妊娠中のニキビの原因と治し方。効果的な治療薬やスキンケアのポイント

妊娠の画像 妊娠中は肌が脂っぽくなってにきびが発生しやすくなることがあります。

妊娠中のニキビは特に妊娠初期に多いのですが、その現象は女性ホルモンの変化が大きく関係しています。

今回は妊娠中のニキビの原因と治し方をご紹介します。

妊娠中のニキビの原因とは?

女性の肌の悩み 妊娠中のニキビの原因は女性ホルモンの影響によるものとされます。

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類に分けられますが、そのうち、妊娠初期はプロゲステロンという妊娠を継続させる働きがある女性ホルモンが特に身体に影響をもたらします。

そのプロゲステロンは皮脂分泌を促す働きがあるとされ、それによっていつもよりもオイリー肌に傾き、にきびができやすくなるのです。多くのケースでは妊娠4~6週目ごろからニキビができやすくなります。

妊娠初期のニキビはよくある現象の一つ

妊娠してから急に肌が不安定になったという妊婦さんはとても多いです。妊娠前はニキビ肌荒れとは無縁だった人でも妊娠初期はニキビのような毛穴トラブルが増えることがあります。妊娠期のニキビ肌荒れはよくある現象の一つで、多くの人が経験します。

発生しやすい部位

妊娠中のニキビは皮脂分泌が多い部分に発生しやすいです。顔では額、頬、フェイスラインなどです。また、背中や胸などにもニキビが増えることがあります。妊娠中は腫れが強い赤ニキビもできやすいです。

妊娠してから4ヶ月くらいで落ち着いてくる

妊娠中のニキビは、おおむね妊娠16週目(4ヶ月)以降の妊娠中期になってくれば肌の脂っぽさが少なくなっていき、ニキビもできなくなっていきます。これはプロゲステロンという女性ホルモンが落ち着いてくるためと考えられています。

妊娠初期は便秘になりやすい

腸内細菌 妊娠中はニキビだけではなく便秘にもなりやすい傾向があります。特に妊娠初期はプロゲステロンという女性ホルモンが増加しますが、プロゲステロンは腸の働きを鈍くしてしまう作用があります。

プロゲステロンの栄養や水分を蓄えようとする働きにより、腸の働きを抑えてしまうのです。妊娠初期に便秘が続くことでニキビ肌荒れを起こす可能性があります。

つわりによって偏食や過食が起こる

食事 妊娠初期の「つわり」によって好き嫌いが変化し、偏食になったり、過食になったりします。

食生活が大きく変化することで肌質も変化し、にきびができやすくなることもあるかもしれません。つわりは妊娠3~4ヶ月くらいに自然に消失してきます。

妊娠期は何かと肌が不安定になりやすい?

妊婦の写真 妊娠中は何かとストレスが溜まりやすいものです。また、妊娠中は通常よりも10~20%ほど多くのカロリー摂取が必要だとされます。

そういった妊娠中特有の環境が肌質を変化させてニキビの原因になってしまう可能性があります。

妊娠中はシミができやすい

炎症性の色素沈着の画像 妊娠中は通常よりもシミができやすくなります。肝斑(かんぱん)という女性特有のシミも妊娠中に発生することがあります。

これは女性ホルモンのバランスが変化する影響だと考えられています。

妊娠中は乳首や毛が濃くなったりする

妊娠期は、乳首の色素が濃くなったり、体毛が濃くなったりすることがあります。これは女性ホルモンのバランスが変化することによって起こる現象とされています。

胸やお腹あたりの体毛が濃くなったとして心配する妊婦さんも少なくないですが、一時的なものであり、出産後にはしだいに元に戻っていきます。

妊娠期のニキビ肌荒れ対策

ニキビ治療薬が効く

オロナインH軟膏の画像 妊娠中のニキビは一般的な市販ニキビ治療薬でも効果があります。オロナイン、ピンプリット、ビフナイトなどでも問題なく妊娠中でも使用できます。

ただし、それらは角質を剥がす作用が含まれていたりするため、やや刺激性が強いかもしれません。刺激を感じたら中止しましょう。

皮膚科で処方されるニキビ治療薬

ベピオゲルの画像 ニキビ治療薬は皮膚科で処方してもらうこともできます。保険適応になりますので安くお薬を購入できますが、その場合は妊娠中であることを必ず医師や薬剤師に告げて下さい。

