繰り返し処理しても、すぐに生えてくるムダ毛。
そんなムダ毛を処理する一般的な方法がカミソリを使った方法。
ワキや腕、脚、アンダーヘアなどを日常的に処理している女性の多くがカミソリを使用しているといいます。
以下は以前このサイトで「どんなムダ毛処理を行ったことがあるか?」というアンケート調査。
約250人の女性が回答していただいた結果。

- カミソリ:93%
- 毛抜き:72%
- 電気シェーバー:71%
- 除毛クリーム:48%
- 小型はさみ:40%
- 脱毛ワックス:25%
- 脱毛テープ:12%
- 家庭用脱毛器:7%
- レーザー永久脱毛:18%
- そのほか:15%
調査では、やはりカミソリを使ったムダ毛処理が最も多いという結果でした。
カミソリは広範囲の部分を綺麗に短時間で処理できることが選ばれる理由のようです。
ところが、使い方によっては毛嚢炎という皮膚感染症を起こすリスクもあります。
カミソリを使った皮膚トラブル
カミソリによる毛嚢炎
画像は、カミソリで毛嚢炎を起こした失敗例。
毛嚢炎(もうのうえん)とは、カミソリや毛抜きなどで毛穴の内部が傷つき、そこからブドウ球菌などの細菌が侵入することで感染する皮膚病です。
他にも「毛包炎(もうほうえん)」などといったりします。見た目は赤くブツブツとしていて、ニキビのように見えますがにきびとは違う症状です。
カミソリを使ったむだ毛処理は力を入れるほど毛穴に傷がつきやすくなり、場合によっては軽い出血を起こしていることがあります。そういったスキンケアによって引き起こされるのが毛嚢炎です。
どんなケースが毛嚢炎になりやすい?
- 肌が乾燥したままムダ毛処理を行った場合。
- シェービングフォームなどで肌を保護しなかった場合。
- ムダ毛処理後に皮膚を冷やす(クールダウン)や保湿などを怠った場合。
- 身体の免疫バランスが悪いときに体毛処理した場合。
- ジュースやお菓子などの砂糖や果糖などが多く含まれる甘い食べ物をとり過ぎていると、免疫バランスが乱れて毛嚢炎を起こしやすくなります。
- 糖尿病においても免疫バランスが低下するので毛嚢炎のような皮膚感染症を起こしやすくなります。

カミソリによって湿疹や痒みを引き起こす?
カミソリは意外と肌への負担が大きいものです。特に肌が乾燥している人は要注意。
乾燥肌の人は、もともと角質層が薄く、さらに潤い成分も少ないため、カミソリを使うことで湿疹が発生したり、かゆみが悪化してしまうことがあります。
乾燥肌の人は、カミソリよりも電気カミソリ(電気シェーバー)のほうが理想的かもしれません。
毛嚢炎を起こさないカミソリを使った理想的な剃毛方法
Step1肌を温める
カミソリを使う前にお風呂やシャワーなどの温水で皮膚を温めて肌を湿らせて下さい。
ワキやアンダーヘアの場合は蒸しタオルでもOK。
温めることで毛根がゆるんで毛が抜けやすくなります。そして、肌に潤いを与えることで皮膚が傷つきにくくなるメリットも。
カミソリを使う前に皮膚を温めることで、最終的に毛嚢炎などの肌トラブルを起こしにくくなることがわかっています。
Step2シェービングフォームを塗る
シェービングクリームを皮膚に塗布する。
このときに石鹸やボディソープを使う人がいますが、それらは結局は洗浄剤なので肌を傷めやすいです。
一方、シェービングクリームは保湿成分が豊富に含まれていますので、カミソリによるダメージを軽減できます。
なお、シェービングフォームの代わりに保湿クリームなどでも代用できたりします。肌のクッションとなるような保湿剤であれば、代わりに使うことができそうです。
Step3カミソリの刃の損傷がないか確認
使用するカミソリの刃が錆びたり傷ついたりしていないかを確認する。わりと大事なものです。
そして、3枚刃や4枚刃などのカミソリを使うことで、肌への負担を抑えることができます。
Step4毛の流れに沿って剃る
カミソリを毛の流れに剃って優しく剃っていく。逆剃りや深剃りをしないようにしましょう。
