ニキビが強く腫れた時の適切な治し方

化膿ニキビ にきびは炎症が進行するほど腫れが悪化し、化膿したり硬結ニキビとなってしまうことがあります。

にきびが悪化すれば、赤みやモヤモヤとした色素沈着といったニキビ跡もひどくなり、場合によってはニキビ痕がクレーター状に凹んだりケロイドになったりすることもあります。

そのため、ニキビができたら素早く対処をして腫れを治すのが理想的です。そこで今回はニキビが強く腫れたときの対処法をご紹介します。

自分でできるニキビケア

刺激を与えない

アゴニキビの画像 ニキビは物理的な刺激を与えると腫れがひどくなります。これは刺激を受けることで、さらに免疫反応が活性化したことによるものです。洗顔時や顔をさわる癖がある人は気をつけて下さい。

ローションパックでにきびの腫れを抑制

ローションパック ニキビの腫れは冷やすことで炎症が抑制できます。冷蔵庫などで冷やした化粧水を使い、ニキビに対して化粧水パックすることで腫れの進行を抑制することができます。コットンを使ってニキビ部分にのせてみましょう。

にきびが炎症を起こすと様々な生理活性物質・情報伝達物質が発生して腫れを悪化させますが、ローションパックによって皮膚温度を下げることで炎症を悪化させる物質の発生を抑えて腫れを抑制することができます。ローションパックをしたまま就寝しても良いと思います。

ヤケドや打撲した後に皮膚を冷やすようにするのは腫れを抑制するためですが、それと同じことがニキビケアでも言えます。赤にきびが大きく腫れる前の初期段階で行うのが理想です。

温めたりしない、マッサージなどは厳禁

ニキビを早く治したいとして温めて血行を促すようなことをする人がいますが、血流を促進するような行為はかえってニキビを悪化させてしまうことがあります。そのため、お風呂で温める行為も控えるようにしましょう。また、マッサージなども控えましょう。

ニキビの炎症はアクネ菌の増加を異常だと判断した免疫反応によるものです。血流を促したり触ったりすると免疫反応がより活性化してニキビの腫れが悪化するようになります。

紫外線に注意して下さい

強い紫外線の写真 ニキビが腫れている時に紫外線を浴びてしまうと、腫れが悪化してしまうことがあります。ニキビの炎症だけではなく、さらに紫外線の炎症によって様々な伝達物質が発生するとニキビがひどく腫れてしまうことがあります。色素沈着も治りにくくなります。

市販のニキビ治療薬を活用する

オロナイン 市販されているニキビに効く塗り薬を使用することでニキビの腫れを抑えることができます。市販のニキビ治療薬は基本的に殺菌成分が配合され、炎症を引き起こすアクネ菌を殺菌して免疫反応を抑制することで腫れを治します。市販のニキビ薬は主に以下のような製品があります。

オロナインH軟膏

有効成分:クロルヘキシジングルコン酸塩液20%(殺菌成分)

クレアラシル・ニキビ治療薬クリーム

有効成分:イオウ3.0%(殺菌作用・角質柔軟作用)、レゾルシン2.0%(殺菌作用・角質柔軟作用)、グリチルリチン酸二カリウム0.5%(消炎・抗炎症作用)、トコフェロール酢酸エステル0.5%(皮脂酸化抑制)

ビフナイトS

有効成分:イオウ3.0%(殺菌作用・角質剥離作用)、グリチルレチン酸0.3%(消炎・抗炎症作用)、イソプロピルメチルフェノール1.0%(殺菌作用)

ピンプリット

有効成分:イオウ4.0%(殺菌作用・角質軟化作用)、レゾルシン2.0%(殺菌作用・角質柔軟作用)、酸化亜鉛2.0%(消炎作用・収れん作用)、グリチルレチン酸0.3%(消炎・抗炎症作用)

皮膚科で処方されるニキビ治療薬(塗り薬)

ダラシンTゲル

ダラシンTゲルとローションの画像 ダラシンTゲルは、クリンダマイシンというリンコマイシン系抗生物質の塗り薬です。細菌のたんぱく質の合成を阻害して抗菌力を示します。

ダラシンTゲルはは主に腫れが進行したニキビ治療に用いられ、小さなニキビや細かなニキビ、黒ニキビなどには使用されません。

アレルギーを起こす人も少なくないので、かゆみが現れたら使用中止して下さい。

ダラシンTゲル1%、ダラシンTローション1%の2種類があります。また、クリンダマイシンゲルというジェネリックもあります。

ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)

ベピオゲルの画像 ベピオゲルは、過酸化ベンゾイルという酸化剤を主成分としたニキビ治療薬です。過酸化ベンゾイルはニキビ治療においては殺菌成分として認識されています。

ニキビの原因菌であるアクネ菌は酸素によって死滅してしまう嫌気性菌という性質があります。

過酸化ベンゾイルは酸素を発生させることで、アクネ菌を死滅させ、ニキビの炎症や腫れを素早く抑制します。

赤ニキビだけではなく、白にきびや黒ニキビといった軽度のニキビにも使用可能です。ベピオゲルは、若干のピーリング効果があり、赤みやヒリヒリといった副作用が現れやすい傾向があります。敏感肌には刺激が強いかもしれません。

