美白成分コウジ酸がシミ・色素沈着に効く。発ガン性や赤み、ヒリヒリ、かぶれの副作用について

コウジ酸とは、麹菌(こうじきん)が糖を発酵させることで作られる成分です。発見されたのは1907年。

そして、コウジ酸に美白効果があると確認されたのは1975年。三省製薬によって発見され、美白剤として開発されてきた歴史があります。

現在では高い美白効果があることから、医薬部外品の美白有効成分として厚生労働省に認可されています。

今回の記事は、コウジ酸の美白効果、シミや色素沈着に効く仕組み、そしてどのようなシミに効果があるのかなどを解説していきます。

コウジ酸の美白効果

コウジ酸の美白効果は、麹を扱う酒蔵で働く人の手が白くなることから注目されたりしますね。

どんな効能によって美白効果をもたらすのでしょうか。まずはシミが発生する仕組みからみていきます。

シミ発生の仕組み

シミや色素沈着の正体はメラニン色素の沈着によるもの。通常はターンオーバーによって垢(古い角質)と一緒に剥がれていくはずのメラニンが何らかの原因で肌に留まってしまったのがシミです。

そのメラニン色素は、紫外線や物理的な刺激、炎症などによってたくさん作られます。

紫外線や炎症などによってメラノサイト(色素細胞)内のチロシナーゼという酸化酵素が活性化。

そして、そのチロシナーゼがアミノ酸のチロシンを黒色メラニンに変換することでメラニン色素が作られます。イラストを参考にして下さい。

そして、肌老化によってターンオーバーにエラーが起こると、メラニン色素が角質と共に剥がれずにシミとして残ってしまうのです。

コウジ酸はメラニン合成を阻害する

コウジ酸は、メラノサイト(色素細胞)に作用して酸化酵素であるチロシナーゼの活性や合成を阻害し、メラニン色素の生成を抑えます。

メラニン色素を合成するチロシナーゼという酸化酵素は、銅イオンを持つことによって活性化しますが、コウジ酸は「キレート作用」によってチロシナーゼから銅イオンを奪い取り、黒色メラニンの産生を抑制して美白作用を示します。

メラニン色素そのものを薄くする作用はない

メラニン色素を作り出す働きをブロックする効果があるコウジ酸ですが、一方ですでに肌に沈着しているメラニンそのものを淡色化(薄く)するような作用はないです。ビタミンC誘導体やハイドロキノンはそういった作用はありますが、コウジ酸にはメラニンの還元作用はありません。

コウジ酸と似たような美白効果がある他の成分

チロシナーゼの働きを阻害する美白作用を有する成分にはコウジ酸のほかに「ハイドロキノン」「ビタミンC誘導体」「アルブチン」「エラグ酸」「ルシノール」「プラセンタエキス」「油溶性甘草エキス」などがあります。

どんなシミに効果があるのか?

最も効果が期待できるのは炎症後色素沈着

厚生労働省が認めた美白成分といっても、どんなシミにも効くわけではありません。シミの種類によって全く効果がないものもあります。

炎症後色素沈着の画像 コウジ酸が最も効くシミの種類は炎症後色素沈着というシミです。

炎症後色素沈着とは、例えばニキビや毛嚢炎、カンジダ皮膚炎などの炎症後に残ってしまうシミをいいます。境界がはっきりとしていないモヤモヤとしたシミです。

ただし、色素沈着が皮膚の深い部分にある場合(真皮性のメラニン沈着)は、美白剤を使っても薄くなるまで数年単位かかります。また、治らないこともあります。

一般的なシミや肝斑にも効果がある

加齢によるしみの画像 効果は弱いですが、コウジ酸は一般的な加齢によるシミ(老人性色素斑といいます)を少しだけ薄くするような効果はあるとされます。ただ、境界がはっきりとしたシミを美白化粧品で治すのは難しいことがほとんどです。

また、肝斑(かんぱん)といわれる女性特有のシミにも若干の効果があります。

そばかすには効かない

そばかすの画像 そばかすもメラニン色素の沈着によるものなので、メラニンが作られるプロセスを抑えることで薄くすることができるように思えます。

ところがソバカスは体質的な要因が大きいので、コウジ酸のような美白剤で消すのは難しいとされます。他にも、ホクロなどにも効きません。

昔に話題となったコウジ酸の発がん性の問題は?

