ニキビ跡を悪化させるプラスミンやプロスタグランジンの働き

ニキビ跡の種類の写真 ニキビや吹き出物は塞がった毛穴の内部でアクネ菌が増加することで発生します。増加したアクネ菌を表皮細胞が異物として判断し、炎症性サイトカインを発生させて炎症を引き起こし、その結果ニキビが赤く腫れるようになります。

そして、ニキビが炎症を起こすと様々な生理活性物質が発生します。その炎症物質がニキビの腫れやにきび跡の赤み、色素沈着などを悪化させる要因となります。

ニキビ跡を悪化させる炎症物質

プラスミン

プラスミンが炎症を悪化させるイメージ画像 ニキビによって皮膚が炎症を起こして異常が発生すると、血液中に流れているタンパク質である「プラスミノーゲン」が「プラスミン」という物質に変化します。

プラスミンとは、たんぱく質分解酵素の一つで、肌細胞(表皮細胞)を分解して構造にダメージを与え、炎症を大きくしたり肌荒れを起こす原因となります。このプラスミンがニキビやにきび痕の悪化を促す要因の一つと考えられています。

このプラスミンという物質を抑制するのがトラネキサム酸です。トラネキサム酸には抗プラスミン作用があり、消炎作用やメラニン色素の生成を抑制する働きがあります。また、抗プラスミン作用によって炎症や腫れが増大するのを抑制するため、抗アレルギー作用などもあります。

プロスタグランジン

ニキビ跡の炎症後色素沈着 ニキビの炎症によって発生したプラスミンは、様々な作用をもたらす過程において「プロスタグランジン(PG)」という生理活性物質の発生を促します。

プロスタグランジンは、メラノサイト(メラニン色素を作る細胞)の活性化や、メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の活性を促す作用があり、ニキビ跡の炎症後色素沈着(もやもやしたシミ)が悪化する要因の一つが、プロスタグランジンの働きによるものだと考えられています。ニキビ跡を悪化させないためには、素早く炎症を抑制してプロスタグランジンに発生を抑える必要があります。

メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)

ニキビの炎症によって発生したプラスミンは、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)という物質を発生させるプロセスに関与しているとされます。メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)とは、その名の通りメラニン色素の産生を促すホルモンで、肌細胞のDNA損傷を感知してメラニン色素の合成を促すように働きかけます。

皮膚の炎症によってプラスミンが発生し、そのプラスミンによってメラニン細胞刺激ホルモンの発生が促されることでニキビ跡の色素沈着が悪化するようになると考えられています。

ちなみに、欧米人(白人種)が色白、つまりメラニンが少ないのは、このメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)の働きが低いことが要因の一つということがわかっています。

ヒスタミン

ニキビの炎症によって発生したプラスミンは、様々な作用をもたらす過程において「ヒスタミン」という物質の発生を促します。ヒスタミンは炎症やアレルギー反応の介在物質として働く生理活性物質で、ヒスタミンが過剰に分泌されるとヒスタミン1型受容体というタンパク質と結合して、アレルギー疾患の原因になるとされます。

ニキビが発生するとかゆみを伴うことがありますが、それはヒスタミンの過剰放出、つまりアレルギーを起こしている可能性があります。にきびとアレルギーが併発すると、かゆみだけではなく炎症が悪化したり長引いたりすることが多く、ニキビ跡がひどく残ってしまう傾向があります。

ブラジキニン

プラスミンは、ブラジキニンという物質の増加を促す作用があります。ブラジキニンとは、血圧調整、神経に痛みを伝える働き、炎症の発現などに関与する物質です。ニキビが強い炎症を起こすと痛みを伴うことがありますが、それにはブラジキニンが関与していると考えられています。

ニキビが治っても炎症は続いている?

女性看護師の写真 一見、ニキビの腫れが治っているように見えても、皮膚の内部ではまだ炎症物質やメラニンの生成を促す物質が働いていたりします。そのため、ニキビが治ってもすぐには肌に負担をかけるようなスキンケアはしないようにしましょう。

例えば、マッサージなどはニキビが完全に治ってから少なくとも2~3か月後から行い、また、治療器の種類にもよりますが一般にレーザー治療、光治療、高周波治療などにおいても、ニキビが治ってある程度期間をあけてから行うのが理想です。