妊娠中のニキビには、ベピオゲル、イオウカンフルローションなどが処方されます。ただし、それらはピーリング作用があり、刺激性が強く、ヒリヒリ感や赤みが現れることがあります。

そのため、デリケートな妊娠中の肌には合わないかもしれません。刺激が強いと思ったら迷わず中止して下さい。

また、一般的なニキビ治療に対してディフェリンゲルという塗り薬がよく処方されたりしますが、妊娠中にはディフェリンゲルは使用できません。

そして、妊娠中はダラシンTゲルやデュアック配合ゲル、アクアチムクリーム、ゲンタシン軟膏などの抗生物質の使用は避けたほうが良いとされます。

塗り薬の場合は内服薬と違って胎児への影響は極めてゼロに近いとされますが、わずかな可能性を考慮して妊娠中のニキビ外用薬は選択肢が限られます。

過剰なスキンケアは厳禁

保湿 妊娠中は肌が不安定になりますので、洗顔やクレンジングなどにおいては肌への負担が少ないものを選びましょう。妊娠中に肌が脂っぽくなった人やニキビが増えた人は、お化粧は控えたほうが良いかもしれません。

妊娠期は女性ホルモンの影響でシミやが残りやすくなりますので過剰なスキンケアは厳禁です。

新しい化粧品を使用しない

妊娠期のような肌がデリケートな時期に新しい化粧品をアレコレ使用していると、かえって肌トラブルを起こす可能性が高くなります。

また、妊娠中はそれまで問題なく使用していた化粧品が肌に合わなくなることもあります。

その場合はシンプルな保湿化粧品にしてみましょう。無添加化粧品でも良いですし、ニキビに悩む場合は「ノンコメドジェニック処方(ニキビになりにくい成分で作られた化粧品)」と表記されたニキビケア化粧品を使っても良いでしょう。

水分を多めにとる

妊娠中は便秘になりやすく、便も硬くなりやすいです。そこで水分を通常よりも多めに摂取して下さい。1日1.2~1.5リットルが目安です。

紫外線対策をする

紫外線 妊娠期は通常よりもメラニン色素が作られやすくなり、シミやができやすくなります。そのため、紫外線対策はしっかり行って下さい。

ニキビ肌の紫外線対策は、パウダータイプの簡単なお化粧が理想的です。パウダーファンデーションには紫外線散乱効果がある酸化亜鉛、酸化チタン、タルクなどが顔料として含まれますので、長い時間にわたって紫外線を浴びなければパウダーだけで充分効果があります。

エステやレーザー治療などの美容施術は行わない

超音波クレンジング 妊娠中は女性ホルモンのバランスが変化することで、シミや色素沈着が起きやすいデリケートな状態になっています。そのため、シミ消しや脱毛目的でレーザー治療を行うことはできません。

かえってシミが悪化してしまうことがあります。医師に妊娠中だと告げると、多くの美容治療を控えるべきといわれると思います。また、エステサロンなどにおいても肌に負担が多い美容施術は控えるべきです。

肌に負担が大きい脱毛やムダ毛処理はしない

脱毛 妊娠中はプロゲステロンの影響で通常よりも色素沈着が起きやすい状態になります。そのため、脱毛テープ、脱毛ワックス、毛抜きなどの抜く脱毛のような肌に負担が大きいムダ毛処理を行わないようにしましょう。

無理に毛を抜いてしまうと毛嚢炎(もうのうえん)というニキビに似た皮膚感染症を引き起こすことがあります。妊娠中に毛嚢炎が悪化してしまうと色素沈着が悪化してしまうことがあります。