フラビタンのニキビ改善効果と副作用。脂性肌を治す理想的な飲み方

フラビタンの画像 にきび、脂漏性皮膚炎などは、皮膚科などで保険適応で治療を受けることができます。

病院ではニキビ治療に対して様々なお薬が処方されますが、その一つにフラビタン錠というビタミン剤が処方されることがあります。

今回は、フラビタン錠の効果と副作用、効果的な肌質などを詳しく解説していきます。

フラビタンとは?

フラビタンの画像 フラビタンとは、簡単にいうとビタミンB2のお薬です。ただし、一般的な食品や普通のサプリメントなどに含まれるビタミンB2(リボフラビン)と違って、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)という補酵素型のビタミンB2を配合しています。

補酵素型のビタミンB2は、普通のビタミンB2(リボフラビン)よりも効果が早く現れる利点があります。

食品などに含まれる一般的なビタミンB2(リボフラビン)は、そのままでは補酵素として体内で利用されず、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)という補酵素型に移行することで体内で利用されるようになりますが、フラビタンは、補酵素型のフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)そのものが配合されます。

フラビタンの主成分「ビタミンB2」の効果

ビタミンB2 フラビタン錠はビタミンB2製剤ですが、そのビタミンB2は、糖質、たんぱく質、脂質の代謝をサポートし、身体の正常な生理機能を維持する働きがあります。

主に、細胞の再生、脂質の代謝、過酸化脂質の還元などのプロセスに貢献します。

肌細胞の再生をサポートする

ビタミンB2は細胞の再生を促し、皮膚や粘膜、髪、爪など作り出す働きがあります。皮膚においては正常なターンオーバー機能を維持し、ニキビや肌荒れ、皮膚炎などを予防する効果があります。

また、ターンオーバーを整えることでの予防や改善にもつながります。それがニキビ全般にフラビタンが有効な理由の一つです。

皮脂分泌を抑制する

ビタミンB2には、脂質の代謝を正常化して、皮脂を抑制する効果があります。ニキビが多発してしまうような脂性肌の人はフラビタンの摂取が効果的なのです。

過酸化脂質を還元して皮脂の酸化を防ぐ

ビタミンB2には過酸化脂質を還元する働きがあり、肌の老化や皮脂の酸化を防止する効果があります。

ビタミンB2が不足することで皮脂(特に皮脂中スクワレンという成分)が酸化しやすくなり、ニキビや湿疹が現れやすい状態になることがありますが、フラビタンは皮脂の酸化を予防してニキビができにくい肌を維持します。

ニキビ改善率

フラビタンのニキビ改善率は70%という報告もあります。また、口内炎や脂漏性皮膚炎などにおいても7割の人が改善に向かうという報告もあります。

お医者さんがフラビタンをニキビや脂漏性皮膚炎の治療に積極的に処方する理由は、早い段階でニキビ体質や炎症体質を改善する効果が期待できるためです。

適応する人

ニキビの種類の写真 フラビタンは、脂性肌でニキビが多発しやすい人に効果があります。小さい白ニキビや黒ニキビ、または炎症の強い赤ニキビなど症状の強さに関係なく効果があります。

背中や胸、デコルテ、腕、脚、お尻などのニキビに対しても良い効果を示します。

そして、フラビタンは鼻のわきが赤くなったりフケが発生する人(脂漏性皮膚炎)においても効果があります。ターンオーバーを正常化するため、肌の乾燥やシミ、くすみなどが気になる場合も効果的です。

他にも、口内炎、口唇炎、結膜炎、視力低下、パサパサな髪、爪の割れなどにもフラビタンが効きます。

効果が現れるまでの期間

フラビタンは補酵素型であり、体内に入るとすぐに利用されます。そのため、ビタミンB2が不足していた人では服用してからすぐに効果が実感できる可能性があります。

ビタミンB2には皮脂抑制効果があるため、飲んでから早い段階で皮脂の減少が実感できるかもしれません。

そして、ビタミンB2は肌のターンオーバーを正常化する働きがあり、飲み続けることでターンオーバーが整って毛穴つまりやニキビが発生しにくい肌になっていくと思います。

ターンオーバーは28~42日周期といわれますので、フラビタンは1か月くらいは続けてみて下さい。

塗り薬と一緒に処方される

皮膚科で処方される塗り薬 通常、ニキビ治療にフラビタンが処方される時は、保険適応の塗り薬も一緒に処方されると思います。どちらかというとフラビタミンは補助的に処方されます。

ちなみに、皮膚科で処方される外用薬は、ベピオゲル、ディフェリンゲル、デュアック配合ゲル、ダラシンTゲル、アクアチムローション、ゼビアックスローションなどがよく使用されます。

フラビタンはニキビ跡にも効く?

