らないように、顔や身体を洗う前にシャンプーやリンスを済ませましょう。

[シャンプー]→[リンス]→[身体洗い]→[洗顔]

また、リンス、コンディショナー、ヘアトリートメントなどは特に油脂が豊富に含まれていますので、ニキビがある時はリンスなどは控えたほうが良いでしょう。そもそも髪の毛はシャンプーだけで十分です。

ニキビを刺激しないヘアスタイルに

額やこめかみにニキビがある場合、髪の毛による刺激を与えないような髪形にして下さい。男性の場合は前髪を上げましょう。

女性の場合は、おでこにニキビがある場合はヘアピンでまとめたり、フェイスラインや首の後ろにニキビがある場合はヘアゴムで縛ったりしてニキビに髪の毛が当たらないように工夫して下さい。

ニキビが顔中にある時は、できるだけ髪の毛で隠したいものですが、ニキビが悪化して後悔しないためにも、恥ずかしがらずに勇気を出して顔を出すヘアスタイルにしてみましょう!