お酒がニキビの原因になることも?「アルコール」と肌荒れの関係

アルコールの画像 慢性的な肌荒れは、お酒(アルコール)が原因となって引き起こされることがあります。

お酒は飲み方しだいで作用に違いがあり、適量に摂取すれば健康効果も多いといわれる一方で、飲みすぎると人体にとって毒になることがあります。

お酒によってニキビが治りにくくなってしまう可能性も否定できません。

お酒の健康効果

お酒は血行を促す作用がある

アルコールには毛細血管を拡張させて血行を促す働きがあります。お酒を飲むと顔が赤くなってしまうのもそのためです。

血行促進作用により、身体に負担のないレベルであれば積極的に摂取したほうが良いといわれることがあります。

ストレス解消、疲労回復

お酒によって緊張がとれてリラックス効果を得られ、疲労回復効果もあるとされます。リラックス効果により、寝つきが良くなる効能もあります。

アルコールによる食欲増進効果

お酒は少量摂取することで胃酸の分泌が活発になり、消化をサポートする働きがあります。食欲がない時に摂取するのが理想だとされます。

食前酒はこの効果を目的としたものです。ただし、お酒を飲みすぎると胃の働きを低下させてしまい、胃もたれ、食欲不振などの原因になることがあります。

また、飲みすぎるとアルコールが胃粘膜を刺激して胃炎の原因になることもあります。

お酒の過剰摂取によるマイナス効果

アルコール摂取が多くなるほど身体へ悪影響を及ぼす

肝臓の画像 アルコールを摂取すると肝臓に運ばれて解毒(代謝)され、その過程でアセトアルデヒドという物質が作られて最終的には水と炭酸ガスになって排出されます。

そのアセトアルデヒドは人体にとって有害物質であり、過剰にアルコールを摂取すると分解されずに体内に蓄積して二日酔いを起こし、場合によっては肝炎・肝臓病をまねくこともあります。

過度のアルコールを代謝するには非常に肝臓に負担を与えることになるのですが、肝臓は、糖質、たんぱく質、脂質の代謝や解毒機能の主役であり、この機能が衰えると、正常な新陳代謝ができなくなります。

それが肌の不調となって現れ、ニキビ、湿疹、肌荒れが治りにくくなったりすることがあります。

肝機能低下による肌荒れ

肝臓と肝硬変の比較 アルコールの過剰摂取によって作られるアセトアルデヒドは脂肪の分解を抑制し、同時に脂肪酸(中性脂肪の原料)の合成を高めるため、肝細胞内に中性脂肪がたまります。

これが慢性的になると「脂肪肝」という状態になります。

脂肪肝の状態でさらに大量のアルコールを摂取すると、アセトアルデヒドが肝細胞を破壊して肝硬変が起こります。

肝硬変は、肝細胞が死滅・減少して線維組織になることで肝臓が硬く変化した肝臓病の一つです。

肝硬変という状態になると、肝機能が著しく低下します。

肝臓は、糖質、たんぱく質、脂質などの代謝や解毒作用を行う重要な器官であり、その機能が低下すると美容面でも悪影響が及ぶようになります。

肌のターンオーバーが乱れ、肌荒れが慢性的になったり、肌がどす黒くなって透明感が失われるようになったりします。

アルコールは食道や胃などにも負担を与える

胃のイラスト アルコール度数が高いお酒ほど、食道や胃に刺激を与えるようになります。アルコールは濃度が高くなるほど刺激性が高くなり、細胞を変性させる働きがあるためです。

食道がんや胃がんなどの発症要因の一つもアルコールだと考えられています。ウイスキー、ブランデー、ウォッカなどのアルコール濃度が高いお酒を飲む人は注意が必要です。

ちなみに、ロシア人の寿命が短いのはウォッカを多飲する習慣があることが要因だといわれています。ウォッカはアルコール度数が40度以上あります。

深酒は睡眠の質を悪化させる

睡眠 お酒は身体の緊張を和らげてリラックスを促し、眠気を誘う作用があります。なかなか眠れない時はお酒の力をかりて睡眠をとっている人も多いといいます。

ただし、アルコールは寝つきをよくするだけで睡眠の質まで改善することはできません。睡眠の質は低下した状態のままになり、熟睡できていないことが多いとされます。

熟睡できない日が続くと、当然肌にも影響が現れます。睡眠の質が低下してターンオーバーが乱れ、にきびや肌荒れなどが悪化する可能性があります。疲れがとれない、肩こり、肌のくすみ、目の下のクマなどが現れた場合は、睡眠に問題がある可能性があります。

お酒の量や摂取のタイミングによっても違いがありますが、基本的にお酒に頼らずに自然に睡眠をとることが理想です。

お酒は様々なビタミンを消費する

ビタミンBとC お酒を多く摂取すると、お酒を処理するために多くの酵素を必要とします。そしてその酵素をサポートするのがビタミンです。

そのため、お酒を飲みすぎることでビタミンの消耗が多くなってしまい、場合によってはビタミン欠乏症に陥ってしまうこともあります。

例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンCなどは飲酒によって消費量が増加することがあります。

通常は欠乏症が起こらないビタミンでも、飲酒によって不足してしまうことがあります。肌の健康のためにはビタミンは不可欠であり、お酒によってビタミンが不足してしまえば、そのままにきび肌荒れへとなって現れる可能性があります。

主なお酒のアルコール濃度(目安)

以下は広く親しまれているお酒のアルコール度数です。参考にして下さい。

日本酒(純米酒):15~20%前後、焼酎:25%前後、ビール:5%前後、発泡酒:5%前後、ワイン:10~15%、ウイスキー:40~50%

慢性的なお酒は毛細血管をもろくする

お酒を飲むと顔が赤くなります。これはアルコールが分解されたことでできたアセトアルデヒドという毒性のある物質によるもの。

それによって毛細血管が拡張されることで顔が赤くなるのですが、それが慢性化すると毛細血管がもろくなってしまいます。

普段から飲酒する人ほど顔が赤くなる傾向がありますが、それも毛細血管が老化していることが要因です。

毛細血管が老化すると、傷が治りにくくなったり、肌荒れが慢性化したりします。

そして、ニキビや毛嚢炎などの軽い症状においても色素沈着や赤みといった跡が消えにくくなります。

肌のコトを考えるのならお酒はほどほどにしたほうが良さそうです。