ヒルドイドローション(軟膏)がニキビに効く。悪化を予防する使い方について

ヒルドイド軟膏とローションの画像 ニキビが大きく腫れるほど治るまで長い時間がかかり、さらにニキビ跡も強く残ってしまいますね。

そのような炎症性の赤ニキビの治りを良くするために、皮膚科では専門のニキビ治療薬と一緒にヒルドイドローション0.3%(または軟膏)という保湿剤が同時に処方されることがあります。

ヒルドイドは、皮膚科で処方される「ヘパリン類似物質」という物質を主成分とした保湿剤で、ローションタイプの他に、ヒルドイドソフト軟膏0.3%などもよく処方されます。

この保湿剤は、保湿作用と血行を促す作用、抗炎症作用などがあり、主に乾燥によるカサカサ肌や慢性的な肌荒れ、アトピー性皮膚炎などの保湿剤として処方されることが多いのですが、その効能を応用して炎症したニキビやニキビ跡にも良い効果が期待できます。

今回の記事は、ヒルドイドのニキビへの効果と、効果的なニキビの種類、使い方や副作用などを詳しく解説していきます。

ヒルドイドの主成分「ヘパリン類似物質」とは?

ヒルドイドローションの主成分のヘパリン類似物質とは、体内にも存在するヘパリンという成分と似たような働きをする物質です。

ヘパリンはムコ多糖類の一種で、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などと同じ仲間に入る物質です。ムコ多糖類は、人間の細胞の周りで水分(体液)をしっかりと蓄えて細胞に栄養を届けたり、細胞から不要となった老廃物を排出したりする役割があります。

そのヘパリンと似た働きをもつのがヒルドイドの主成分のヘパリン類似物質です。体内に存在する保湿成分と似ているため、同じような効能があり、さらにほとんど副作用もなく使うことができます。

ヘパリン類似物質の効果

ヒルドイドの保湿、血行促進、抗炎症作用 ヒルドイドの主成分のヘパリン類似物質には、優れた保湿効果、血行促進作用、抗炎症作用の3つの効果があります。

その作用が赤ニキビの進行を予防したり、ニキビ跡の改善を促します。

ヒルドイドはニキビにたくさんのメリットがある

具体的に、ヒルドイドローションは赤ニキビに対してどのような効果があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

ニキビの炎症を抑える

赤ニキビの画像 ヒルドイドの主成分のヘパリン類似物質には緩やかな消炎作用があります。これは肌のバリア機能を整えたり、血行を促すことによるものですが、それによって炎症ニキビが進行して皮膚が硬くなる現象(硬結)を予防改善する効果があります。

ただし、このヒルドイドの消炎作用というのは穏やかな作用で、ステロイドのようなはっきりとした効果はないです。

ニキビ治療薬による乾燥を軽減する

皮膚科で処方される主なニキビ治療薬の画像 皮膚科ではニキビ治療に対して、ディフェリンゲルやベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲルなどが処方されることが多くなっていますが、それらは刺激性や乾燥をもたらす副作用が強い欠点があります。

そういったニキビ治療薬による乾燥や刺激感を抑える目的でヒルドイドローションのようなヘパリン類似物質を主成分としたお薬が処方されることがあります。特にディフェリンやベピオゲルなどは刺激感が強いのでヒルドイドと一緒に処方されることが多くなっています。

また、市販薬においてもイオウなどの刺激感を抑える目的でもヒルドイドローションを使うことができます。

ニキビの芯や膿が出てくるのを促す

ニキビ炎症の仕組み ヘパリン類似物質には、水分を保持する優れた保湿作用があります。表皮の基底層まで作用して皮膚を柔らかくすることで、ニキビの炎症で硬くなった皮膚を改善し、ニキビの芯や膿が出てきやすい状態へと導きます。

赤ニキビの膿が表面に出てきて白ニキビとなれば、芯を出してあげることでより早く治りやすくなります。

硬結ニキビを予防する

膿腫・硬結ニキビの画像 ニキビが皮膚の深い部分で炎症を起こし、それがさらに悪化すると、うっ血(血流が悪くなること)や結合組織の増殖によってニキビが赤黒くなり、しこりのように硬くなってしまうことがあります。

ヒルドイドローションは、主成分のヘパリン類似物質の血行促進作用によって炎症ニキビによる血行障害を改善し、さらに結合組織の増殖を抑えてニキビの腫れが大きくなる現象を予防します。

ニキビによる皮膚の赤みを予防改善する

ニキビ跡の赤みの画像 炎症ニキビが悪化するほどニキビ跡として赤みが強く残ってしまうようになります。これは毛細血管の拡張や増殖によるものですが、ヒルドイドは毛細血管の増殖も予防してニキビ跡の赤みが残りにくい状態へと導きます。

ニキビ跡を早く治す

ニキビ跡の炎症後色素沈着の画像 ヒルドイドローションは、血行促進作用の他に、表皮の基底層に働きかけて肌細胞の新生を促すことで、ターンオーバーを活発に導く効果があります。

肌の新陳代謝が高まることでの治りを良くします。

ケロイドの予防にもつながる

ニキビ跡の肥厚性瘢痕の画像 ニキビがひどく悪化してしまうとケロイドや肥厚性瘢痕などの盛り上がった傷痕を形成してしまうことがあります。これは、炎症によって線維芽細胞が過剰に活性化し、コラーゲンを過剰に作り出してしまうことが原因です。体質的な要因が影響します。

