乾燥ニキビに効くセラミド配合化粧品の選び方まとめ

にきびは、一般に皮脂分泌が多いほどできやすくなりますが、反対に肌が乾燥することでもニキビができることがあります。

肌の乾燥を防ぐ保湿成分には様々な種類がありますが、その中でも「セラミド」という成分は、他にはない優れた保湿力があります。

今回はセラミドの保湿効果と補うポイントを解説していきます。

セラミドとは?

キメが整った肌の画像 セラミドとは、角質細胞どうしをつなぎ合わせる細胞間脂質の主成分です。

皮膚の潤いを保持する成分には大きく分けて、「皮脂」「細胞間脂質」「天然保湿因子(NMF)」の3つがありますが、角質層の水分のうち約80%以上が細胞間脂質によって保持されているといわれています。

一般に肌を乾燥から守るには皮脂が不可欠だと認識されていますが、実際には皮脂よりも細胞間脂質のほうが保湿力が高いことがわかっています。

そして、その細胞間脂質の約50%を占める主成分が「セラミド」です。水と油は本来は結合しませんが、セラミドは水と結合する特殊な性質をもち、角質細胞どうしをつなぎ合わせてバリア機能を強化し、角質層で水分を保持する役割を担っています。

セラミドが不足するとどうなる?

キメが乱れた肌の画像 角質層にセラミドが不足すると、肌は著しく乾燥して肌の潤いを保持することが難しくなります。

そして、肌表面がガサガサになり、バリア機能が乱れることによって異物や刺激に弱い肌になってしまい、慢性的な肌荒れや湿疹の原因になることがあります。また、乾燥によるニキビも発生することがあります。

肉眼では確認できなくても、乾燥によって細かな炎症が起こっていることも多いです。その細かい炎症が慢性的なると、しだいに肌がくすんできたり、シミ・色素沈着が悪化してしまうこともあります。

慢性的に悪化と軽快を繰り返す皮膚病であるアトピー性皮膚炎は、アレルギーの影響の他にセラミド不足が原因の一つではないかといわれています。

セラミドが不足する要因とは?

セラミドは年齢とともに減少していきます。その影響で年齢を重ねるほど肌が乾燥するようになります。他にも、ストレスやバランスの悪い食生活などもセラミドが不足する要因だと考えられています。

また、セラミドの合成力には個人差があり、生まれつきセラミドの合成能力が高い人もいれば低い人もいます。

肌の乾燥と吹き出物の関係とは?

乾燥肌とはどんな状態?

みずみずしい健康な肌の角質層には20~30%の水分が含まれています。それよりも低い状態になると肌が乾燥してくるようになります。

角質層は水分を保持する働きや異物の侵入を防ぐバリア機能としての働きがあり、水分不足に陥るとキメが乱れてガサガサの状態になり、刺激に対して敏感な肌になります。(乾燥性敏感肌)

肌が乾燥すると古い角質が溜まる

皮膚の構造とニキビができる仕組み 表皮細胞は表皮内の最下層の基底層というところで作られます。基底層で生まれた皮膚細胞は細胞分裂をしながら表面に押し上げられ、最後には角質細胞となります。そして、角質は最終的には垢(古い角質)となって剥がれ落ちていきます。

これをターンオーバー(角化)といいますが、肌が乾燥するとこのターンオーバーが乱れて、角質が厚く溜まるようになってくることがあります。角質が硬く厚くなってくると、毛穴がふさがれるようになり、その毛穴つまりが吹き出物の原因になってしまうことがあります。

乾燥した肌ではターンオーバーが正常化しないため、ニキビの治りも悪く、にきび跡も長引く傾向があります。また、乾燥肌はにきびだけではなく、擦り傷や切り傷などの外傷の治りも悪いです。

大人のニキビは肌の乾燥によるものが多い?

大人のニキビといわれる思春期を過ぎてからできるにきびは、主にストレス、睡眠不足、お化粧などによって引き起こされるケースが多いといわれますが、肌の乾燥が原因であることも多いようです。

皮脂が比較的少ないのに吹き出物が多発したりする場合は、乾燥などの要因によってターンオーバーが乱れている可能性があります。

かゆいニキビは肌の乾燥が原因?

肌が乾燥しているとバリア機能が弱くなり、皮膚の抵抗力が低下します。そのような状態では、細菌感染による皮膚の炎症を強く引き起こすことがあります。

また、バリア機能が低下した状態のニキビはかゆみをともなうことがあります。これはバリアが乱れることでかゆみを伝える神経が敏感に働くためです。

セラミド配合の化粧品を選ぶポイント

肌の乾燥を素早く改善するには「セラミド」を配合した化粧品が有効です。セラミド配合の化粧品を選ぶ時には以下のようなことに注意しましょう。

セラミドはいくつかの種類が存在する

看護師のアドバイス画像 セラミドにはいくつかの種類が存在します。人間の皮膚には少なくとも約6種類のセラミドが存在することが確認されています。

このうち肌において高い保湿力をもつのは「セラミド1」、「セラミド2」、「セラミド3」だといわれてます。化粧品には「セラミド2」や「セラミド3」が配合されることが多いです。

セラミドの配合量が少ない化粧品に注意!

セラミド配合化粧品には、セラミドとしての効果があるほどの量がきちんと配合されていない化粧品が多く存在します。

いくらセラミドが保湿能力が高いといっても、ごくわずかしか含まれていないのであれば、保湿効果は実感できません。

セラミドは原料的に高価であり、メーカー側はコストの問題からごく微量のセラミドしか配合していないことがあるため、信頼性の高い化粧品メーカーのもので、「セラミド高配合」として販売されているものを選ぶと良いでしょう。

植物由来のセラミドには注意?

セラミド化粧品の中には、「植物性セラミド」という植物由来のセラミドが配合されているものがあります。

植物由来というと安全性が高いイメージがありますが、一般に人間の皮膚に存在するセラミドとは構造が違うため、セラミド1~3のような高い保湿効果は期待できません。ただし、保湿能力があることには間違いありません。