ニキビ痕の毛穴が陥没する仕組み。凹んだ毛穴を改善する治療法

ニキビは毛穴がふさがり、酸素がない環境を好むアクネ菌という常在細菌が増加することで発生します。

アクネ菌の増加によって免疫反応が活性化し、炎症性サイトカインが放出されて本格的に炎症反応が始まります。

免疫反応によって活性化した好中球(白血球)は、アクネ菌を処理するために活性酸素(過酸化水素やヒドロキシラジカルなど)を発生させます。その活性酸素によってアクネ菌が死滅してニキビの炎症が治ります。

その活性酸素によってニキビの炎症が抑えられる一方で、活性酸素は皮膚に対して強いダメージを与えます。

その結果、皮膚コラーゲンを萎縮させ、瘢痕(はんこん)を形成するようになります。これによって毛穴が陥没してデコボコに見えてしまうようになります。

ニキビ痕の陥没毛穴の予防と対策

塗り薬で腫れを抑える

オロナイン ニキビの腫れが強くなるほど皮膚に対するダメージが強くなり、ニキビ痕の陥没毛穴がひどくなることがあります。その腫れを早めに抑制するためにニキビ治療薬を積極的に利用しましょう。

市販薬では「オロナイン」「ビフナイト」「クレアラシル」「ピンプリット」などがあります。一方、皮膚科で処方される治療薬は「ベピオゲル」「ダラシンTゲル」「デュアック配合ゲル」「アクアチムクリーム」などが腫れが強いニキビによく処方されます。

ニキビが炎症を起こしても自己判断でつぶしたりしない

ニキビを潰す画像 ニキビをつぶしたり、刺激を与えてしまうと、免疫反応が活発になってかえって腫れが悪化してしまうことがあります。

それによってニキビ痕が陥没毛穴となってしまうことがあります。上手にニキビの芯を排出できれば早くキレイに治る可能性がありますが、基本的にニキビは潰さずに治していくのが基本です。

皮膚科によっては、ニキビの芯を圧出する治療を行っていることもあります。白ニキビに穴をあけてコメドプッシャーという医療器具でニキビの芯を押し出すのですが、その治療は白にきびに対してのみ有効な方法です。決して赤ニキビを潰すことはありません。

皮膚がデコボコになっても治る?

フラクショナルレーザーの原理 ニキビ跡などで毛穴がデコボコになっても、フラクショナルレーザーによって改善できる可能性があります。

フラクショナルレーザーとは、皮膚に対して分散的にレーザーを照射して意図的に微細なダメージを与え、そのダメージを修復するために発生する成長因子(細胞増殖因子)によって若返り・皮膚の入れ替えを促すレーザー治療です。

美容皮膚科・美容クリニックで行われています。

毛穴治療というのは難しいこともありますが、フラクショナルレーザーによって皮膚の入れ替えとコラーゲン増加を促すことで、陥没毛穴を治せる可能性があります。

そのフラクショナルレーザーには、皮膚を削らない「ノンアブレイティブタイプ」と、皮膚を削る「アブレイティブタイプ」があります。(アブレイティブとは英語で「削る」という意味です)。

ノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー

アファーム ノンアブレイティブタイプのフラクショナルレーザーは、単に皮膚に対して熱ダメージを与え、そのダメージから回復する過程で放出される成長因子の発生を促す治療です。

成長因子の放出によって線維芽細胞が活性化し、コラーゲンの分解と合成も活性化されて陥没した毛穴を正常化することができます。

単に熱ダメージを与えるだけであるため、効果が低いですがダウンタイムが少ないメリットがあります。治療器では、「アファーム」「フラクセル」「スターラックス1540」などがあります。

アブレイティブ・フラクショナルレーザー

スマートサイドドット(CO2フラクショナルレーザー) アブレイティブタイプは主にエルビウムヤグレーザーやCO2フラクショナルレーザーを使用した治療をいいます。

それらのレーザーは水分に吸収されやすい性質をもち、肌の水分に吸収されて皮膚を削ることができます。(蒸散作用)。

それを応用して皮膚に極微細な穴を分散的に作り、それを修復するために発生する成長因子の放出を促して皮膚を入れ替え、毛穴を改善していきます。

アブレイティブタイプは皮膚を削るためダウンタイムが強い一方で、高い効果を得られます。ニキビ痕による陥没毛穴や老化による毛穴の開きなどにも効果が期待できます。

ただし、あまり効果がみられないことも少なくないです。毛穴治療は難しいということを理解しておいて下さい。

陥没毛穴は単に角化異常を起こしている可能性も

ターンオーバーの乱れ 陥没した毛穴が広範囲にわたっている場合、単に角化異常(ターンオーバーの乱れ)によってもたらされている可能性があります。ターンオーバーが乱れる要因の一つが皮脂の増加です。

皮脂が増加すると、皮脂中の遊離脂肪酸(皮脂全体の20~30%を占める)という物質も比例して増加しますが、遊離脂肪酸は皮膚に対して刺激性があり、ターンオーバーを乱す原因となってしまいます。

それによって毛穴周辺の皮膚が厚くなり、毛穴が逆三角状に変形してしまうことがあります。脂性肌で毛穴が開いてしまう場合は、皮脂を上手にコントロールすることがスキンケアが重要になります。洗顔をして皮脂汚れを落としてください。