ニキビ治療における過酸化ベンゾイルは、日本では医師の処方箋が必要ですが、海外では一般の市販品に配合することができます。(海外のプロアクティブやクレアラシルなども過酸化ベンゾイルが配合されています)。

日本人の肌質は欧米人(白人種)と比較して薄くてデリケートなので、海外で一般的な美容化粧品が日本人に合わないということは少なくないです。

デュアック配合ゲル

デュアック配合ゲルの画像 デュアック配合ゲルは、クリンダマイシン(抗生物質)と過酸化ベンゾイル(殺菌成分)の2つの成分を配合しているニキビ治療薬です。

抗生物質と殺菌成分を組み合わせることで強力にニキビの腫れを治します。ダラシンTゲルとベピオゲルを合わせた塗り薬ともいえます。

抗生物質は薬剤耐性菌を生じる問題があり、使い続けると薬が効きにくくなることがありますが、過酸化ベンゾイルと組み合わせると耐性菌を生じにくくなる利点があります。

過酸化ベンゾイルの作用で、皮膚が赤くなったりする副作用があります。かゆみが現れたら必ず使用中止して下さい。

アクアチムクリーム

アクアチムクリーム、軟膏、ローションの画像 アクアチムクリームは、ナジフロキサシンを主成分としたニューキノロン系の外用抗菌薬(塗り薬)です。

細菌のDNAの複製を妨げて殺菌的に作用します。 このお薬は、ダラシンTゲルやデュアック配合ゲルなどの同じように炎症や腫れが進行したニキビ治療に使用されます。

アクアチム軟膏1%、アクアチムクリーム1%、アクアチムローション1%の3タイプがあります。

イオウカンフルローション

イオウカンフルローションの画像 イオウとカンフル剤が含まれたローションです。イオウには殺菌作用と角質柔軟作用があり、一方、カンフル剤には消炎・抗炎症作用があります。

古くからニキビ治療に用いられる塗り薬です。ただし、角質を剥離する作用があるため、乾燥肌や敏感肌の人には不向きかもしれません。

イオウカンフルローションは皮膚科でよく処方されますが、医師の処方箋なしでも購入できます。また、一般の化粧品においてもイオウが含まれたイオウカンフルローションと同じような効能をもつ製品も多く登場しています。

ディフェリンゲル(アダパレン)

ディフェリンゲルの画像 ディフェリンゲル(アダパレン)は、ビタミンA誘導体に似た作用があるナフトエ酸誘導体を主成分としたニキビ治療薬です。

レチノイン酸レセプターに作用して、ターンオーバー抑制することで、角質が厚くなって毛穴が塞がる現象を抑えます。基本的に殺菌作用はありません。

ただし、ディフェリンには殺菌作用がなく、即効性がかなり低いため、赤ニキビや化膿ニキビには不向きです。腫れが悪化する前の白にきびや黒ニキビといった小さなニキビの段階に有効です。

抗生物質の飲み薬が効果がある

お薬の写真 にきびの腫れが悪化したり多発した場合は、抗生物質の内服薬を使った積極的な治療が有効です。

抗生物質の内服は耐性菌(抗生物質が効きにくい細菌)を産み出すリスクがあるため安易な使用は避けられる傾向がありますが、ニキビがひどくなった場合は使用期間を限定して用いられます。

ニキビ治療に処方される抗生物質には主に以下のようなものがあります。

  • ルリッド・・・主成分:ロキシスロマイシン(マクロライド系抗生物質)
  • クラリス・・・主成分:クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)
  • ミノマイシン・・・主成分:ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)
  • ビブラマイシン・・・主成分:ドキシサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)
  • フロモックス・・・主成分:セフカペン・ピボキシル(セフェム系抗生物質)
  • ファロム・・・主成分:ファロペネム(ペネム系抗生物質)

抗生物質による耐性菌を生じないためには、処方された分はきちんと服用して、しっかりと腫れを治すようにします。途中で中断してはいけません。中途半端な治療が長期的になると耐性菌を生じやすくなります。

漢方薬が効く人も多い

漢方薬 腫れたニキビが多発しやすい人は漢方薬を使って体質改善を行うことでバツグンの効果を発揮することがあります。

漢方薬はドラッグストアや通販などでも購入できますが、皮膚科を受診すれば保険適応になることがあります。

抗生物質の長期使用を避けたい人やニキビがなかなか治らない人は一度試してみてはいかがでしょうか。保険適応でニキビ治療に使用される漢方薬には主に以下のようなものがあります。

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

清上防風湯 過剰な熱を発散させてエネルギーを抑え、ニキビ体質を改善していく漢方薬です。抗炎症効果をもつ生薬も配合され、ニキビの腫れを抑えます。

体力が高く、熱を作り出すエネルギーが強いことから皮脂分泌が多くにきびが多発しやすい人に適しています。脂性肌のニキビ治療によく使用される漢方薬です。

排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

排膿散及湯 ニキビの腫れや赤みの治りをよくし、化膿するのを予防します。消炎作用がある生薬も含みます。体力に関係なく使用できます。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯 皮膚のエネルギーを抑えて赤みやかゆみを発散し、ニキビの腫れや化膿をおさえます。消炎効果もあります。体力が中程度の人に向きます。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

荊芥連翹湯 身体の余分な熱をしずめ、ニキビの腫れを治します。体力が中程度で血行が悪くて顔色が浅黒い人に適した漢方薬です。