ヒルドイドローションは、線維芽細胞の過剰増殖を抑制してケロイドや肥厚性瘢痕を予防改善する効果があります。改善には長い月日がかかりますが、地道に続けることで何もしないよりも効果があります。特に肥厚性瘢痕の場合は赤みがとれやすくなります。

ヘパリン類似物質はニキビの原因にならない

例えば、ワセリンなどの油性の保湿剤では毛穴がふさがれてニキビの原因となることがありますが、ヘパリン類似物質は肌が本来持っている水分を保持させることで保湿効果をもたらすため、ニキビそのものの原因となったり悪化原因となることはありません。

ヒルドイドローションの使い方

薬を塗る画像 ニキビにヒルドイドローションを塗る場合、使い方は洗顔、クレンジングをして化粧水などで保湿した後に塗ります。使用回数は1日2~3回くらいが目安です。

そして、ニキビに使う場合は、ニキビ治療薬と一緒に組み合わせるのが基本です。ヒルドイドそのものには殺菌作用がないため、他のニキビ薬と合わせて使って下さい。

相性が悪い成分がないため、ほとんどのニキビ治療薬と組み合わせて使うことができます。塗る順番は、ヒルドイドローションを塗った後にニキビ治療薬を塗って下さい。

なお、ヒルドイドローションは、背中ニキビや胸ニキビなどの顔以外のニキビにも問題なく使うことができます。

そして、薬を塗った後は紫外線対策をして下さい。ニキビのような皮膚に強い炎症がある場合は紫外線を浴びないのが基本です。(強い色素沈着を起こすためです)。

組み合わせるニキビ治療薬にはどんなものがある?

皮膚科で処方される主なニキビ治療薬の画像 ヒルドイドローションは、ニキビケアにおいて単体で処方されることは少なく、ほとんどはニキビ専用の治療薬と一緒に処方されます。

皮膚科で処方されるにきび治療薬には、ディフェリンゲル、ベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲル、クリンダマイシン(ダラシンTゲル)、アクアチム、ゼビアックスローションなどがよく処方されます。ヒルドイドを塗った後にそれらの治療薬を塗って下さい。

また、ヒルドイドは、オロナインやピンプリット、ビフナイト、クレアラシル、アクネスなどの市販ニキビ治療薬と組み合わせて使うこともできます。

保管方法

ヒルドイドは、直射日光や湿気をさけて常温で保管します。冷蔵庫で保管すると結晶化することがあるので極端に温度が低いところに保管してはいけません。

購入するには?

薬剤師が薬を処方する画像 ヒルドイドローションを購入するには皮膚科を受診して処方箋を出してもらい、その後に薬局で購入して下さい。ニキビや乾燥による肌荒れなどがあれば処方してもらえるはずです。ただし、ヒルドイドがニキビに効果があることを認識していない医師もいます。

そして、ヒルドイドの後発品(ジェネリック)には、ヘパリン類似物質ローションやビーソフテンローションなどがあります。成分は同じですので、効能も基本的に同じです。

薬の形状

ヒルドイド軟膏とローションの画像 ヒルドイドにはローションタイプ、ソフト軟膏タイプ、クリームタイプなどがあります。ニキビ治療には油分が少ないローションタイプが処方されるのが一般的です。乾燥しやすい人はヒルドイドソフト軟膏でも問題ないと思います。

ヘパリン類似物質を含んだ市販薬

アットノンの画像 ヘパリン類似物質は市販薬としていくつかのメーカーから販売されています。有名なのはアットノンや、HPクリーム(HPローション)などです。

アットノンは傷痕やヤケド跡などに効くとされますがニキビにも効果があります。アットノンやHPクリームは、1gあたりのヘパリン類似物質の配合量はヒルドイドと同じですのでそれらでも同じ効果が期待できます。

ヒルドイドローションの副作用

皮膚の赤みの画像 ヒルドイドローションは、体内にも存在するヘパリンと似たような成分であるため、ほとんど副作用の心配はありません。

副作用の発生率は1%未満という報告があり、塗り薬としてはとてもリスクは低いです。ただし、まれに使用後の副作用でかゆみや赤み、刺激感、ヒリヒリ感、などが現われることがあります。

ヘパリン類似物質は表皮の深い部分にまで浸透するため、特に肌が弱い人や敏感肌の人は赤みや刺激感などの副作用が起きやすいといえます。

ニキビが悪化することもある?

ヒルドイドローションの添加物には油分や界面活性剤(乳化剤)などが含まれます。それによってニキビが増えたり、赤みがひどくなってニキビが悪化したように感じることがあるかもしれません。

以下はニキビ治療によく処方されるローションタイプの添加物の内容です。

ヒルドイドローションの添加物

グリセリン、白色ワセリン、スクワラン、セタノール、還元ラノリン、セトマクロゴール1000、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、カルボキシビニルポリマー、ジイソプロパノールアミン

最も油分が少なそうなローションタイプのヒルドイドでも、白色ワセリンやスクワランなどの油性基剤を含んでいます。それらの油脂成分は性質的に角質肥厚を起こして毛穴をふさぐような作用は極めて少ないですが、もともと皮脂が多い脂性肌の人はニキビ悪化の原因となってしまう可能性はあります。

また、油分と水分を乳化させるための界面活性剤(乳化剤)も多く含まれるため、肌が弱い人、敏感肌の人には刺激になることがあるかもしれません。敏感肌のニキビの場合、ヒリヒリしないか注意して使って下さい。刺激が強い場合は使用を控えましょう。