過酸化ベンゾイルがニキビに効く? 副作用と理想的な使い方

ベピオゲルの画像 過酸化ベンゾイル(BPO)とは、酸化剤の一つです。略名でBPO(benzoyle peroxide=ベンゾイル・パーオキサイド)と呼ばれます。

過酸化ベンゾイルは、主に酸化剤として様々な用途に使用されますが、アクネ菌(にきび原因菌)を死滅させる殺菌作用や厚くなった角質を溶かす働きがあることからニキビ治療に対しても使用されます。過酸化ベンゾイルを主成分とした保険適応のニキビ治療薬も多く登場しています。

過酸化ベンゾイルがニキビに効く仕組み

効果1アクネ菌に対する殺菌効果

ニキビが発生する仕組みと皮膚の構造 ニキビは塞がった毛穴内部でアクネ菌という酸素がない環境を好む微生物が増加することで発生します。アクネ菌が増加することで免疫反応を起こし、本格的にニキビが腫れるようになります。

過酸化ベンゾイルは、肌に塗布すると分解の過程で活性酸素を発生させ、酸素を嫌うアクネ菌に対して殺菌的に作用します。アクネ菌が減少することで免疫反応も抑えられ、炎症・腫れが治まっていきます。腫れが素早く引くことでニキビ跡のクレーターやケロイドを起こすリスクも軽減されます。

活性酸素はアクネ菌を死滅させる働きがあります。ニキビが自然に治っていくのも、好中球(白血球の一つ)が発生させる活性酸素によってアクネ菌が死滅するためです。

効果2ピーリング作用

ニキビは過剰な皮脂などが原因でターンオーバーが過剰に進み、毛穴周辺の角質が厚くなることで発生します。過酸化ベンゾイルは角質細胞どうしの結合をゆるめて角質を剥がすピーリング作用があり、厚くなった角質を除去して毛穴つまりを改善する働きがあります。角質の厚みが取れてニキビがより早く改善していきます。また、角質どうしの結合をゆるめてバリア機能が低下することで過酸化ベンゾイルが皮膚に良く浸透しやすくなり、よりしっかりとした殺菌効果をもたらします。

過酸化ベンゾイルが有効なニキビの種類

ニキビの種類の写真 過酸化ベンゾイルは、軽度から中程度のニキビに有効だとされます。白ニキビ、黒ニキビ、軽度の赤ニキビに適します。一方、腫れがひどくなった化膿ニキビ、膿腫・硬結となったニキビには不向きです。

腫れが強いにきび(化膿ニキビ)は、アクネ菌だけではなく黄色ブドウ球菌の増加が進行していることがあります。黄色ブドウ球菌はアクネ菌と性質に違いがあり、過酸化ベンゾイルによって死滅しにくい傾向があります。

また、過酸化ベンゾイルは刺激性があるため、炎症が悪化したニキビに使用するとさらに炎症が悪化してしまうことがあります。角質細胞の結合を緩めてバリア機能を低下させるため、刺激性を感じやすいようです。

購入するには?

ベピオゲル2.5%

ベピオゲルの画像 過酸化ベンゾイルを主成分としたニキビ治療薬は、皮膚科で処方してもらうことができます。その一つにベピオゲル2.5%というお薬があります。ベピオゲル2.5%とは、過酸化ベンゾイルを主成分としたニキビ治療薬です。濃度は副作用が少ない2.5%濃度です。2015年に保険適応のニキビ治療薬として販売が始まりました。

デュアック配合ゲル

デュアック配合ゲルの画像 デュアック配合ゲルとは、過酸化ベンゾイル(BPO)とクリンダマイシンというリンコマイシン系抗生物質を組み合わせたニキビ治療薬です。2つを組み合わせることで様々な相乗効果を得られます。抗生物質には使い続けることで耐性菌が生じる問題がありますが、過酸化ベンゾイルを組み合わせると、耐性菌を生じるリスクが大きく軽減されるメリットがあります。デュアック配合ゲルもベピオゲルと同じように保険適応のニキビ治療薬です。

