薬剤性肝炎にビタミンCが効く理由。薬物による副作用の軽減にも期待大

肝臓の画像 お薬を大量に摂取したり、体質的に合わない薬を飲んだりすると、肝機能障害を起こすことがあります。

薬による肝機能障害を薬剤性肝炎と言ったりしますが、その肝炎を早く治すにはビタミンCが効きます。

代謝酵素を活性化するビタミンC

ビタミンCが薬剤性肝炎の改善を促す理由は代謝酵素を活性化させる働きがあるため。

通常、薬を摂取すると肝臓で処理されます。具体的には肝臓にあるシトクロムP450という酵素によって解毒されます。

このシトクロムP450によって薬物中毒を起こすことなく体内から薬がなくなっていくのですが、ビタミンCはそのシトクロムP450という酵素を活性化させる働きがあります。

つまり、ビタミンCの摂取によって解毒機能が高くなり、薬物性の肝障害の回復を早めてくれるのです。

また、薬の解毒を促してくれすので、薬による副作用、例えば、胃腸障害、頭痛、下痢、めまい、薬剤性の湿疹(ブツブツ)などにおいても早い回復が期待できます。

ビタミンCが多い食品

ビタミンCは野菜や果物にたくさん含まれています。どんな食品にも幅広く含まれているものではないので果物や野菜を食べない人はビタミンC不足になりやすいです。

ビタミンCが多い果物(100g)

レモン:98mg、いちご:60mg、キウイフルーツ:69mg、グレープフルーツ:38mg、みかん:30mg、柿(かき): 69mg、オレンジ:54mg、

なお、グレープフルーツはシトクロムP450の一部を阻害するように働く作用があるので、薬物肝炎の人は控えるべきです。

ビタミンCが多い野菜(100g)

キャベツ:47mg、小松菜:39mg、ほうれんそう:35mg、モロヘイヤ:62mg、しゅんぎく:21mg、青ピーマン:73mg、赤ピーマン:150mg、黄ピーマン:145mg、かぼちゃ:31mg、トマト:18mg、

サプリが効果的

ビタミンCはサプリメントを活用すると効果的です。その場合は1日300~500mgを目安としましょう。最大でも1日1000mgまで。

ビタミンの過剰摂取も肝臓に負担をかけますので必要以上に摂取する必要はないです。

また、摂りすぎると下痢する可能性があります。特に男性の場合は下痢しやすいので注意。

他にも大切なこと

薬物性肝炎においても、アルコール性肝炎やB型C型肝炎などと同じように肝臓に負担をかけないようにしてください。

  • まずは問題となる薬を中止する。
  • アルコールは飲まない。お酒は控えるではなく肝臓の数値が下がるまで止めてください。ダラダラと治療すると慢性肝炎へとつながる可能性があります。
  • 食べ過ぎに注意。脂肪分やたんぱく質を多く摂取すると肝臓に負担がかかります。
  • 塩分の摂取も控える。

亜鉛も大事

肝機能が悪くなると、比例して亜鉛も不足するようになります。

亜鉛は肝臓において解毒にかかわる酵素の主要成分なので、不足すれば薬物を分解する働きが弱くなってしまいます。

サプリメントでもいいので亜鉛はビタミンCとともに積極的に摂取するようにしてください。