パールフラクショナルのニキビ跡治療効果。副作用や危険性は?

パールフラクショナル ニキビは悪化するほど、モヤモヤした色素沈着や赤みといったニキビ跡も酷く残ってしまうようになります。

そして、炎症度合いや肌質などによっては、ニキビ跡がクレーター状に凹んでしまうことも少なくありません。

そんなニキビ跡を総合的に治す治療の一つにパールフラクショナルというレーザー治療があります。

今回はパールフラクショナルの効果や副作用、危険性などを解説していきます。

パールフラクショナルとは?

パールフラクショナルの施術写真 パールフラクショナルはYSGG(イヨットリウム・スカンディウム・ガリウム・ガーネット)という物質を媒体とした波長2790nm(ナノメートル)のレーザー治療です。アメリカのキュテラ社の製品。

2790nmの波長は水に対しての吸収率がとても高い特長があり、皮膚に含まれる水分に吸収されて皮膚を蒸散(削る)させる働きがあります。

そのレーザーを分散的に照射して、皮膚に点状の微細な穴をあけていくことで、その皮膚ダメージから回復する過程で発生する成長因子によって、真皮層のコラーゲンの入れ替えと増加をもたらします。

ニキビ跡のクレーターの原因である瘢痕組織(はんこんそしき)を再構築して新しいコラーゲンとの入れ替えを促すことで、皮膚の凹みの改善が期待できるというわけです。

パールフラクショナルは主にニキビ跡のクレーター治療に使用されることが多いですが、その他にも、シワ治療や開いた毛穴治療にも適した治療です。

ニキビ跡クレーターに効く理由

フラクショナルレーザーがニキビ跡クレーターに効く仕組み パールフラクショナルがニキビ跡クレーターに効くのは、コラーゲン増加だけではなく皮膚を入れ替える効果にもあります。

例えば、シワやたるみは主にコラーゲンの減少によって引き起こされるものですが、ニキビ跡クレーターというのは、炎症によってコラーゲンが硬く萎縮した状態になってしまうことで発生します。

つまり皮膚の真皮層が瘢痕化(はんこんか)してしまうのです。そのため、単にコラーゲンを増やすのではなく、皮膚の入れ替えを促して瘢痕組織を解消させる必要があります。

それが高いレベルで実現できるのが、パールフラクショナルのようなレーザー治療です。

実際に効果はあるの?

フラクショナルレーザーの治療 パールフラクショナルの効果は個人差がありますが、基本的にどんな肌質においても、治療を繰り返すことでニキビ痕の凹みが目立たなくなっていきます。

浅いクレーターの場合は2回ほどの治療でほぼ目立たない状態になることがありますが、通常は4~5回ほど繰り返すことでクレーターは改善していくと思います。

ただし、皮膚が厚ぼったくてゴワゴワしたような肌質の人はニキビ痕の凹みも深いことが多く、そういった人は特に繰り返し治療が必要です。

そして、皮膚の深い部分に瘢痕がある場合はレーザーの効果が及びにくいため、改善が難しいことがあります。つまり治療には限界があるということです。

パールという治療と組み合わせる方法もある

パール 全体的な美肌効果を高めたい場合はパールフラクショナルと共に、「パール」という治療と組み合わせることもできます。

パールはパールフラクショナルと同様にYSGGを活用したレーザー治療で、皮膚に対して浅く広く照射できるようにコンピューター制御されたレーザーにより皮膚の表面(主に表皮角質層)を蒸散させることで、表皮層の生まれ変わりを促します。

ターンオーバーを促進することでニキビ肌や毛穴の開き、肌のくすみなどの表皮的な肌トラブルの改善が期待できます。

パールフラクショナルが点状に点状に作用するのに対して「パール」は皮膚表面全体に作用する治療だと考えてください。

また、パールの治療によって適度な熱エネルギーが皮膚の深い層に伝わることでコラーゲンの増加作用も期待できます。表皮の生まれ変わりとコラーゲン増加を促す総合的な美肌へと導くことでできるというわけです。

