女性の治りにくい吹き出物に対して桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という漢方薬が有効なケースがあります。
桃核承気湯は、便通を良くする働きや、血行を良くして生理不順を改善する働き、イライラをしずめる働きなどがあります。
主に女性に対して使用される漢方薬で、便秘や生理前にニキビ肌荒れを起こしやすい人に効果を発揮する可能性があります。
ここでは桃核承気湯の効果と副作用、使用法を解説します。
効果
- 桃核承気湯は、血流を改善する働きがあります。血行をよくすることで女性のホルモンバランスを改善します。月経不順に効果的です。
- 桃核承気湯は慢性的な便秘によく使用されます。便秘が原因のニキビ肌荒れに効果的です。
- イライラをしずめて精神的な安定をもたらします。
- 桃核承気湯は、炎症部の熱をとって腫れを治す働きがあります。ニキビの腫れしずめて治りを良くします。
桃核承気湯に含まれる生薬一覧
漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られます。桃核承気湯は5つの生薬によって構成されます。それぞれ以下のような効能を有します。
- 大黄(ダイオウ)・・・便通をよくする作用があります。また、消炎効果も有します。
- 芒硝(ボウショウ)・・・消化管に溜まっている毒素の排出を促す働きがあります。これにより、腸内細菌バランスを改善します。
- 桃仁(トウニン)・・・血のめぐりを良くする働きがあります。うっ血による腫れを縮小させ、ニキビの腫れを治します。
- 桂皮(ケイヒ)・・・過剰な熱を発散させて炎症や腫れをとる働きがあります。また、胃腸など消化器系の働きを良くする働きもあります。
- 甘草(カンゾウ) ・・・グリチルリチン酸を多く含み、抗炎症作用、鎮痛作用などがあります。優れた消炎作用によってニキビの腫れを抑制するため、ニキビケア化粧品にも良く多用されます。
適している人
桃核承気湯は、女性に適した漢方薬です。特に体力のある人で便秘体質の人、生理時のイライラ、生理痛や生理不順を起こしやすい人、身体がむくみやすい人などに適しています。
また、更年期障害などにも使用されます。一方、桃核承気湯は消化器系を刺激する働きがあるため、胃腸が弱い人、軟便、下痢を起こしやすい人などには適していません。
ニキビ治療の効果
桃核承気湯は、血流を促し、便通を改善してニキビ肌荒れを治します。便秘になると、腸内細菌のバランスが悪化して、腸内細菌が作り出すビタミンや酵素の働きが悪くなってしまいます。
また便秘は体内毒素を溜めやすくなったり、新陳代謝を乱す原因になります。そういった便秘による吹き出物には桃核承気湯による効果が期待できます。
また、便秘と共に生理痛や生理不順によるイライラをしずめ、生理時の肌を安定させます。
即効性はない
桃核承気湯は、ニキビの原因菌であるアクネ菌を直接減少させるような作用はありません。桃核承気湯のような漢方薬はニキビを治すというよりもニキビができにくい体質へと導くものです。
体質改善が主な効能なので、効果が実感できるまで時間がかかることが多いです。
例えば、抗生物質の内服治療と比較するなら桃核承気湯の即効性は劣ります。ただし、抗生物質の使用が難しい場合や長期的な治療を考えている場合は、この漢方薬は理想的な選択の一つになります。
にきび跡への効果
ニキビが悪化するほど、皮膚の赤みや色素沈着もひどくなりますが、桃核承気湯はすでに発生したニキビ跡を治す効果はあまり期待できません。桃核承気湯には血流を促す作用はありますが、劇的な効果は難しいといえます。
飲み方と使用方法
桃核承気湯は、1日2~3回、食前または食間に服用します。食後でもかまいません。漢方薬の中には食後に飲んではいけないものがありますが、桃核承気湯は食後に飲んでも問題ありません。
服用開始時に胃の違和感が現れることがありますが、その場合は量を減らして飲むこともできます。続けることでしだいに身体が慣れていきます。
注意点
- 他の病気治療中やお薬を服用中は、医師、薬剤師の診断のもとで治療を行うのが理想です。
- 体質的に漢方薬が合わない人がいます。
使用期間
桃核承気湯の使用期間は、効果が得られるまでには1ヶ月以上続ける必要があります。体質改善に導くものであるため、ある程度の期間は継続する必要があります。
便秘が改善されてニキビ肌荒れが治ってきたと実感できたら、この漢方薬が効いてきた一つの目安になります。特に深刻な副作用はないため、続けやすいと思います。
購入するには?
桃核承気湯は、保険適応の漢方薬です。皮膚科を受診してこの漢方薬が有効と診断されれば、処方してもらえるはずです。ただし、違う漢方薬をすすめられることもあるかもしれません。また、桃核承気湯は一般的なドラッグストアや通販などでも購入できます。
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副作用
- 桃核承気湯の副作用は、胃の違和感、もたれ、吐き気、腹痛、下痢などです。腸管の働きを良くするため、かえって便が緩くなったり、腹痛を起こす可能性もあります。
- この漢方薬には甘草(かんぞう)という生薬を含みます。その甘草は多量に摂取すると偽アルドステロン症という症状を引き起こす可能性があります。主な症状はだるさやむくみです。そのため、甘草を含むほかの漢方薬を組み合わせて服用する場合は注意しましょう。
- 肝障害を起こす可能性がありますが、極めてまれです。
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