海外のニキビケア化粧品

アメリカ版プロアクティブ 過酸化ベンゾイルは、日本では一般的な化粧品への使用は認可されていませんが、海外では市販化粧品への使用が認可されているところもあります。その海外製品をネット通販などで購入することも可能です。

例えば、海外版のプロアクティブは日本版とは違って過酸化ベンゾイルが有効成分として使用されています。日本版プロアクティブはサリチル酸が有効成分として配合されます。過酸化ベンゾイルとサリチル酸は共に殺菌作用と角質を剥がす作用を有しますが、過酸化ベンゾイルのほうが効果は高いです。

理想的な濃度

過酸化ベンゾイルの濃度は、海外ではニキビ有効成分として主に2.5%、5%、10%といった様々な濃度で販売されていたりします。通常はゲルやクリームなどの形で配合されます。

過酸化ベンゾイルは、濃度が高くなるほど刺激性や危険性が高くなるため、一般にニキビ治療薬としては10%未満の濃度が理想的だとされます。そして、2.5%濃度では10%濃度と同程度の効果が得られ、さらに副作用も少ないことから特に2.5%濃度の商品が多く販売されています。日本の皮膚科で処方されるベピオゲルも2.5%濃度です。

過酸化ベンゾイルの塗り方・使用方法

過酸化ベンゾイル製剤の使い方は、洗顔によって肌の汚れを落とし、化粧水で肌を整えた後にニキビ炎症部分に適量を塗布します。1日1~2回が目安です。肌に塗った後は紫外線を浴びないようにしなければならないため、夜1回の使用が理想です。

使用上の注意点

  • 過酸化ベンゾイルを塗った後に紫外線を浴びると、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などが強く現れることがあります。それらの副作用が強くなるとニキビ跡の色素沈着がひどくなってシミの原因になってしまうことがあります。使用中は紫外線に当たらないように工夫しましょう。特に塗ってすぐは、成分がほとんど分解されていないため、特に紫外線に注意します。
  • 過酸化ベンゾイルは刺激性があるため、肌が弱い人は最初は薄く塗ったり、また少量でパッチテストを行ってから使用するのが理想です。基本的に、敏感肌やアトピー肌、肌荒れが進行している状態には不向きです。
  • 目の周囲に塗ると眼瞼炎、口の周囲に塗ると口角炎を起こすリスクが報告されています。
  • 過酸化ベンゾイルは粘膜や傷口などには使用してはいけません。ニキビから出血を起こしている場合はその部分を避けましょう。
  • 過酸化ベンゾイルには漂白作用があります。これは酸化剤であることが理由ですが、髪の毛や衣類に付着すると変色してしまう可能性があります。
  • 異常が現れたりしたら使用中止しましょう。

過酸化ベンゾイルの副作用と対処法

女性の画像 過酸化ベンゾイルの問題点は、比較的に副作用が現れやすいことです。例えば、過酸化ベンゾイルは国内の臨床試験において、約43%に何らかの副作用が現れることが確認されています。主な副作用は、角質の剥がれ、粉をふく(18.6%)、刺激・ヒリヒリ感(14.0%)、皮膚の赤み(13.8%)、乾燥(7.4%)などです。わりと高い確率で発生します。

ただし、それらの副作用は効果が現れている証拠だともいえます。副作用が軽度の場合は基本的に問題ありません。使い続けて下さい。使い続けることで肌が慣れてきます。ただし、強い刺激感やかゆみなどが現れたら、使用を中止して医師に相談しましょう。肌に合わないと思ったら使用中止するのが無難です。

アレルギー性接触皮膚炎を起こすこともある

過酸化ベンゾイルによってアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)などの副作用を起こす可能性があります。アメリカ版プロアクティブにも過酸化ベンゾイルが含まれていますが、それを日本人が使用して接触皮膚炎を起こした事例が報告されています。アレルギー性のかぶれは炎症が続いて色素沈着が悪化することがありますので、使用後にかゆみが現れたり、腫れが大きくなったりした場合は必ず使用を中止して医師に診てもらいましょう。