パールは一度の治療で目に見えて美肌効果を実感できる治療ですが、一般に5~7日ほどのダウンタイムがあります。また、肌が弱い人や老化が進行した肌には不向きな治療です。

施術内容とアフターケア

Step1まず、カウンセリングにより肌の状態を診断します。ここで肌が弱い、ケロイド体質、または服用している薬などがあればきちんと医師に伝えましょう。

Step2施術当日、治療前に洗顔をして肌の汚れを落とします。

Step3麻酔クリームを塗布します。

Step4麻酔が効いたら目を保護するゴーグルを装着してパールフラクショナルレーザーを照射していきます。20~30分ほどです。また、希望の場合はレーザーピーリングであるパールの治療を組み合わせることもできます。

Step5照射後は希望により成長因子を含んだ溶液やビタミンC、プラセンタ溶液を塗布したりすることもあります。

Step6最後は保湿をして肌をクールダウンさせて終了です。

施術内容を動画で

以下はパールフラクショナルを行っている映像。YouTube。


レーザー照射時。
パールフラクショナルの施術写真


レーザーを照射した後は、白くプツプツしたような模様ができます。これは皮膚が点状に削られたことによるものです。 パールフラクショナルで穴をあける写真

たくさんの穴が修復される過程で成長因子が大量発生。それによってコラーゲン増生と真皮層の入れ替えが期待できます。

なお、施術後は少なくとも2~3日は赤みがでます。肌が弱い人はもっと赤みが続くことも。

アフターケア

  • 治療後は肌が高いレベルでダメージを受けているため、お化粧は控えましょう。また、施術から数日は肌に負担をかける行為はやめましょう。
  • 日焼け対策をして下さい。施術後から数日は日焼け止めを塗るというよりも、紫外線に当たらないような工夫が必要です。
  • 施術後当日から翌日は入浴は控えましょう。施術部位を温めるようなことはしないで下さい。マッサージなども厳禁です。肌を温めると炎症がひどくなったりすることがあります。
  • 保湿をしっかり行って下さい。肌水分量が高くなると回復力が高くなります。
  • 過度の飲酒や喫煙も控えて下さい。回復力が弱くなります。

治療時間の目安

パールフラクショナルの治療時間は麻酔を含めて全体で1時間ほどはかかります。レーザー照射の時間は20~30分ほどです。

治療回数の目安

パールフラクショナルでニキビ跡のクレーターを治療する場合、ある程度の凹みがあるニキビ痕の場合は少なくとも4~5回はかかります。

ただし、効果には個人差があります。肌質が柔らかそうで浅い凹みの場合では、2~3回の治療で目立たなくなることもあります。

治療料金の目安

パールフラクショナルの治療費用は、顔全体で1回あたり3~5万円くらいが目安です。

頬のニキビ痕だけといった部分的な治療の場合はさらに安い料金で行うこともできるでしょう。キャンペーンをやっている病院ではかなり安く受けられることもあります。

けれども、この機器を導入しているクリニックはあまり多くありません。

副作用や注意点

フラクショナルレーザー後の点状のカサブタの画像 パールフラクショナルの副作用は、治療後に顔が赤くなってほてり(熱感)を感じたり、人によってはヒリヒリした痛みを感じたりすることがあります。

肌が薄くて弱い人ほど出血を起こしたり、肌が痛々しいくらいに真っ赤になることがあります。他にも、体質や肌質によってはケロイドを起こすこともありえます。ケロイド体質の人は避けたほうが良いと思います。

肌の赤みは目安として3日~5ほどで治まることが多いです。肌が弱い人はさらに時間がかかります。

また、術後から数日で点状のカサブタが現れますが、そのカサブタは無理やり剥がしたりせずに、自然に剥がれるのを待ちましょう。洗顔の際も注意して下さい。

パールフラクショナルはダウンタイムが1週間ほどなので、お化粧は1週間ほどは避けたほうがいいです。

下手に肌に負担をかけると色素沈着を起こしたりする可能性もあります。この治療は比較的強い治療の部類に入るため体調が良いときに行ってください。