高周波治療ではニキビ跡は改善しない理由

こめかみのニキビ跡クレーター ニキビが悪化すると、色素沈着や赤みがひどく残ってしまうようになります。

そして、炎症度合いや肌質などによってはにきび跡がクレーター状に凹んでしまうことがあります。このクレーターに悩んで、顔に一生デコボコ肌が残ってしまうと悲観的になってしまう人も多いです。

従来はニキビ跡クレーターというと改善が困難だといわれていましたが、現在では様々な方法が確立して実績をあげています。ところが、効果がうたわれているほど実際には効果がほとんど得られない治療もあります。その一つが高周波治療です。

高周波治療とは?

高周波治療器によるニキビ治療 高周波治療とは、RF(ラジオ波)という高周波を照射し、真皮層にエネルギーを与えてコラーゲン増生を促す治療法です。肌にハリや弾力がうまれ、しわやたるみなどを改善する若返り効果があります。

高いレベルの高周波治療では、劇的にコラーゲンが増加し、深いしわやたるみが劇的に解消され、一気に10歳以上若く見られるようになることもあります。

この高周波治療がコラーゲンの増生を促すことから、ニキビ跡の凹みに対しても効果があると考えられています。凹んだ皮膚のコラーゲンを増やすことで凹みがなくなるだろうという理屈ですが、根本的な解消は期待できないことがほとんどです。

その理由はニキビ跡のクレーターはコラーゲンが減ったことで皮膚が凹んでいるのではなく、ニキビの炎症によってコラーゲンが硬く萎縮したことで起こるためです。

高周波治療でニキビ跡を治すのは難しい

女性看護師の画像 ニキビ跡でも、浅い皮膚の凹みの場合は単にコラーゲンが増加することで解消されることがありますが、コラーゲンの萎縮は改善されていないことがほとんどです。

一時的に治っても年齢を重ねると皮膚のコラーゲンが減少してニキビ跡の凹みが目立ってくることがあります。

そのため、ニキビ跡のクレーター治療は単にコラーゲンを増加する方法ではなく、皮膚の入れ替えを促す治療が必要になります。硬く収縮したコラーゲンを入れ替えて新しい皮膚を形成することでニキビ跡クレーターの根本的な解消につながります。

サーマクールでもクレーター治療効果がない?

サーマクール サーマクールとは、皮膚の深い層にまで作用する高周波エネルギーを使って、劇的にコラーゲン増生を促す高周波治療です。

コラーゲンを増加させる高周波治療としては最も高い効果がある治療の一つだといわれています。また、メスを使わないリフトアップ方法としても評価の高い治療です。

ニキビ跡の凹みは皮膚が凹んだ状態であるため、サーマクールのような高周波治療を使用してコラーゲンを増加させることで改善できる可能性があります。実際に浅いクレーターの場合はサーマクールでほとんど目立たなくなることもあります。

ただし、ニキビ跡の凹みというのはコラーゲンが硬く萎縮して凹んだ状態になっているため、単に一定期間コラーゲンを増加させても持続的な効果は得られにくいかもしれません。

コラーゲンの増加だけではなく、硬く萎縮したコラーゲンを元の状態へ戻す「皮膚の入れ替え治療」が必要なのです。

サーマクールの他にも、オーロラというIPL(光)と高周波を組み合わせた治療器や、ポラリスという高周波とレーザーを組み合わせた治療などにおいても、サーマクール同様にニキビ跡の凹みには持続的な効果は難しいと思います。

ニキビ跡クレーターに効く治療は?

ニキビ跡のクレーターにはコラーゲン増加と共に皮膚の入れ替えを促す治療が必要です。その治療には、以下のようなものがあります。レーザーと針治療の2つに分けてご紹介します。

レーザー治療

エルビウムヤグレーザーの画像 ニキビ跡の凹みを治すレーザー治療には、フラクショナルレーザーという方法が最も高い効果が得られます。

フラクショナルレーザーとは、レーザーを分散的に照射し、皮膚に意図的にダメージを与えることで、その損傷から修復される際に発生する成長因子によって皮膚の入れ替えとコラーゲン増生を促す治療です。

フラクショナルレーザーには、エルビウムヤグレーザー、CO2フラクショナルレーザー、パールフラクショナルなどの治療があります。そのうち、特に治療効果が高いのはエルビウムヤグレーザーです。

他にも、やや効果が低い治療にアファーム、フラクセル、スターラックスなどの治療があります。ニキビ痕の治療には3~5回以上繰り返す必要があります。深い凹みほど多くの治療回数が必要です。

針治療

ニキビ痕のクレーターに対して針を使った方法も確立しています。にきび痕の部位に何箇所も針を刺して意図的に皮膚を損傷させ、そのダメージから回復する過程で放出される成長因子によって皮膚の入れ替えとコラーゲン増生を促します。

ダーマローラーによるニキビ治療

針を使ったニキビ痕治療には、ダーマローラー、ダーマスタンプ、ダーマペンなどがあります。治療によって出血を起こして痛々しい状態になり、術後から数日はカサブタのようになりますが、表皮を傷つけないように上手に行えば、色素沈着を起こすことはありません。

皮膚の入れ替え治療でも困難な場合もある

女性看護師の写真 ニキビ痕のクレーターは、皮膚の入れ替え治療をしても改善が難しいケースも少なくないです。その理由は、ニキビ痕は皮膚の真皮層(コラーゲンなどが多い層)が瘢痕化(はんこんか)して成熟した状態(成熟瘢痕:せいじゅくはんこん)となっているためです。

皮膚の凹みが軽度、つまり瘢痕が小さければ改善の可能性は高いですが、皮膚の凹みがひどく、高いレベルで成熟瘢痕となった状態では、皮膚を入れ替えて元の状態へと戻すのは難しいケースもあります。

特に皮膚が厚ぼったくて硬そうな人や、ニキビ跡のクレーターの凹みが強い場合は、改善が難しい傾向があります。ただし、ひどいニキビ跡でもまったく改善がみられないということではありません。ニキビ跡の凹みが緩和されることがほとんどです。

まとめ

  • 高周波治療だけではニキビ跡の凹みの持続的な効果は期待できない。
  • ニキビ跡クレーターには、コラーゲン増生とともに皮膚の入れ替え効果がある治療が必要。
  • にきび痕の凹みには高周波治療よりもフラクショナルレーザーやダーマローラーなどの治療が効果的。