腕の毛や脚の毛、アンダーヘアは上から下へと向かって反ります。逆剃りしてしまうと、毛穴を傷つけて毛嚢炎を起こしやすくなりますので要注意。
ワキの毛は垂直に生えているので、上からでも下からでも大丈夫ですが、ブツブツしていてカミソリで傷つけやすいので力を抜いて剃って下さい。
何度も同じ部位を剃る場合は、シェービングクリームを付けながら行って下さい。
Step5皮膚を冷やす
ムダ毛の処理が終わったら、冷水シャワーなどを使って皮膚を冷やし、クールダウンさせます。
ワキやアンダーヘアの場合はアイスパックで冷やすことでもOKです。
カミソリを使う前は皮膚を温めましたが、最後には冷やすことが重要です。
これは、カミソリによるダメージで発生する炎症物質を抑制するもので、ヤケドした後に冷やすのと同じようなものです。
このアフターケアをきちんとするだけで毛嚢炎の発生を劇的に抑えることができます。また、色素沈着も抑えられます。
くれぐれもムダ毛処理後にお風呂に入って肌を温めるようなことはしないで下さい。
温めると毛嚢炎が悪化して、おできといわれるような炎症を起こす可能性が高くなります。
Step6保湿
最後は化粧水などで肌を整えましょう。カミソリで角質層に細かな傷がついていたりしますので、化粧水で保護してあげましょう。
保湿をすることで肌の回復が早まります。
そして、そもそも化粧水には肌を清潔にする成分が含まれていますので、毛嚢炎のような皮膚感染症を予防することに役立つはずです。
メリットとデメリットまとめ
カミソリのメリット
- カミソリは短時間に広範囲を処理することができる。
- 毛抜きなどよりも毛包(毛穴の内部)へのダメージが少ない。
- 日常的なスキンケアとして経済的な負担が少ない。
カミソリの短所
- 肌の角質層に対してのダメージがある。肌質によってはカミソリ負けを起こすことがある。
- 深剃りしてしまうと、毛包(毛穴内部)を傷つけて毛嚢炎を引き起こすことがある。
- 繰り返し肌に負担をかけていると、しだいに色素沈着を起こして肌が黒ずんでくることがある。
- カミソリは毛抜きのように根本から抜く方法ではないため、頻繁に処理する必要がある。
- 剃ると毛先が切断された状態になるため、伸びてくると太くて濃い体毛に見えることがある。
- 剃ってしまうと毛がチクチクして肌触りが悪くなることがある。
最後に
どんなムダ毛処理においても短所はあるものですが、やはり手軽にムダ毛処理できるカミソリは一番使いやすいです。
皮膚を傷つけないように上手に処理すれば、特に問題を起こすことはありません。
「使う前に温める」→「深剃りしない」→「処理後に肌を冷やす」→「化粧水で保湿する」という事柄を守れば、毛嚢炎はほとんど起きないはずです。
でも、もし毛嚢炎を起こした時のために、塗り薬を一応、用意しておいたほうがいいかもしれません。
毛嚢炎に効く市販薬
毛嚢炎に効く市販の薬では、テラマイシン軟膏、ドルマイシン軟膏、クロマイN軟膏などがあります。
それらはすべて2種類の抗生物質を含んでいますので、効き目が良いです。
また、抗生物質と同時にステロイドが含まれるお薬もあります。ステロイド配合剤は炎症をより素早く抑えることができます。
市販薬では、テラコートリル軟膏、フルコートf軟膏、ベトネベート軟膏などが「抗生物質+ステロイド」の塗り薬で、黄色ブドウ球菌を抑えながら炎症反応を抑制します。
ただし、ステロイドは使い続けると皮膚の回復を長引かせてしまう欠点があることを覚えておいて下さい。副作用がいろいろあるのです。
2~3日間くらいで治りそうな軽い毛嚢炎ならば、ステロイド配合の塗り薬でもOKです。
一方、悪化した毛嚢炎で腫れが引くまで5日以上かかるようなものであれば、抗生物質だけが配合された塗り薬が理想です。
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