以前に、動物実験により「コウジ酸に発がん性の問題があるのでは?」と話題になった過去があります。以下はコウジ酸が認められ、問題となった経緯です。

1988年に美白有効成分として認可される

早くから美白成分として注目されていたコウジ酸は、1998年に美白有効成分として厚生労働省に認可されました。そして、多くの化粧品メーカーから美白有効成分としてコウジ酸の化粧品が販売されていました。

2003年に発がん性が指摘され、いったん使用禁止になる

動物実験においてコウジ酸に発がん性、肝がんを引き起こす可能性があることが指摘されました。そしてコウジ酸の化粧品への使用がいったん禁止されました。

発がん性が指摘された動物実験においては、ラットのエサとして1~3%という高用量を投与した結果であり、人間の皮膚に対して使用する場合、そして化粧品有効成分として低い濃度で使用する場合の結果ではありません。

2005年に化粧品メーカーによって安全性が確認される

2005年に化粧品メーカーにより、コウジ酸に対する充分な追加試験により、安全性が証明されたことで、コウジ酸配合化粧品(医薬部外品)の製造販売の再開が認められます。

現在

発がん性が指摘されたこともあって、コウジ酸に対するイメージが悪化しましたが、現在では再び様々な化粧品に美白成分として配合されるようになっています。ただし、コウジ酸の美白化粧品はとても少ないです。

コウジ酸の副作用

肌に合わないと思ったら使用を中止する

一時的に毒性や発がん性があるのでは?として危険性が指摘されたコウジ酸ですが、安全性が証明されて再び化粧品に配合されるようになりました。

安全性が証明されたといっても、それでも人によっては成分との相性により肌に合わないこともよくあります。

肌に合わない場合は必ず使用を中止し、化粧品がもったいないからといって使い続けるようなことはしないようにしましょう。

赤みやかゆみ、ヒリヒリ感が現れたら使用やめる

コウジ酸が配合された化粧品を使って顔に赤みがでたり、かゆくなったり、ピリピリしたような感覚が現れた場合は接触皮膚炎を起こしている可能性があります。その場合は使用中止して下さい。

炎症を気にせずに使い続けると、黒皮症(こくひしょう)といってメラニン色素が真皮層に入り込んだ色素沈着を起こすようになります。メラニンが真皮に落ち込んだシミはとても治りにくいです。

「植物由来成分だから安全」という話しを信じてはいけない

よく化粧品メーカーが「植物成分だから安心」などとして、化粧品成分を紹介していることがありますが、植物由来成分だから安全な成分だとは限りません。

植物成分でもアレルギーを起こしやすい成分はいくらでもあります。広く使用される植物成分ならば安全性が高いといえますが、多用される成分でもどんな人にも絶対にかぶれることはないとは言いきれません。

なお、コウジ酸は化粧品の原料としては、醤油や味噌、お酒などを作る時、発酵のために使うコウジカビを培養し、ろ過された培養液から抽出し、精製されています。無色の針状結晶となっていて純度は高いです。

他にも良い美白成分がある

コウジ酸は美白効果に優れるとされますが、他にも安全で良い成分がたくさんあります。ビタミンC誘導体などもその一つです。そのため、シミを消したいとしてコウジ酸にこだわってスキンケアを行う必要はないと思います。

そもそもコウジ酸を主成分とした美白化粧品はとても少なく、自分の肌に合った化粧水や美容クリームなどを多くの商品から選べるような状況にありません。