ベトネベートN軟膏ASのニキビ改善効果、副作用を予防する使い方のポイント

ベトネベートN軟膏ASの画像

ベトネベートN軟膏ASは、第一三共から販売されているステロイドと抗生物質の2種類の有効成分を配合した市販の外用薬です。ステロイド配合剤であるため指定第2類医薬品となります。

また、市販薬以外にも、同じ成分のものが皮膚科で処方されることがあります。(ベトネベートNクリーム(軟膏)など)

ベトネベート軟膏とクリームの画像

この塗り薬はステロイドによって皮膚の炎症をしずめながら、さらに抗生物質によって病原細菌を抑えるというダブルの働きを有します。

一般的には、炎症が強い毛嚢炎やおでき、とびひなどの細菌が原因の炎症性皮膚疾患に使用するお薬なのですが、ステロイドの性質や副作用を理解して上手に使えばニキビにも使うことができます。

今回は、ベトネベートN軟膏ASのニキビへの効果、使っていいニキビ、ステロイドの副作用を起こさない使い方、などを詳しく解説していきます。

効果・効能

ベトネベートN軟膏ASのニキビへの効果は以下の有効成分によってもたらされます。

ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド)・・・100g中0.12g(1g中1.2mg)
フラジオマイシン(抗生物質)・・・100g中0.35g(1g中3.5mg)

有効成分1ベタメタゾン吉草酸エステル

ベトネベートN軟膏はベタメタゾン吉草酸エステルというステロイドを含みます。ステロイドは抗炎症作用や免疫を落ち着かせる作用があり、それによって症状を悪化させる様々な生理活性物質の発生を抑えて炎症をしずめます。

ステロイドには毛嚢炎やニキビなどの炎症・腫れを素早く治す効果があるのですが、免疫を抑える働きがあるため、長引く症状においてはかえって治りを悪くしてしまう可能性もあります。そのため、短期的に使用する必要があります。

ステロイド外用薬の強度ランク そして、ベタメタゾンのステロイドの強さは5段階中3番目のストロング(強い)クラスに入るレベルです。

ストロングクラスのステロイドは、比較的強めの部類に入り、顔への使用の場合は2週間くらい使うと副作用が現われることがあります。

ニキビは治るまで時間がかかることが多いですが、2週間以上の長期使用には注意しなければいけません。

有効成分2フラジオマイシン硫酸塩

ベトネベートN軟膏のもう一つの有効成分フラジオマイシン硫酸塩はアミノグリコシド系抗生物質です。その系統は、細菌のタンパク質合成を阻害して病原菌を殺菌し、最終的に皮膚炎を治します。

フラジオマイシンは、ニキビの原因となるアクネ菌や、毛嚢炎やおできなどの原因となる黄色ブドウ球菌に対して良く効きます。

適応症状

炎症が強い毛嚢炎の画像 ベトネベートN軟膏は、炎症が強い毛嚢炎(毛包炎)、おでき、めんちょう(顔にできたおでき)、とびひなどに効果があります。

また、湿疹、かぶれ、虫さされなどが悪化して化膿してしまった場合もこの軟膏が良く効きます。一概には言えませんが、化膿した皮膚炎は黄色ブドウ球菌という細菌が影響していることが多いため、このお薬が良く効くケースが多いです。

他にも、ムダ毛処理、レーザー脱毛、ヤケド、過度な日焼け後などによる細菌感染症を予防する目的でも使用できます。

一方、ベトネベートN軟膏は、皮膚カンジダ症やマラセチア毛包炎、脂漏性皮膚炎、水虫などの真菌(カビ)が原因となる症状には適応しません。ヘルペスや帯状疱疹といったウイルスが原因となる症状にも使うべきではないです。

ニキビへの効果は?

赤ニキビの画像 ベトネベートN軟膏は、1~2週間くらいまでの短期的な使用であればニキビにも使うことができます。抗生物質だけではなくステロイドを配合するため、実際にニキビに使うと他の塗り薬にはないような即効性が得られることがあります。

ただし、炎症が強い赤ニキビや化膿したにきびに対してだけに使って下さい。抗生物質は症状が強い場合に使うのが原則であり、白や黒ニキビなどの軽いものには使わないのが基本です。

他にも、かゆいニキビやアトピー性皮膚炎と併発したニキビなどに対しても1~2週間以内を目安に使うことができます。顔のニキビだけではなく、背中や胸(デコルテ)、腕や脚などのニキビにも使えます。

