ニキビ以外でもデコボコ肌になる!毛穴開きやケロイドも原因

こめかみのニキビ跡クレーターの画像 顔の頬や額に凹みや盛り上がりが多数あると、肌が荒れた印象を与えてしまいます。

一般に皮膚の凹みや盛り上がりは、ニキビによって発生しやすいとされますが、他にも過剰な皮脂、毛穴の開き、ケロイド、老化現象などによって発生も起こります。

それぞれの発生原因を解説していきます。

ニキビ跡のデコボコ肌の原因

ニキビ跡クレーターの画像 皮膚がデコボコになる原因の一つがにきびによるものです。にきびは、過剰な皮脂分泌などの影響で角化異常(ターンオーバー異常)がおこり、皮膚が厚くなって毛穴が塞がってしまうことで発生します。

塞がった毛穴の中でアクネ菌が増殖すると、それを抑制するために様々な伝達物質が発生し本格的な免疫反応が始まります。

そして、白血球(好中球)は活性酸素を発生させて増加したアクネ菌を攻撃します。この免疫システムによって最終的にアクネ菌が死滅して自然にニキビの炎症が治まっていきます。

ところが、好中球によって発生する活性酸素はコラーゲンなどの線維組織に強いダメージを与えてしまい、それによって真皮層のコラーゲンが瘢痕化し、萎縮して凹んでしまうことがあります。これがニキビ跡のクレーターです。

ニキビ跡クレーターが発生しやすい肌とは?

厚くて硬い皮膚

ニキビ跡の陥没凹みは、皮膚が厚くて硬く、ゴワゴワした肌質に発生しやすい傾向があります。ニキビ跡の凹みが頬やコメカミなどに発生しやすいのは、その部分の皮膚が厚ぼったくて、萎縮した瘢痕が目立ちやすいことがあげられます。

アレルギー体質

一概にはいえませんが、アレルギー体質の人ほどにきび跡がクレーターになりやすい傾向があります。

ニキビの炎症はアクネ菌の増加に対する免疫反応によるものですが、アレルギーの人では過剰に免疫が働いてしまうことで、ニキビ炎症がより悪化して皮膚へのダメージもより大きくなってしまう傾向があります。

ニキビにかゆみが現れたらアレルギーを起こしている可能性があり、その場合は悪化しやすいです。

毛穴の開きで肌がデコボコになる

頬の開いた毛穴 開いた毛穴が目立ってくることで肌がデコボコに見えてしまうことがあります。これは、皮脂分泌が多い脂性肌であるほど引き起こされることが多いです。

毛穴が開いた状態になると、とても老けた印象を与えてしまいますし、女性の場合はお化粧のりも悪くなります。

毛穴が開く仕組み「角化異常」による毛穴拡大

毛穴の開きと遊離脂肪酸の関係 皮膚に生息するアクネ菌などの常在細菌は皮脂を分解して遊離脂肪酸を産生します。遊離脂肪酸とは、グリセリンと結合がない脂肪酸で、皮脂中には主にパルミトレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸などが多く含まれます。

遊離脂肪酸は肌を健康的な弱酸性に導く働きがある一方で皮膚に対して刺激性があり、角化異常(ターンオーバー異常)を引き起こす原因になります。

角化異常によってターンオーバーが亢進し、毛穴周辺の角質が厚くなってくると毛穴の周りが盛り上がって毛穴が凹んだように見えてしまうことがあります。そして全体的にはデコボコ肌に見えるようになります。

遊離脂肪酸は皮脂量と比例して増加するため、皮脂が多い部分ほど毛穴の開きが目立つ傾向があります。鼻、眉間、額、頬などに毛穴が目立つのもそのためです。

毛穴の開きは皮脂中の不飽和脂肪酸の酸化が原因?

毛穴が開く仕組み 毛穴の開きや毛穴の汚れを引き起こすのは、特に皮脂中の不飽和脂肪酸が影響します。

皮脂中の不飽和脂肪酸にはオレイン酸やパルミトレイン酸、リノール酸などがありますが、その不飽和脂肪酸は空気や紫外線などによって酸化されやすく、皮膚に刺激を与えて炎症を起こしやすい欠点があります。

不飽和脂肪酸が長い期間に渡って毛穴周辺に対して刺激を与え、わずかな炎症を起こし続けることで、毛穴がすり鉢状に変形してしまうようになることがあります。

それによって毛穴が開いて見えるようになります。紫外線や加齢によって毛穴が目立ってくるのは、長年の皮脂酸化によるダメージが大きく関係します。

皮脂の酸化を抑制するには水溶性ビタミンC誘導体が有効です。
【Amazon】リン酸型ビタミンC誘導体10%ローション

ビタミンCは、抗酸化作用、皮脂分泌抑制作用、メラニン抑制作用(美白作用)などがあり、皮脂が多くて毛穴が目立ちやすい人やニキビができやすい人に効果があります。

多数のケロイド・肥厚性瘢痕によるデコボコ肌

ブツブツした成熟瘢痕 ケロイドが多発することでも肌がデコボコになってしまうことがあります。ケロイドは、肌ダメージを修復するためにコラーゲン増生が起きる過程でTGF-β1というサイトカインが過剰に働いてしまうことが主な原因です。

ケロイドは深い外傷や手術によってできることが多いですが、まれにニキビによって発現してしまうこともあります。ケロイド体質の人ではニキビが多発した跡にそのままケロイドになってデコボコ肌になってしまうことがあります。

ケロイドは2種類に分けられる

真性ケロイドと肥厚性瘢痕の違い ケロイドは、厳密には進行性がない「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と、進行して拡大していく「真性ケロイド」に分けられます。

ただし、真性ケロイドであることはごくまれで、ほとんどは傷跡の進行性がない肥厚性瘢痕であることがほとんどです。

また、肥厚性瘢痕は長い期間を経て小さくなっていく傾向がありますが、赤みだけが消失して残ってしまうこともあります。

赤みが消失したケロイドを「成熟瘢痕」といい、基本的に特別な治療を受けなければ、それ以上小さくなっていくことはありません。

老化現象による皮膚のデコボコ

老化現象 加齢によって肌老化が進行すると、皮膚にしわやたるみが現れるようになりますが、これはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などのハリや弾力を生み出す物質が減少、変性してくるためです。

これらの老化現象によって皮膚が凹んでデコボコに見えてしまうことがあります。また、コラーゲンの減少によってそれまで目立たなかったにきび跡の凹みが悪化して見えてくることもあります。毛穴が開いてデコボコ肌に見える原因もコラーゲンの減少が一つの要因です。

コラーゲンは、ストレス、タバコ、栄養不足、運動不足、睡眠不足、紫外線、活動性の低い日常生活などによって減少しやすくなります。