スクラブ洗顔はニキビに逆効果。ニキビやシミの原因になる理由

オイリー肌で毛穴に皮脂汚れが溜まりやすい人は、スクラブ洗顔が良いといわれることがあります。

スクラブ洗顔の「スクラブ」とは、「こすって洗う」「ゴシゴシ洗う」などの意味があり、一般に泥や樹脂などの細かな粒子が配合されています。

その細かな粒子によって毛穴を塞ぐ角質を落とすことでニキビ予防につながるとされます。

ところが、反対にスクラブ洗顔をやりすぎるとかえってニキビを誘発したり、色素沈着がひどくなってしまうことがあります。

スクラブ洗顔がニキビに効くといわれる理由

スクラブ洗顔がニキビに対して効果があるといわれる理由は、スクラブ粒子が角質を取り除いて毛穴つまりを解消し、ニキビ予防につながるためです。

特に皮脂が多い肌は皮脂中に含まれる遊離脂肪酸の影響でターンオーバーが過剰に進み、角質が厚ぼったくなることでニキビができやすくなりますが、スクラブ洗顔は毛穴汚れや角質を取り除くことでニキビを予防します。

実際にスクラブ洗顔は通常の洗顔よりもさらに角質が落ちやすくなります。

ニキビ跡クレーターにも効果あり?

こめかみのニキビ跡クレーター また、スクラブ洗顔はニキビ跡の皮膚の凹凸・クレーターなどに対しても若干の効果があるといわれます。

その理由は、角質が剥がされると真皮層のコラーゲンなどの増生も活性化するためです。

スクラブ洗顔のピーリング作用によってコラーゲン増生やヒアルロン酸などの合成が活発になり、皮膚にハリがでてきます。その結果、ニキビ跡のクレーターなどが改善する可能性があります。

その効果により、従来はニキビ跡を改善する方法としてスクラブ洗顔が積極的にすすめられる時代がありました。

ニキビ跡のクレーターを治したいとしてスクラブ洗顔を使ってゴシゴシ洗いをしていた経験がある人は多いのではないでしょうか。

ただし、近年ではニキビに対してスクラブ洗顔は理想的ではないと言われるようになってきています。

スクラブがニキビの原因になることもある

スクラブ洗顔は肌をこするように洗うものですが、皮膚が刺激を受けると肌を保護するために角質が厚くなったり、皮脂分泌が増加したりする可能性があります。

角質が厚くなると毛穴をふさいでにきびができやすくなる可能性があるためスクラブ洗顔は避けたほうが無難です。洗顔は肌を刺激しないように洗うのが基本です。

スクラブ洗顔が赤ニキビを悪化させる?

赤ニキビ ニキビは物理的な刺激によって悪化します。それは刺激を与えることで免疫がより反応するためです。

そのため、炎症したニキビにさらに刺激を与えると免疫がさらに反応して炎症がさらに悪化し、場合によっては化膿してしまうこともあります。スクラブ洗顔は肌に対してやや刺激が強いため、ニキビあるときには控えるようにしましょう。

スクラブ洗顔が色素沈着の原因に

スクラブ洗顔によって肌が刺激を受けると、皮膚を保護するためにメラノサイトが活発になってメラニン色素をたくさん作り出そうとします。

それによってシミ・色素沈着が悪化することがあります。ニキビ跡のシミを炎症後色素沈着といいますが、炎症後色素沈着は刺激によって悪化しやすくなるため、スクラブ洗顔のようなスキンケアは控えたほうが良いです。

毛穴の汚れまではスクラブで落とすことはできない

鼻の毛穴つまりの画像 スクラブ洗顔といっても、毛穴の中の汚れまでかきだして落とすことはできません。あくまでも、スクラブ粒子によって肌をこすることで古い角質を落とす作用が主なメリットで、それ以外は一般的な洗顔料と大きな違いはないようです。

スクラブ洗顔に代わる方法はピーリング洗顔

古い角質を剥がして、毛穴を詰まりにくくする目的であれば、スクラブ洗顔よりも角質を剥がす作用があるピーリング洗顔料を使用するのが理想的です。

ピーリング洗顔料をキメ細かくたくさん泡立てて優しく洗うことで肌に負担をかけることなく古い角質ケアできます。角質ケア成分には大きく分けて以下のような成分があります。

フルーツ酸(AHA)配合の洗顔料

スキンケア フルーツ酸とは、たんぱく質に作用して角質を剥がす作用がある成分で、主にフルーツに多く含まれる酸であることから「フルーツ酸(AHA)」といわれています。(AHAとは「アルファヒドロキシ酸」の略称です)。

フルーツ酸を配合した洗顔料やふきとり化粧水などを利用すれば、スクラブでこすったりしなくても優しく角質ケアができます。ニキビ治療において皮膚科などで行われるケミカルピーリングもフルーツ酸が使用されることが多いです。

ピーリング化粧品に配合されるフルーツ酸には、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラス酸、クエン酸などが一般的です。皮膚科などで行われるケミカルピーリングではグリコール酸が使用されることが多いです。

サリチル酸(BHA)

サリチル酸は、角質柔軟作用や殺菌作用がある成分です。濃度によって肌に対する作用に違いがあり、低い濃度ではニキビケア化粧品や角質ケア化粧品に使用され、高濃度では皮膚科におけるケミカルピーリングに用いられます。

マクロゴールという基剤と組み合わせたサチリル酸マクロゴールピーリングという治療名で行われています。

酵素配合のパウダー洗顔

酵素洗顔料は、たんぱく質を分解する作用がある「パパイン酵素」や「プロテアーゼ」などを使用した角質ケアです。

フルーツ酸と同じように角質を剥がして古い角質を取り除いてくれます。酵素は活性が重要なので、水分を含まないようにパウダータイプの洗顔料として市販されています。

ピーリングのやりすぎに注意

ピーリングはニキビケアに即効性がある方法です。角質を剥がすことでニキビの原因となる毛穴のつまりそのものを解消するので、早い効果が期待できます。

多くの美容皮膚科においても、ニキビケアにケミカルピーリングを導入して、ニキビ治療のスタンダードな治療となっています。(皮膚科で行う場合は自由診療です)。

ところが、ピーリングはやりすぎるとかえって肌老化をまねいてしまうことがあります。角質を積極的に剥がす行為は毛穴つまりを予防する一方で、皮膚を薄くしてしまい、敏感肌になってしまうことがあります。

ピーリング1回あたり、通常の洗顔よりも10倍近く肌老化が進んでしまう可能性があることを覚えておいて下さい。