ニキビが悪化した場合は必ず使用中止する

Uゾーンの赤ニキビの画像 ニキビに対してベトネベートN軟膏を1週間くらい使ってもニキビの改善がみられない場合は使用を中止して他の薬に変更しましょう。

また、かえってニキビが悪化するようなことがあれば必ず使用中止して皮膚科を受診しましょう。

ステロイドは免疫抑制作用があり、使い続けると免疫低下によって自然治癒力を弱めてしまい、かえってニキビが悪化して治りにくくなることがあります。

ベトネベートN軟膏のような「ステロイド+抗生物質」のお薬は、どんなニキビに対しても長く安定的に使えるものではないことを覚えておいて下さい。

ニキビ体質の人は皮膚科の薬が理想

男性医師の写真 赤ニキビがたくさん発生するような人は、ニキビ治療の主役としてベトネベートN軟膏を使い続けるのはおすすめできません。

ニキビ体質の人はベトネベートN軟膏ではなく、皮膚科を受診して塗り薬を処方してもらったほうがいいと思います。

皮膚科では、ディフェリンゲル、ベピオゲル、エピデュオゲル、デュアック配合ゲル、ゼビアックスローションなどが炎症ニキビに対してよく処方されます。

皮膚科の処方薬は抗生物質とは違う作用をもった長く使える外用薬もいくつか登場していますので、たくさんニキビがある人は医師のもとで治療するのが理想です。

また重度ニキビにはロキシスロマイシン(ルリッド)やミノサイクリン(ミノマイシン)などの抗生物質の内服薬が処方されたりすることがあります。また、漢方薬がニキビに効くケースも多いです。

添加物でニキビが悪化することも?

ベトネベートN軟膏は、添加物に流動パラフィン(ミネラルオイル)とワセリンの2つの油性基剤を配合します。軟膏なので油性基剤が配合されるのは当然なのですが、油分が多く含まれるためベタベタしていて、脂性肌(オイリー肌)にはニキビ悪化の原因になってしまう可能性があります。

ニキビ跡を治す効果はある?

ニキビ跡の赤みの画像 ベトネベートN軟膏ASにはニキビ跡の炎症後色素沈着や皮膚の赤みなどを治す効果はありません。クレーターなどにも効きません。

ステロイドには血管収縮作用があるので、塗ると赤みがとれて肌が白くキレイになったように見えますが、それはニキビ跡が治っているのではなく一時的なものです。

むしろステロイドは使い続けるほど毛細血管をもろくするため、使い続けると毛細血管が拡張してきて赤みが悪化することもあります。

使い方と注意点

薬を塗る写真 ベトネベートN軟膏ASの使い方は、1日2~3回を目安に患部にだけちょこんと塗ります。洗顔後に化粧水や乳液などで肌を整えた後に塗って下さい。軟膏タイプなので一番最後に塗ります。

そして、塗った後は紫外線対策をしましょう。ニキビ肌に日焼けすると跡が悪化して治りにくくなります。

治療期間の目安

女性看護師の写真 ベトネベートN軟膏ASは、赤ニキビに使う場合は、1~2週間以内(できれば1週間以内)の使用が理想です。ステロイドによる副作用の問題があるため、長く使い続けることは避けたいところです。

そして、この塗り薬に配合されるフラジオマイシンという抗生物質は長く使い続けたり、中途半端な使い方によって耐性菌が生じ、薬が効かなくなることがあります。

そのため、ニキビに使う場合は集中的に使って一気に細菌と炎症を抑え、炎症がしっかりと治まったことを確認してから治療を終了しましょう。それが耐性菌をうまないポイントです。

保管方法

ベトネベートN軟膏ASの保管については、日差しが強いところや湿気が多い環境を避けて涼しいところに保管して下さい。特に冷蔵庫に保存する必要はないです。

使用上の注意点

このお薬は目元に使用してはいけません。

購入するには?

ベトネベートN軟膏ASの画像 ベトネベートN軟膏ASは市販品ですので一般的なドラッグストアや薬局などで購入できます。医師の処方箋も必要ありません。

病院でも処方してもらえる

ベトネベート軟膏とクリームの画像 市販薬としても購入できますが、病院で処方してもらうこともできます。「ベトネベートN軟膏」と「ベトネベートNクリーム」の2種類があります。ただし処方頻度が多くないため、薬局で扱ってないこともあります。

副作用

皮膚の赤みの画像 ベトネベートN軟膏の副作用として、かゆみやヒリヒリ感(刺激感)、赤みなどが現われることがあります。

それらは接触皮膚炎(一般にかぶれといわれる)といえるかもしれませんが、どんな塗り薬にも少しくらいは刺激性があるため症状が軽ければ使い続けて大丈夫です。

軟膏タイプなので刺激性が少ないですが、ピリピリした痛みや赤みが強く現われた場合は使用中止して下さい。

特に強いかゆみと赤みが現われた場合はアレルギー性接触皮膚炎を起こしている可能性があります。ニキビとアレルギーを併発するととても悪化してしまうことがあるため、迷わず使用中止し、その後は医師に診てもらうのが理想です。

そして、このお薬は比較的強いレベルのステロイドを含んでいて、使い続けると皮膚が薄くなる、毛細血管が拡張する、感染症にかかりやすくなる、ニキビが増える、毛が濃くなるなどの副作用が表面化する可能性があります。

ニキビにステロイドを使うと逆に治りにくくなることがあるので2週間以上は使用しないようにしましょう。