コメドとは、古い角質と皮脂が交じり合った塊(かたまり)のことで、「ニキビの芯」、「角栓(かくせん)」などとも呼ばれます。
コメドは一般的にニキビの初期段階をいい、コメドが形成されることでにきびが発生します。今回はコメドの原因と解消法や予防法をご紹介します。
なお、コメドは英語では「comedo」とつづり、ニキビそのものを指しますが、日本ではコメドというとニキビの芯や角栓のことをいうのが一般的です。
コメドとは? 原因と発生の仕組み
コメドが発生する要因は主に皮脂分泌の増加です。以下のようなに進行します。
1皮脂が増加すると皮脂をエサにして増加するアクネ菌などの皮膚常在菌も増加する。
2アクネ菌は細菌性リパーゼという脂肪分解酵素を分泌して皮脂中の中性脂肪を分解する。
3皮脂が分解されてグリセリンと遊離脂肪酸が生じる。
4遊離脂肪酸は刺激性があり、毛包壁を刺激して角質を過剰に作り出してしまう。また、皮膚を刺激して毛穴を塞がりやすくする。
5過剰に作り出された角質が毛包内で剥がれて溜まり、皮脂と混ざって塊になるのがコメドです。
コメドの主な原因は遊離脂肪酸による刺激が原因です。皮脂の増加と比例して遊離脂肪酸も増えるため、比例してコメドも増えるのです。
コメド発生から赤にきびに発展するメカニズム
コメドが作られたら、炎症したニキビに発展する可能性が高くなります。コメドから赤ニキビへの発展は主に以下のように進行します。
1皮脂中の遊離脂肪酸による刺激で毛穴周辺が炎症を起こし、毛穴周辺の皮膚が厚くなって毛穴がふさがってしまう。
2ふさがった毛穴において、空気(酸素)のない環境を好むアクネ菌(ニキビの原因菌)が皮脂やコメドをエサにして一気に増殖を始めます。
3増加したアクネ菌を皮膚細胞が異物だと判断し、免疫反応によってインターロイキン1αという炎症性サイトカインを放出します。
4免疫反応が本格的に始まり、様々な伝達物質が発生して皮膚が赤く炎症を起こすようになります。これが赤ニキビです。
人間の身体は、細菌が増殖するとそれを抑制しようとする免疫システムが潜在的に備わっています。にきびも例外ではなく、アクネ菌の増加を抑制するための免疫反応によって赤く腫れるようになります。
コメドの予防と解消法
ニキビや毛穴のつまりなど予防するには、皮脂を上手にコントロールすることが重要です。
思春期や20代の頃は男女ともに男性ホルモンなどの分泌が活発であるため、たくさん皮脂がでてくるのはある程度は仕方ないことですが、以下のような事柄に注意することでコメドの形成を予防することができます。
洗顔で皮脂を取り除く
単にスキンケア不足によってもコメドが発生しやすくなります。皮脂は時間の経過と共に皮膚に刺激を与えて炎症をもたらすようになるため、洗顔によってこまめに取り除かなければいけません。
洗浄作用が優しい固形石鹸を泡立てて肌に負担をかけないように洗いましょう。思春期のような若い時期では、2~3回の洗顔が基本です。
ゴシゴシ洗いや極端に角質や潤いを奪う洗い方をするとバリア機能が乱れてしまい、それをカバーするためにかえって皮脂分泌が増加してしまうことがあります。優しく洗うのが基本です。
お化粧はパウダータイプのファンデ
皮脂が多い時期は、パウダータイプのファンデーションが理想です。特に生理前は黄体ホルモン(女性ホルモンの一種)の影響で皮脂が増加してコメドが形成されやすいので、その時期は特にパウダーだけのお化粧が適しています。
ニキビ肌には油分の多いリキッドタイプのファンデーションなどは控えましょう。
ビタミンB2、ビタミンB6の摂取
ビタミンB2やビタミンB6は、皮脂を抑制してコメドの発生を抑えます。ビタミンB2は皮膚や粘膜の再生を促してターンオーバーを整える働きがあるビタミンです。
一方、ビタミンB6は、肌代謝に深く関与します。皮膚科におけるニキビ治療においてもビタミンB2・B6製剤を積極的に処方する皮膚科医は多いです。
必要以上にサプリメントを摂らない
様々なサプリメントを摂取していると、皮脂が増加してコメドができやすくなります。例えば、ビタミンEや亜鉛などは男性ホルモンを促して皮脂を増やします。
健康効果のあるサプリメントは皮脂の分泌を促してしまい、コメドの原因になってしまうことがあります。
動物性脂肪や糖分のとりすぎに注意
牛肉、豚肉などに含まれる動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれますが、飽和脂肪酸は男性ホルモンの分泌を高める作用があり、コメドの原因になることがあります。また、糖分の過剰摂取もニキビの炎症を悪化させてしまう要因になります。
ディフェリンゲル
コメドの形成や、赤ニキビへの進行を予防する塗り薬にディフェリンゲルがあります。保険適応のお薬です。
ディフェリンゲルはターンオーバーを抑制する働きがあり、コメドが作られる現象や、毛穴がふさがって赤ニキビになってしまう現象を予防します。
コメドがつまってニキビが炎症しそうな時にディフェリンゲルは有効です。お薬が効いてくるとヒリヒリしたり、ほてりや赤みが現れることが難点です。(その反応は通常の作用です)。
コメドプッシャーで押し出す
コメドは、コメドプッシャーという器具を使って押し出してあげることで解消できます。白ニキビなどの場合は針などでコメドの出口を確保して無理ないレベルで押し出します。
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コメドを出す方法は一部の皮膚科でも行われてたりします。保険適応です。ニキビが炎症を起こしていれば、積極的にコメドを出してあげることで跡がひどくなることなく早期に治ります。
ただし、上手にやらなければ腫れを悪化させただけで終わってしまうこともあります。確実にコメドが取れそうなタイミングで行って下さい。
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