マスクをしていると鼻や口回り、あご、頬などにニキビができやすくなることがあるようです。
また、マスク内が蒸れることでニキビがかゆくなったり、にきび以外の皮膚病をまねいてしまうこともあるかもしれません。
今回はマスクによる皮膚トラブルとその予防法ついて考えていきます。
マスクとニキビ肌荒れの関係
マスクをつけると、呼気によってその内部が蒸れるようになります。湿気がある日は、ほんの1分くらいマスクしただけで蒸れ蒸れになって、マスクが濡れたようになることもありますね。
それが程よい保湿効果をもたらすと考えることもできますが、肌質によってはマイナスになることがあるかもしれません。その一つがカビの増加です。
例えば、脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)という症状は、マラセチア真菌というカビ(真菌)の一種が増加することが原因の一つと考えられていますが、そのカビは皮脂が多い環境や湿気が多い環境を特に好みます。
マスクによる湿気がマラセチア菌を増やし、脂漏性皮膚炎を起こしてしまう可能性があるのです。特に皮脂が多い人は普通でも鼻やその周囲に脂漏性皮膚炎を起こして赤みやかゆみがでやすいので、湿気を考えればマスクはしないほうが良さそうです。
マスクをずっとしていることは顔にパンツをはいているようなものなので、必要がない時はやめたほうが無難です。
なお、脂漏性皮膚炎とは、増加したマラセチア真菌が皮脂を分解して遊離脂肪酸を産生し、それが肌を刺激することによって発生する皮膚病です。遊離脂肪酸(主にオレイン酸やパルミトレイン酸など)には時間の経過と比例して刺激性が大きくなる性質があります。
お化粧とマスクは相性が悪い
ニキビの原因となるアクネ菌は空気(酸素)がない環境を好みます。そのため、ファンデーションで毛穴を埋めたりする行為は、アクネ菌が増加する要因を自ら作っていることになります。
そこからさらにマスクによって蒸れるような環境を作ってしまうと、肌トラブルが起きやすい状況になってしまいます。お化粧した状態と高温多湿の環境によって、湿疹を起こしてしまうケースは少なくありません。
マスクで皮膚がこすれることでニキビが悪化する
炎症を起こしたニキビがマスクの刺激によってさらに悪化する可能性がありますニキビは物理的な刺激を受けて免疫反応が活発になることでより大きく腫れるようになるため、にきびがある時は刺激を与えないような工夫が必要です。
鼻、口周り、あご、頬などのマスクが当たりそうな部分にニキビができた場合は、悪化させないためにもマスクは控えたほうが無難です。
花粉症や風邪、インフルエンザ予防などのためならマスクは仕方ありませんが、必要ない時は外したほうがいいです。そして、肌を締め付けないような大きめのマスクを使用しましょう。
汚いマスクが風邪の原因になることがある
マスクの使用時間が長いほど不衛生的な状態になります。そのため、何度も繰り返し使っていると口周りの皮膚トラブルを起こす可能性があります。
実際にマスクに付着した雑菌、ウイルスが原因で発熱やのどの腫れなどの風邪の症状を起こすこともあります。使い捨てマスクの場合は1日使用したら新しいものと交換し、使い捨てではないものはこまめに洗濯して清潔を維持しましょう。
看護師さんはいつもマスクしてるけど・・・
看護師さんや歯科衛生師さんはいつもマスクしてる印象があります。それが原因でニキビの原因になったり、ゴムの跡でシミになったりしないのでしょうか。
看護師さんはニキビに悩む人が多いといいますが、それは激務なことやストレスなどが主な原因だと予想できますが、もしかするとマスクが原因になっている可能性もありますね。
だてマスクも止めたほうがいい
近年は、必要のないのにマスクをする「だてマスク(伊達マスク)」をしている人が増えているみたいです。
商品データベースを提供するプラネットの調査によると、だてマスク経験者は20.7%で、女性だけでいえば33.9%だったとの報告があります。さらに、20代女性だけでいえば約半数がだてマスクの経験があるようです。
すっぴんやニキビ肌荒れを隠すためにマスクを付けている人も多いと思いますが、吹き出物がある時は避けたほうがいいと思います。
マスクが必要なときのポイント
「花粉症を軽減したい」、「風邪を引いてしまった」、「ほこりっぽい場所を掃除するjことになった」などの理由でマスクが必要なときはあると思います。
どうしてもマスクをしなければならない時は、マスク選びを工夫してみましょう。いくつかのポイントをご紹介します。
使い捨てが基本
マスクは一度使うと雑菌が大量に付着するようになります。それを何度も使ってしまうと反対に風邪の原因になってしまうことがありますので一度使ったら捨てるようにしましょう。
ゴムを緩めて使う
マスクのゴムがきつすぎると、マスクによる肌への刺激が強くなりますよね。ニキビは刺激によって発生したり悪化したりするので、それは避けなければいけません。
その場合は、ぜひマスクをする前にゴムを引っ張って緩めてみて下さい。ゴムによる跡が付かないレベルまでゴムを引っ張って緩めて使いましょう。密着性がなくなるので花粉やウイルスの予防効果が低下してしまうのでは?と思いがちですが、実際はそこまで大きな差はないようです。
自分に合ったサイズを使う
マスクをすると刺激になるので、なるべく小さなマスクを使ったほうがいいです。横幅12センチくらいの口元だけが隠れるタイプが理想です。なお、超大きめマスクのサイズでも横幅は17~18センチくらいです。
そして、素材が柔らかいもので、立体的なマスクのほうがニキビへの負担が少なくなると思います。花粉症の時期はドラッグストアや薬局などでマスクの品揃えが充実するので、その時が自分に合ったマスクを選ぶチャンスです。買い溜めしてみるのも良いと思います。
アロママスクでリラックス
マスクにはアロマの香りを利用したものが多く登場しています。アロマには自律神経に働きかけて、リラックス効果をもたらしてくれるものが入っています。
リラックスすることで皮脂分泌が抑えられてニキビの改善が期待できるかもしれません。(ただし、個人差がありすぎると思います)。
なお、アロマには皮膚刺激になる可能性も否定できませんので、肌が弱いタイプの人はおすすめできないです。「パッチテスト済み」のマスクでも避けたほうがいいです。
そして、普通のマスクにアロマオイルを付けて使用するのも敏感肌にはおすすめできないです。精油の中には不純物が多いものがあり、敏感肌には刺激性がでてくるケースがあるためです。
- ピーリングを10年続けた肌はどうなる?過剰ニキビケア体験談
- 面疔(めんちょう)の原因&治し方まとめ。最も効く皮膚科の薬や市販薬は?
- 皮膚の表皮・真皮・角質層の厚さは何ミリ?各部位の厚みと層数まとめ
- ベピオゲルのにきび減少率と副作用、ヒリヒリする痛みやかゆみの対処についても解説
- メガネ跡の黒ずみ・色素沈着を治す方法は? 予防法と治療方法
- 目・眼球のしみ(結膜母斑)の治療方法とは? 原因と治し方
- 皮膚科のニキビ処方薬「塗り薬・飲み薬」まとめ。保険適用で処方頻度が多い順
- アダパレンゲルの赤ニキビ減少率と副作用。ヒリヒリや皮むけ、かゆみの対処について
- ニキビを潰す方法。ニキビの芯を出す器具と潰していいニキビ写真一覧
- デュアック配合ゲルのニキビ減少率と副作用。痛みやアレルギーのかゆみ対処について