ニキビ跡の赤みとシミ(色素沈着)の画像 フラビタンのようなビタミンB2製剤はニキビ跡の赤みや炎症後色素沈着などにも非常に効果があります。

ビタミンB2を含むビタミンB群が多く存在する肌は、ニキビの炎症を和らげ、さらに色素沈着や赤みが悪化しにくくなるという研究結果も報告されています。

特に、ビタミンB2やB6、ナイアシンなどのビタミンB群が多い肌においては、ビタミンCよりも炎症後色素沈着を予防する効果があるといわれています。

ただし、ビタミンB2はニキビ跡のクレーター状に凹んだ状態への改善効果は難しいと思います。

不足しやすい人

脂質が多い食事が増えるとビタミンB2の消費量も多くなって不足傾向になることがあります。暴飲暴食はNGです。

また、ストレスや疲労、過度な運動、お酒、タバコ(喫煙)などにおいてもビタミンB2不足に陥る原因です。

ビタミンB2は腸内細菌も合成していますが、水溶性ビタミンで身体に溜めておくことができないため、不足することはまれではないことを覚えておいて下さい。

食生活を見直すことも重要

バランスの良い食事 フラビタンを使用する前に、一般的な食生活でビタミン不足に陥らないように食事を改善することも重要です。もともと食生活が悪化していると、いくらフラビタンのようなビタミン剤を服用してもニキビが減少しにくくなります。

ニキビ予防のためにはバランスの良い食事を心がけて下さい。特に、牛肉や豚肉などの動物性脂肪が多い食品や、甘い食べ物ばかりを食べていると皮脂分泌が増えてニキビが治りにくくなるので注意して下さい。

どのように飲むべきか?

薬を飲む画像 フラビタンの飲み方は、1回5mg~15mgを1日1~3回、食後に飲みます。1日3回の場合は毎食後に服用します。

食後に飲むことで吸収が穏やかになって、持続的に効果を発揮するメリットがあります。ビタミンB2が体内で持続的に働くことで脂性肌が治り、ニキビが改善に向かうようになります。そして、1日に何度かに分けて服用するのが理想的な飲み方です。

また、フラビタン錠は、胃で溶けずに腸で溶けて吸収されるようにコーティングされているため、錠剤をかまずにそのまま服用して下さい。噛んで服用すると効果が弱くなってしまう可能性があります。

ビタミンB2の1日の所要量

ビタミンB2の1日の必要量は、成人男性1.2mg、成人女性1.0mgが目安です。

フラビタン1錠あたり、1日の必要量の5~10倍のビタミンB2が含まれていますが、過剰摂取の心配はないです。

注意が必要なケース

フラビタンには、飲み合わせが悪いお薬がありません。他のお薬の作用を強めたり弱めたりする効果はありません。他の病気などで服用している薬がある場合でも、フラビタンと併用して飲むことができます。

購入するには?

女性医師によるカウンセリング写真 フラビタンは、病院(主に皮膚科など)で、お医者さんから処方箋を出してもらって薬局で購入して下さい。保険適応です。非常に安いお薬であるため、経済的にも負担になりません。

薬価は「フラビタン5mg」で5.6円です。ジェネリック医薬品も多くありますが、あまり値段に違いはありません。

そして、医者によってはニキビ治療に対してフラビタンとは違うお薬をすすめられることもあるかもしれません。

また、フラビタンと一緒にピドキサールというビタミンB6製剤や、シナールというビタミンC製剤などが処方されることもあります。ニキビを治すためにはビタミンB2とB6、ビタミンCなどが非常に重要であるためです。

薬の形状

フラビタンの画像 フラビタンは、錠剤タイプやシロップ0.3%があります。一般に錠剤タイプが処方され、5mgと10mgがあります。

フラビタンの副作用

フラビタンの副作用はほとんどありません。主成分であるビタミンB2は水溶性ビタミンであり、体内に留まることはないため、過剰摂取をしても尿と共に排出されます。

尿が黄色くなる

フラビタンを服用することでおしっこが黄色くなる現象がよく発生します。これは利用されないビタミンB2が尿とともに排出された現象なので特に心配する必要はありません。一般的なサプリメントでも起こります。

フラビタンで悪化するケースがある?

悩む女性の画像 フラビタン錠を服用してからニキビが悪化したと感じる人もいるかもしれません。ただし、このお薬のようなビタミンB2剤には、ニキビの原因になるような作用はありません。

ニキビが悪化した場合はフラビタンが原因ではなく、食生活やストレス、スキンケアなどが問題となっている可能性があります。洗顔や食生活、質の良い睡眠などをこころがけることがニキビ予防のためには大切です。