L-システインがニキビ跡「しみ・色素沈着」の予防効果がある理由

ハイチオールCの画像 L-システインとは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つで、身体では主に皮膚、髪、爪などに多く存在しています。体内ではメチオニンという必須アミノ酸から作り出されます。

L-システインには、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を正常化する働きや、メラニン色素の合成を抑制する働き、沈着したメラニン色素を薄く淡色化する働きなどがあります。

美白・しみ治療目的で医薬品やサプリメントに使用されることも多く、にもよく効きく成分として知られています。

ニキビ痕の黒ずみ(色素沈着)を引き起こすメカニズム

ニキビ跡の炎症性色素沈着 ニキビの原因となるアクネ菌は嫌気性という空気(酸素)を嫌う性質があり、毛穴が塞がれると毛穴内部で皮脂をエサにして増加します。

そして、このアクネ菌の増殖を抑制するために免疫反応によって白血球が活性化して赤く腫れるようになり、好中球(白血球の一つ)は活性酸素を発生させてアクネ菌を攻撃します。

この反応によってアクネ菌が死滅してニキビの炎症が治っていきますが、この時に発生する活性酸素などのダメージの防御反応としてメラノサイト(メラニン色素を作り出す細胞)がメラニン色素をたくさん作り出し、皮膚の黒ずみを引き起こすことがあります。

これがニキビ跡の炎症後色素沈着です。ニキビだけではなく、虫刺さやヤケドなどにおいても同様の仕組みでメラニン色素が作られます。

炎症後色素沈着は、放っておいても次第に薄くなっていくことが期待できますが、場合によっては改善まで数年かかったり、色素沈着がひどくなると、なかなか治りにくくなることがあります。

この色素沈着を内側から治していく成分の一つがLシステインです。ビタミンCとともにメラニンの抑制や淡色化(薄くする)に導きます。

それでは、Lシステインの効果を詳しく解説していきます。

L-システインのシミ・色素沈着の改善効果

ニキビによるメラニン色素の合成を予防する

ニキビの写真 L-システインはメラニン色素の合成を抑制する働きがあります。

紫外線やニキビの炎症などによって皮膚がダメージを受けるとメラニン色素の合成が活発になり、場合によっては色素沈着を起こすことがあります。

L-システインはメラニン色素の生成そのものを抑制する働きがあり、紫外線やニキビによって炎症を起こしても色素沈着を起こしにくい肌へと導きます。

L-システインは表皮のターンオーバーを促進する

皮膚の構造 L-システインは、皮膚に多く存在するアミノ酸で皮膚のターンオーバー(角化)を正常化する働きがあります。

皮膚の新陳代謝が乱れることでメラニン色素が沈着したり、シミが改善しにくくなりますが、L-システインのターンオーバーを整える働きによってニキビによる色素沈着を起こしにくく、治りやすい肌へと導きます。

メラニン色素の合成を抑制する作用だけではなくターンオーバーを整える働きもあることがシミ・色素沈着の予防や治療に有効だといわれる理由です。

L-システインはグルタチオンの構成成分

グルタチオンとは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸で構成されるトリペプチドです。

グルタチオンは、主に抗酸化作用や異物・毒物・薬物などの有害物質を細胞外に排出する働きがあり、人体において細胞の老化・変質を防ぐ役割を担っています。

このグルタチオンには、メラニン色素の生成を抑制する作用があります。活性酸素や過酸化物質などを還元することで、最終的にメラニン色素の過剰合成を予防します。

また、グルタチオンには肌色メラニンを増加させる働きがあります。肌色メラニンは、シミの正体である黒色メラニンとは異なるメラニンで、自然で明るい肌へと導く働きがあります。

人間の皮膚の色はシミや日焼けの原因となる「黒色メラニン」と、自然な肌色を引き出す「肌色メラニン」の割合で決定されますが、グルタチオンは肌色メラニンを増やす作用があるといわれています。

摂取のポイント

L-システインが多く含まれる食品

L-システインは、小麦胚芽、米胚芽、大豆、柿、栗、はちみつ、ニンニク、たまねぎ、ブロッコリー、芽キャベツなどの食品に多く含まれます。

また、L-システインは体内では必須アミノ酸のメチオニンから作られるため、良質なたんぱく質(肉、魚、卵、豆など)が不足しないようにすることも重要です。ダイエット中などで食事制限を行っている人でも、たんぱく質は十分に摂取したいところです。

医薬品やサプリメントを利用するのも一つの方法

Lシステイン製剤・ハイチオールC・システィナCなどの画像 L-システインは、医薬品やサプリメントによって補うこともできます。商品名では「ハイチオールC」「システィナC」「ハイシーホワイト」などが有名です。

それらの製品やその他のサプリメントにおいてもL-システインの効果を高めるビタミンCがともに配合されていることがほとんどです。

L-システインの1日の摂取量の目安

市販されているL-システイン製剤の多くは1日の160~240mg程度の摂取量を目安としています。海外のLシステインサプリメントでは1日500mgを目安としているものもあります。

L-システインはビタミンCとの相乗効果が高い

ビタミンCサプリメント L-システインはビタミンCとともに摂取すると色素沈着の予防と改善効果が期待できます。

ビタミンCには、抗酸化作用、チロシナーゼ酵素阻害によるメラニン抑制作用、メラニン色素そのものを薄く淡色化する還元作用などがあり、L-システインの美白作用との高い相乗効果が期待できます。

また、ビタミンCはコラーゲンなどの合成にも深く関与し、若々しいハリや弾力のある肌へと導きます。